人気シリーズ『トランスフォーマー』のスピンオフ『バンブルビー』では、バンブルビーが地球にやってきたのは1987年ということになっていました。バンブルビーと主人公のチャーリーは当時のヒットソングや映画を通して心を通わせていきます。ここでは映画『バンブルビー』を通して1980年代のカルチャーを見ていきます。
『バンブルビー』作品情報
タイトル | バンブルビー(Bumblebee) |
監督 | トラヴィス・ナイト |
公開 | 2019年3月22日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間54分 |
バンブルビーが地球にやってきたのは1987年
映画『バンブルビー』の冒頭でバンブルビーが地球に逃げてきたのは、1987年ということが分かります。
そこで主人公のチャーリーと出会い絆を深めていきますが、『バンブルビー』の中には1980年代を代表するカルチャーがたくさん登場していました。
ここではそんなカルチャー、特に映像作品について紹介します。
コナン・ザ・グレート
チャーリーの家で飼われている犬の名前は「コナン」。
チャーリーは弟の犬だと言っていましたが、多分「コナン」という名前は映画『コナン・ザ・グレート』が関係しています。
映画『コナン・ザ・グレート』は1982年に公開された作品で、主演を演じたのはアーノルド・シュワルツェネッガーです。
アーノルド・シュワルツェネッガーが有名になった作品でもありますし、1982年公開という時期から考えても、犬の名前は『コナン・ザ・グレート』主人公コナンからとったと思います。
ベスト・キッド
チャーリーの弟オーティスは空手を習っていましたが、これは映画『ベスト・キッド』の影響だと思います。
1984年に公開された『ベスト・キッド』は大ヒット映画となり、主役のラルフ・マッチオもアイドル的な人気を獲得し、空手ブームが巻き起こりました。
1986年には『ベスト・キッド2』も公開されています。
きっとオーティスも『ベスト・キッド』を見たことで空手を習い始めたんだと思います。
コメディドラマ アルフ
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亡くなった父親と一緒に修理していた車の修理がうまくいかずイラつくチャーリー。
彼女が家に入ると彼女以外の3人は仲良くテレビを見ていて、チャーリーは孤独を感じてしまいます。
その時家族が楽しそうに見ていたのは、コメディドラマ『アルフ』です。
宇宙人アルフと一緒に暮らすことになった地球人家族のコメディドラマで、1986年〜1990年まで放送されています。
日本では所ジョージがアルフの吹き替えを担当していました。
遊星からの物体X
チャーリーのことが好きなメモの部屋に貼ってあったのが映画『遊星からの物体X』のポスターです。
映画『遊星からの物体X』は1982年に公開された作品で、SFやホラー映画ファンを驚かせた作品でした。
メモはチャーリーの家に行く時「僕はオタクじゃない」と自分に言い聞かせていましたが、『遊星からの物体X』は当時からマニアックなファンが多い作品だったので、メモが『遊星からの物体X』を好きなのは納得できます。
レイダース/失われたアーク《聖櫃》
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>>>映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』についてはこちら
『遊星からの物体X』以外にメモの部屋に貼られていたのは、映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のポスターです。
スティーヴン・スピルバーグ監督によって作られ、1981年に公開された作品です。
世界中で大ヒットした作品で、その後数々の続編が作ています。
特捜刑事マイアミ・バイス
政府から逃げるバンブルビーにのったチャーリーを助けようと、チャーリーの家族たちは激しいカーチェイスを行います。
チャーリーの母親が夫ロンの激しい運転に「何のつもり?」と聞くと、ロンは『マイアミ・バイス』を見たと答えていました。
『マイアミ・バイス』とは1984年〜1989年までアメリカで放映された刑事ドラマのことです。
その後、2006年には映画化されるほど大ヒットしたドラマでした。
ブレックファスト・クラブ
映画『バンブルビー』の中でポイントになるのが何度も出てくる映画『ブレックファスト・クラブ』です。
1985年に公開された『ブレックファスト・クラブ』は、学校内のヒエラルキーを描いた作品で、スポーツマン、イケてる女の子、不良などそれぞれグループの違う生徒が同じ時間を過ごす物語になっています。
バンブルビーがチャーリーの家の倉庫で見ていた映画がこの『ブレックファスト・クラブ』でしたが、チャーリーはこの映画に登場する女の子の1人のようにクラスののけ者で、友達がいなくて孤独な学校生活を送っていました。
でもチャーリーはバンブルビーと出会ったことで変わり始めます。
それは『ブレックファスト・クラブ』の中で生徒たちが「自分とは何か?」と考え、自分自身と向き合ったように、チャーリーもまたバンブルビーのおかげで自分と向き合い自分を取り戻していったのでした。
映画『バンビルビー』のラストでバーンズ少佐に敬礼されたバンブルビーは、敬礼ではなくガッツポーズで返します。
それは『ブレックファスト・クラブ』のラストで不良のジョンのガッツポーズを真似したものでした。
1980年代という時代とさらにはチャーリーとバンブルビーの関係からも映画『バンブルビー』の中に出てくる『ブレックファスト・クラブ』は重要な意味を持っていたのです。
まとめ
1987年が舞台となった『バンブルビー』には、1980年代に流行っていた映画や音楽などたくさんのカルチャーが登場していました。
その中でも特に映画『ブレックファスト・クラブ』は重要な意味を持っていたと言えます。
映画『バンブルビー』はSFアクション映画であると同時に、バンブルビーとチャーリーの友情を描いた青春もの語りでもあったのです。
そして『バンブルビー』は1980年代にタイムスリップできるそんな作品になっていました。