香港に渡りついに詠春拳の武館を開いたイップ・マンでしたが、しきたりによってなかなかうまくいきません。さらにイギリス警察による嫌がらせが香港の武館を取り巻く中、イップ・マンは尊敬する師匠の1人を失ってしまいました。怒りを感じたイップマンは、亡き仲間のために再び立ち上がります。
『イップ・マン 葉問』作品情報
タイトル | イップ・マン 葉問(葉問2) |
監督 | ウィルソン・イップ |
公開 | 2011年1月22日 |
製作国 | 香港 |
時間 | 1時間48分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
葉問派詠春拳
香港に渡ったイップ・マン。
彼は暮らしを支えるために詠春拳の武館を開きますが、なかなか弟子は集まりませんでした。
学生時代に香港に留学経験のあるイップ・マンは、その時のつてを頼りに詠春拳を広めていきます。
そして少しづつ弟子が集まるようになりました。
しかしなかなか弟子は定着せず、出入りが激しい状態が続きます。
それでもイップ・マンは弟子達に詠春拳を教え続け、イップ・マンの元で稽古しつづけた数人の弟子が、詠春拳を広めていきます。
その甲斐あって少しづつ弟子の数が増えていった詠春拳。
1950年に香港で始まった葉問派詠春拳は、やがて一大派閥となっていきました。
映画の中でイップ・マン自身が説明しているように、詠春拳は接近戦を得意とし攻守を同時に行います。
一打で攻め、瞬時に攻め続け相手を打倒するのです。
攻守を同時に行うために弟子達は、手技を学び続けました。
映画のラストに登場するブルース・リー。
彼は13歳の時にイップ・マンの元を訪ね、詠春拳を学び始めます。
そしてそれがやがてブルース・リーのジークンドーに繋がっていったのです。
自己修養
中国武術の精神である「儒教」を大切にしているイップ・マン。
彼は常に「仁:人を思いやること」モットーに生きていました。
そのためお金のない弟子からは稽古代を取らず、また自分を助けてくれたチョウ・チンチュンの変わり果てた姿を見ると、自ら彼の世話をかってでます。
さらにチョウ・チンチュンの息子にも仕事を世話するなど、全てが人のためでした。
そんなイップ・マンは中国武術を馬鹿にし、ホン師匠を殺したイギリス人ボクサーを許すことができません。
そして中国文化の「常に謙虚であれ」という姿勢を教えるために、リングに上がりました。
勝敗よりも手技よりも、武術家イップ・マンが大切にしている「理念」。
それは「自己修養」です。
彼は中国武術を学びながら、自分の人格・品格を高め続けていたのです。
「争わぬために闘う」彼はそれを心に誓い、リングに上がります。
それはホン師匠の復讐でもイギリス人ボクサーを倒すためでもなく、中国人とイギリス人が互いに尊重することが目的でした。
それがイップ・マンの目指す武術だったのです。
まとめ
香港に渡り詠春拳の武館を開き、第二の人生を歩み始めたイップ・マン。
軌道に乗るまでその道は前途多難でしたが、どんな時も中国武術の精神を忘れずに相手を敬い続けました。
そしてやがてイップ・マンは香港で詠春拳の師匠として成功を納めるようになったのです。
彼は争うためにではなく、人を思いやり自分の品格を高めるために、詠春拳を広め続けていったのです。