「いい女」と「理想の男」を演じて幸せだったニックとエイミー夫婦。しかしそれは2年で壊れてしまいエイミーの幸せは奪われてしまいました。エイミーが仕組んだ「願い下げの男」になってしまったニックへの復讐。それはニックにとっては恐ろしい復讐でしたが、やがて事件は思わぬ方向へ動き出したのでした。
『ゴーン・ガール』作品情報
タイトル | ゴーン・ガール(GONE GIRL) |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
公開 | 2014年12月12日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間29分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
男の求める「いい女」
5年前に結婚したニックとエイミー。
ライター同士の2人は理想の結婚生活を楽しみ、幸せな時間を送っていました。
しかしそれはあくまでお互いが「理想の男」と「いい女」を演じている結婚でした。
でもエイミーは幸せならばそれでいいと感じていたのです。
字幕版では「いい女」と訳されている「Cool Girl」。
それは男が求める理想の女性です。
[box class=”blue_box” title=””]・何でもしてくれる
・いつも機嫌がいい
・男には絶対怒らない
・愛情深く微笑む[/box]
そして「男の趣味に合わせる」、これが男の求める「Cool Girl」でした。
エイミーはそんな「いい女」を演じて幸せな結婚生活を送っていました。
しかもそれは、「いい女」を演じる自分を楽しめるという新たな一面に気づくことができる時間でもありました。
さらにエイミーは自分が「いい女」を演じると代わりに、夫のニックにも「理想の男」を演じさせます。
エイミーはニックに知性を与え、夫を自分のレベルまで引き上げることで「理想の男」を作り上げたのです。
しかし、それをニックが怠ったことでエイミーの幸せは奪われてしまいました。
エイミーの求める「理想の男」ではなく「願いげの男」になってしまったニック。
エイミーはそんな幸せを奪った夫に対して、復讐を試みたのでした。
「完璧なエイミー」
幼い頃から「完璧なエイミー」を演じていたエイミー。
「完璧なエイミー」とは母親の書いた小説で、その小説の中に登場するエイミーとエイミー自身はかけ離れています。
しかし世間はエイミー自身が「完璧なエイミー」だと思っています。
さらにエイミーはそれが母親の望むエイミーだと感じていました。
「完璧なエイミー」が家族の幸せを作っていると気がついていたのかも知れません。
だからこそエイミーは、みんなの望む「エイミー」を演じることに慣れていました。
そしてニックと出会い彼女はニックの望む「いい女」を演じることにしたのです。
しかしその「完璧なエイミー」は、少しずつ狂いはじめます。
[box class=”red_box” title=””]・夫婦ともに仕事を失う
・お金がなくなる
・都会のNYから田舎のミズーリに引っ越す
・職を見つけない夫
・夫の浮気[/box]
それなのにニックは無条件でエイミーに愛を求め続けます。
新しい女性を見つけたニックだけが幸せになることを許せないエイミーは、彼を殺人犯にすることで勝ち逃げさせないようにしました。
完璧なまでに用意された数々の証拠。
どんどんニックは不利な立場に追い込まれてしまいますが、「完璧なエイミー」のはずが嬉しさのあまりミスをしてしまいます。
エイミーはお金を奪われ仕方なくストーカーの元に逃げ込みます。
そこでエイミーはテレビに映る、「理想の男」に戻ったニックを見ます。
エイミーのことを褒め称え、愛していると言ったニック。
彼女が求めていたニックに戻ったことで、エイミーはニックに元に戻ることにしたのです。
そして2人は再び理想の夫婦を演じ始めます。
それはエイミーが再び「完璧なエイミー」に戻った瞬間でした。
子供を作りニックが逃げられないようにしたエイミー。
ニックには子供のためにも、エイミーと夫婦であり続けるしかなかったのです。
お互いが相手の理想を演じる夫婦。
エイミーにとってはこれが幸せなで長続きする結婚生活の秘訣なのです。
そのためにエイミーはいつまでも「完璧なエイミー」であり続けるのです。
まとめ
「夫は殺人犯なのか?」そんなミステリー作品のように思えた「ゴーン・ガール」。
しかしそれは夫婦の幸せを描いた物語もでありました。
幸せになるためであれば「いい女」を演じ続けるエイミーでしたが、それが壊れるとどこまでも相手を苦しめるエイミーに豹変しました。
エイミーの様子は狂ってしまった女性にも見えますが、彼女は「幸せ」のためであればどんなことでもやる女性だったのです。
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ゴーン・ガール (上) (小学館文庫)[/col2] [col2]
ゴーン・ガール (下) (小学館文庫)[/col2] [/colwrap]