映画愛の詰まった『今夜、ロマンス劇場で』がオマージュを捧げた数々の名作

映画だからこそ楽しめる物語をということで製作された映画『今夜、ロマンス劇場で』。

映画愛溢れる物語は、たくさんの名作へのオマージュが捧げられています。

ここでは『今夜、ロマンス劇場で』の中に散りばめめられた名作、そして物語の中で見ることのできる映画について紹介します。

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目次

『今夜、ロマンス劇場で』作品情報


今夜、ロマンス劇場で

タイトル 今夜、ロマンス劇場で
監督 武内英樹
公開 2018年2月10日
製作国 日本
時間 1時間49分

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『今夜、ロマンス劇場で』がヒントにした名作

映画館でしか楽しむことのできない映画」を作りたいと考えたプロデューサーは、『今夜、ロマンス劇場で』を製作するにあたって幾つかの名作を参考にしています。

キートンの探偵学入門

「世界の三大喜劇王」の1人バスター・キートンの1924年に公開された映画『キートンの探偵学入門』。

映写技師のキートンは物語の途中、夢の中でスクリーンの向こう側 映画の世界に入り込んでしまいます。

白黒のサイレント映画ですがキートンの動きやアクションは、今見ても笑ってしまい充分に楽しめる作品です。

この作品が元になって、『今夜、ロマンス劇場で』の「白黒映画」や「映画の世界と現実の世界のつながり」が誕生しています。

カイロの紫のバラ


カイロの紫のバラ

映画の中の人物がスクリーンから飛び出してきて、現実の世界で恋に落ちる物語『カイロの紫のバラ』。

『今夜、ロマンス劇場で』のプロデューサーは、『キートンの探偵学入門』だけでなくこの『カイロの紫のバラ』も映画作りの参考にしたと語っています。

『カイロの紫のバラ』ではスクリーンの中から現実世界に飛び出すだけでなく、現実世界の人間がスクリーンの中に入ることもできました。

物語の中の人物と現実の人間が恋に落ちる設定は同じですが、『今夜、ロマンス劇場で』よりも『カイロの紫のバラ』の方が現実の厳しさを知る終わり方になっています。

でもどちらの作品も主人公が映画が大好きという設定は同じでした。

『今夜、ロマンス劇場で』がオマージュを捧げた名作

ローマの休日


ローマの休日(字幕版)

『今夜、ロマンス劇場で』の中で牧野健司が何回も見ていた映画が『お転婆娘と三獣士』。

パーティ三昧の毎日が嫌なお姫様がお城を抜け出してしまうという内容は、名作『ローマの休日』がモデルになっています。

お姫様と身分の違う男性が恋に落ちる内容は『ローマの休日』と同じです。

また健司のいる世界にやってきたお姫様美雪は健司に街を案内してもらい途中でかき氷を食べますが、これは『ローマの休日』の中でアン王女が新聞記者のブラッドレーにローマを案内してもらい、途中でアイスクリームを食べるシーンを思い出します。

お転婆で勝ち気な美幸お姫様の性格も、世間知らずだけど物怖じしないアン王女の性格とそっくりな設定になっていました

ニュー・シネマ・パラダイス


ニュー・シネマ・パラダイス (字幕版)

『今夜、ロマンス劇場で』の中で助監督の健司と映画館の館主の本多さんの関係は、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の、映画好きの少年トトと映写技師のアルフレードの関係が元になっています。

『ニュー・シネマ・パラダイス』の中にはたくさんの名作が登場していましたが、同じように『今夜、ロマンス劇場で』の中にも当時を彩った名作が出てきます。

オズの魔法使


オズの魔法使い(字幕版)

世界中で愛され続けているミュージカル映画『オズの魔法使』。

竜巻に飛ばされてオズの国に迷い込んだドロシーは、家に帰るためにカカシとブリキの木こりとライオンと共にオズの大魔王に会いにいく物語です。

この劇中に出てくるカカシとブリキの木こりとライオンの設定が、『今夜、ロマンス劇場で』の中の『お転婆娘と三獣士』に出てくる狸吉・虎右衛門・鳩三郎に重なります。

『お転婆娘と三獣士』はミュージカル映画でもあったので、この作品自体が『オズの魔法使』をモデルにしています。

狸御殿シリーズ


歌ふ狸御殿

『今夜、ロマンス劇場で』の中に出てくる映画『お転婆娘と三獣士』は『オズの魔法使』が元ネタでしたが、実はもう1つネタになっているシリーズがあります。

『今夜、ロマンス劇場で』のプロデューサーは、『狸御殿』シリーズが元になっていると語っていました。

『狸御殿』シリーズとは昭和10年代半ば〜30年代半ばにわたって製作されたシリーズで、ミュジーカルのように歌と踊りが合わさっていて当時はオペレッタ映画と呼ばれていました。

シリーズ2作目となる『歌ふ狸御殿』は、人間に化けた狸の「シンデレラ物語」になっていいて、そこに「かちかち山」や「分福茶釜」などの日本の昔話が加わった作品です。

バック・トゥ・ザ・フューチャー


バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)

1980年代を代表する映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』。

この作品も『今夜、ロマンス劇場で』の元ネタの1つです。

『今夜、ロマンス劇場で』の中で、映画『お転婆娘と三獣士』の姫が映画の世界を抜け出して現実世界にやってくるのは雷が原因でした。

これは『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』で、雷を利用して今の窓世界に戻ろうとするあの有名なシーンから引用されていました。

また逢う日まで


また逢う日まで

健司と美雪が映画館の窓ガラス越しにキスするシーンは、日本の名作『また逢う日まで』からの引用です。

『また逢う日まで』は戦争に翻弄される男女の恋愛の物語です。

日に日に戦争が激しくなっていく中で、愛し合うことは相手を不幸にするのではないかと悩む三郎と、それでも彼のことが大好きな蛍子の気持ちを表現したのがこの窓ガラス越しのキスシーンでした。

そのキスシーンを『今夜、ロマンス劇場で』では、触れることができない健司と美雪のキスシーンでオマージュしていました。

劇中に登場する名作

『今夜、ロマンス劇場で』の中には、実際の映画を見ることもできます。

女王蜂の怒り


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『今夜、ロマンス劇場で』の前半、映画館でみんなが盛り上がって見ていたのは映画『女王蜂の怒り』。

宇津井健が演じるハリケーンのまさが登場してヤクザを次々と倒すシーンを、みんな歓声を上げながら見ていて健司も楽しそうです。

映画館の入口には『女王蜂の怒り』の大きな看板も飾られていました。

カサブランカ


カサブランカ(字幕版)

健司の元を去った美雪が1人映写室から見ていたのは、映画『カサブランカ』でした。

映画館の外にも『カサブランカ』の看板が飾られています。

美雪は『カサブランカ』の2人の男の間で揺れ動くイルザに自分を重ねながら、映画の世界に戻るかそれとも健司と一緒にるか悩んでいたのかもしれません。

映画ポスター

『今夜、ロマンス劇場で』には偽の映画ポスターがいくつも登場しますが、中には本当に上映された映画のポスターも入っていました。

例えば、映画館の中で、劇場の出入口付近の掲示板には映画『雪夫人絵図』のポスターを見ることができます。


雪夫人絵図

その他『恋文』『風雲七化け峠』なども貼ってありました。

また映画館の外には『次郎物語』が特集されています。

色んなところでこの時代の映画に触れることができますので、画面をよく見てポスターを見つけて見てください。

遊び心

映画館の館主の本多さんも昔、健司と同じような経験をしていましたが、その本多さんのいる受付には彼が恋した女性が出演する『自由の唄』という映画のポスターが貼ってありました。

『自由の唄』とは実在しない映画ですが、このポスターをよく見ると出演者の名前を確認できます。

オールスターキャストと書かれた横には「高峰節子」と「志村敏郎」とあります。

これは実は
[box class=”red_box” title=””]・高嶺節子→高峰三枝子(または高峰秀子)+原節子
・志村敏郎→志村喬+三船敏郎[/box]
となるんです。

昭和の映画スターの名前を掛け合わせていて、映画好きスタッフの遊び心を感じることができます。

まとめ

たくさんの世界の名作映画が隠されている『今夜、ロマンス劇場で』。

それを紐解くだけでもこの映画のスタッフの映画に対する愛を感じることができます。

今回取り上げた作品の中には、知らなかった映画もあると思います。

ぜひ、この機会に見たことなかった世界の名作に触れて見てください。

きっともっともと映画が好きになるはずです。

 

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