映画『帰ってきたヒトラー』あらすじと感想 ドキュメンタリー映像がより恐怖を生む

現代にヒトラーがタイムスリップしてきたら。。。本物ではないと分かっているけど、ヒトラーを前にした時のドイツ国民の反応に怖さを感じてしまいます。1932年の頃の国民感情と変わっていない状況が本当に恐怖をおぼえます。

目次

『帰ってきたヒトラー』作品情報

タイトル 帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da
監督 ダーヴィト・ヴネント
公開 2016年6月17日
製作国 ドイツ
時間 1時間56分

Rotten Tomatoes

『帰ってきたヒトラー』あらすじ


帰ってきたヒトラー [Blu-ray]

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ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?

「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。

リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、
長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。

自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。

しかし、皆気づいていなかった。

彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。

そして、天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを―。

(出典:https://gaga.ne.jp/hitlerisback/)

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ヒトラーとドイツ国民の対面

2012年にドイツで発売されベストセラーとなった『帰ってきたヒトラー』。
ドイツでは賛否両論となった小説でしたが、それを映画化したのがこの作品です。

もちろんフィクションではありますが、ヒトラーに扮した役者が国民の前に現れ、会話をするシーンはリアルな会話です。
リアルな国民の声が映画の中に反映されているのです。

ドキュメンタリーとして撮影された国民とのやりとり。
その声を聞いているとだんだんと恐怖を感じるようになります。
国民の心に眠る本当の声を次々と引き出していくヒトラー。
第二次世界大戦前のヒトラーを見ているようです。

誰もがあの時何が起こり、ヒトラーが何をしてきたのか知っているのに。
偽物だからこそなのか、ヒトラーと自撮りが始まります。
国民は彼を歓迎しているようにも見えました。
これにはヒトラー役を演じた俳優も驚いたそうです。

中には彼に罵声を浴びせたり恐怖を感じた国民もいたようです。
本来はそれが正しい姿でしょう。
ヒトラーを演じた俳優はこのドキュメンタリーシーンを撮影したときに「いかに歴史から学んでいないかが分かった」と述べています。

これはドイツだけでなく、全世界の人に言えるでしょう。
私たちはあの頃と何も変わっていないのかもしれません。

選んだのは国民だ

ヒトラーが本物だと気がついた時、テレビ局員の男性は「怪物だ」と言います。
それに対してヒトラーは「選んだのは普通の国民だ」と返します。

この言葉は本当に心に刺さる言葉です。
どこの国のリーダーであろうと、その国民が彼らを選んだのです。
国民に責任があるのです。

国のリーダーに値する人物なのかどうかのか?
私たちはそれをきちんと見極めなければいけないのです。
それと同時に選ぶことを放棄してもいけないのです。
やはり国民として政治にもっと関心を持たなければいけいのです。

私たちは過去の歴史を学び、同じ過ちを繰り返さないように学びます。
しかし『帰ってきたヒトラー』を見ていると、同じことになりそうな予感さえしてしまいます。

ドイツと同じ敗戦国としての日本。
原爆を投下された国としても、同じことを繰り返してはいけないともう一度学び直さなければいけないのもかもそれません。

この映画は決して人ごとではないのです。

まとめ

難民問題を抱えているヨーロッパ。

彼らの暴動やデモのニュースを見ていると、『帰ってきたヒトラー』の国民の声と繋がってきます。

ヒトラーがユダヤ人を追い出した時と変わっていないような気がします。

歴史から学んだことがたくさんあるのに、現実世界には何も活かされていないようです。

私たちは過去の過ちを繰り返さないように、歴史を学び直す時なのかもしれません。

 

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