エヴァンゲリオンの庵野秀明監督が総監督を務めたこと『シン・ゴジラ』。新たに誕生したゴジラは体内に原子炉を有し容赦無く東京を破壊し続けます。前代未聞の緊急事態発生時、政府はどうするのか?日本はどうなってしまうのか?災害大国でもある日本の現状と熱い想いが詰まった作品になっています。
『シン・ゴジラ』作品情報
タイトル | シン・ゴジラ |
監督 | 庵野秀明(総監督)樋口 真嗣(監督) |
公開 | 2016年7月29日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 1時間59分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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東京湾・羽田沖。
突如、東京湾アクアトンネルが崩落する重大事故が発生する。
すぐさま総理以下、各閣僚が出席する緊急会議が開かれ、地震や火山などの原因が議論される中、内閣官房副長官・矢口蘭堂は未知の巨大生物の可能性を指摘し、上官にたしなめられてしまう。
しかしその直後、実際に巨大不明生物が海上に姿を現わし、政府関係者を愕然とさせる。
のちに“ゴジラ”と名付けられるその巨大不明生物は陸に上がると、逃げまどう人々などお構いなしに街を蹂躙していく。
やがて政府は緊急対策本部を設置するが、対応は後手後手に。
一方、米国国務省が女性エージェントのカヨコ・アン・パタースンを派遣するなど、世界各国も事態の推移と日本政府の対応に強い関心を示していく。
そんな中、様々な思惑が交錯する関係機関をまとめ上げ、ゴジラによるこれ以上の破壊を食い止めようと奔走する矢口だったが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/354182)
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日本人へ期待と希望
『今しか出来ない、今だから出来る、新たな、一度きりの挑戦と思い、引き受ける事にしました。』
この言葉は『シン・ゴジラ』の製作発表時の庵野秀明監督のコメントです。
この『シン・ゴジラ』は2011年に起きた東日本大震災を思い出させる描写がたくさんあります。
非難する住民・原子炉を持ったゴジラ・放射線除去の対応などどれも2011年3月の出来事を想像させます。
それが庵野監督の言っていた「今しか出来ない」につながるのでしょう。
あの震災から色んなことがありながらも復興を続けている日本。
そんな日本、日本人への希望が込められた作品になっていたのです。
ゴジラの上陸によって東京は機能しなくなってしまいます。
国連をはじめとする多国籍軍によって、ゴジラに核攻撃が仕掛けられようとしています。
「承知しました」というしかない日本のトップ達に対して、現場では東京を何としても守ろうと災害対策本部のメンバー達は最後の最後まで粘り続けます。
日本人の知識と技術で日本人の底力を見せてくれます。
現場の働きこそが日本の力でもあったのです。
そして「この国はスクラップ&ビルドで何度ものし上がってきた」というセリフが今の日本を象徴しています。
戦争や災害により何度壊されても、そこから這い上がり新しい国を作り続けてきたからこそ今の日本があるのです。
それが私たち日本人の誇りなのかもしれません。
そしてそれが震災後復興を続ける人々への応援になっていました。
どんなことがあっても立ち直れる。
『シン・ゴジラ』を通して日本国民へのエールを感じることができました。
ゴジラとの最終決戦でかかる「宇宙大戦争」マーチ。
この曲とともに日本人の力が発揮されます。
絶対に東京を破壊させないという強い思いとともに、日本人の戦いが始まったのです。
日本人への力強い鼓舞にもなっていました。
ゴジラの生態
『シン・ゴジラ』に登場したゴジラ。
東京湾に姿を表すと、蒲田に上陸します。
そしてその途中で進化を遂げました。
東京をパニックに陥れた謎の巨大不明生物は、のちにゴジラと名付けられました。
そのゴジラは海洋投棄された放射性廃棄物を食べて成長していました。
放射性廃棄物は海洋投棄された地域に太古から生き延びていた海洋生物が生息していました。
海洋生物は生きていくために放射性に耐久を持つ生物へと進化したのです。
それがゴジラの生態でした。
体内に原子炉を持っているゴジラは、背びれから常に熱を放出しています。
さらに血液の流れで体内の冷却を保っているのです。
蒲田に上陸し進化した時はまだ体温調節がうまくできずに、一度海に戻って行きました。
これらの事がゴジラを倒すヒントになり、ゴジラの体内冷却システムを強制的に停止させる矢口プランが誕生しました。
体内の冷却システムが停止するとゴジラの体内でメルトダウンが起きてしまうので、ゴジラは体内の原子炉を停止させるしかない状態になります。
原子炉を停止させるために急激な冷却が必要となるので、ゴジラの活動を凍結させることができるのです。
そしてこの矢口プランを元にヤシオリ作戦が開始されたのでした。
まとめ
前作の『ゴジラ』シリーズから12年ぶりに製作された日本作品のゴジラ。
『シン・ゴジラ』には今の日本の状況が描き出されていました。
日本政府の実態を見せながらも、復興への熱い想いを描き希望が込められた作品になっています。
『ゴジラ』は世界に通用する日本の象徴でもあります。
その「ゴジラ」を通して日本人の底力に期待し、私たちを鼓舞しているように感じることが映画が『シン・ゴジラ』でした。