人気漫画を映画化した『海獣の子供』。そこに描かれたいたのは宇宙の誕生、人類の誕生そして人類の進化まででした。14歳の少女が経験した一夏の思い出はとてつもなく神秘的な世界だったのです。
『海獣の子供』作品情報
タイトル | 海獣の子供 |
監督 | 渡辺歩 |
公開 | 2019年6月7日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 1時間51分 |
『海獣の子供』あらすじ
今、地球上で何かが起ころうとしている──
神秘的な兄弟に秘められた“謎”を、あなたも目撃してほしい#海獣の子供 [絶賛公開中] pic.twitter.com/CJPVOAa2kB— 映画『海獣の子供』公式 (@kaiju_no_kodomo) June 10, 2019
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明るく純真無垢な“海”と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空”。
琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始める。
夜空から光り輝く彗星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。
そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング”とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。
“海と空”が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。
そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。
それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。
“海と空”はどこから来たのか、<本番>とは何か。
(出典:https://www.kaijunokodomo.com)
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14歳の少女が見た世界
《14歳の少女》はジュゴンに育てられた《海》と《空》に出会った──
あなたは琉花のひと夏を、もうスクリーンで観ましたか?#海獣の子供[絶賛公開中] pic.twitter.com/CECsw95uVQ— 映画『海獣の子供』公式 (@kaiju_no_kodomo) June 9, 2019
14歳の少女琉花が出会ったジュゴンに育てられた少年空と海。
彼らと過ごした夏休み。
琉花は今までにない経験をします。
二人の少年と一緒に行った海で、琉花が見たもの。
それは宇宙の誕生から人類の誕生まででした。
人間がどうやって誕生したのか、命はどこからやってくるのか?
壮大な海の中で琉花は空を見上げ、宇宙と海の繋がりを知りました。
「海は子宮で隕石は精子」。
海を旅し続けるデデの言葉が、この映画のテーマの1つを語っていました。
私たちは普段自分がどこからやってきたのか考えることはありません。
宇宙と海というとてつもなく広いものを通して人類の誕生を私たちに示してくれていたのです。
琉花が海の中で見た人類の誕生のシーン。
このシーンを見ていて思い出したのが『2001年宇宙の旅』でした。
この物語の中でもボーマン船長は宇宙の誕生から人類の誕生までを見ます。
ボーマン船長と同じような経験を琉花は空に導かれた海の中で見たのでした。
空と海の正体は?
https://twitter.com/kaiju_no_kodomo/status/1138774047230111745
琉花の前に現れた二人の少年空と海。
ジュゴンに育てられたという彼らは一体何者だったのでしょうか?
彼らは琉花に宇宙の誕生から人類の誕生までを見せます。
琉花に私たちの誕生を教えたのです。
そしてそれは同時に人間が宇宙から見たらどんなに小さなものかという事を教えたことにもなります。
海洋学社のアングラードが「人間は宇宙の90%を見る事ができない」と言います。
アングラードはきっと海と空と過ごすうちにそのことに気がついたのかも知れません。
そして今度は琉花にそれを教えようとしているのです。
宇宙の誕生を知っている空と海。
彼らは宇宙に存在する生命なのでしょう。
人間よりもはるか先に進化した生命なのです。
だからこそ人間にその誕生を教えることができたのです。
海は琉花に人類の誕生を見せた時、一度赤ん坊になります。
『2001年宇宙の旅』でも最後ボーマン船長は赤ん坊に進化しました。
赤ん坊になった海はその後人間のように成長しますが、その先の進化は人間の姿になった後消えていってしまいました。
でもそれは意識までなくなったわけではなく、姿がなくなっただけで風や海となり存在し続けているのです。
私たち人間の進化した先の姿だったのです。
空と海は琉花に人類の誕生と進化を教えにやってきた、未来の私たちの姿だったと私は感じました。
空と陸が教えてくれたもの
https://twitter.com/kaiju_no_kodomo/status/1134696667679035393
空と海が私たち人間に教えてくれたこと。
それは人間は宇宙の一部だということです。
空と海のことを利用して研究しようとした人たち。
彼らは人間が地球を支配していると考えていました。
しかし本当は違ったのです。
それに一足先に気がついたのが、デデやアングラードです。
彼らは空と海を通して宇宙の偉大さを知りました。
だからアングラードはジムの元を去っていたのです。
そしてジムがアングラードの元にやってきたとき、彼はジムに「やっと来たね」と言います。
その言葉の意味は、「やっと人間の小ささを理解できたね」という意味に感じました。
14歳の琉花にとっては抱えきれないくらいのことを教えられた一夏の経験。
でもきっと彼女は少しづつセレを理解していくでしょう。
その第一歩が新しい生命の誕生だったのかも知れません。
まとめ
人類の誕生から進化した姿までという壮絶なストーリーの『海獣の子供』。
ゆっくり星を眺めなくなった現代人に、宇宙の大きさを教えてくれています。
それと同時に私たちの小ささも感じます。
『海獣の子供』の壮大なテーマを見たとき、自分の人生を見直すはずです。
そしてまた命への向き合い方も変わります。