第三次世界大戦後のイギリス・ロンドンで終身議長に就任したのがサトラー。彼はその権力を使って独裁国家を作りあげました。誰も声をあげることができない恐怖で縛れた世界で、立ち上がった1人のマスクを被った男V。復讐のために立ち上がった男は「象徴」を「力」に変えようとしますが、ある女性と出会ったことで「象徴」を「希望」に変えたのでした。
『Vフォー・ヴェンデッタ』作品情報
タイトル | Vフォー・ヴェンデッタ(V for Vendetta) |
監督 | ジェームズ・マクティーグ |
公開 | 2006年4月29日 |
製作国 | アメリカ/イギリス/ドイツ |
時間 | 2時間12分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
血の復讐者「V」
イタリア語で「血の復讐」を意味する「Vendetta」。
独裁国家を作る過程で、政府に実験台にされてしまったVはその復讐を果たすためにマスクを被りロンドン市民の前に現れました。
Vの被ったマスク。
それは1605年にイングランドで起きた、火薬陰謀事件の責任者とされるガイ・フォークスのマスクでした。
1605年、イングランドの迫害的な政権に対して不満を抱いたガカトリック教徒達は、11月5日の議会初日に議会の地下に火薬を仕掛けて、議会の行われる場所ごと王や貴族達を殺す計画を立てました。
しかし事前にそれがバレたことで、テロの実行者達はつかまります。
その中にいたのがマスクとなっているガイ・フォークスで、『Vフォー・ヴェンデッタ』に冒頭で描かれているように、その後彼は絞首刑となりました。
この事件は火薬陰謀事件と呼ばれ、現在では11月5日は記念日となっています。
またガイ・フォークスのマスクは、今では反政府に対するシンボルとなりました。
Vが被っていたマスクには反政府の意味がこめれれているのです。
自分が政府にされたことに対する復讐のために、Vはサトラー率いる政府と戦うことを決めたのでした。
「象徴」から「希望」へ
サトラーは独裁国家を作るために、ウィルス兵器を開発していました。
Vはその兵器の実験台とされた1人です。
政府はウィルス兵器と同時にウィルスに対する治療薬を作っていました。
ウィルスをロンドンにばら撒き国民の多くを殺したあと、政府は治療薬を国民に与え自分達の絶対的地位を作り上げました。
それと同時に国民から多くの自由を奪っていきます。
国家に対する忠誠を求めるようになった政府。
忠誠を誓わない者は次々と逮捕されます。
また普通でないものを排除していきます。
移民・異教徒・同性愛者・テロリスト・不治の病にかかった病人を捕まえ収容所に送り込んだのです。
そんな政府に対して復讐をするためにVは正義を失ってしまった裁判所を爆発します。
そして次に議事堂を爆発しようと考えます。
それは政府の「象徴」となっている建物を破壊することで、国民の「力」を得ようとしたからです。そして政府に対して国民一丸となって復讐を果たそうとしたのです。
しかしVはイヴィーという女性と出会い、彼女に恋をしてしまいます。
そして彼は復讐は自分だけで終わらせると考えを変えます。
議事堂の爆破をイヴィーに委ねたのです。
彼は自分を作り出した古い世代の出来事は自分で終わらせ、明日からくる新しい世界は新世代の若者に託しました。
Vの意図を知ったイーヴィ。
彼女は11月5日になると「象徴」を破壊します。
しかしそれは「力」を得るためではなく、「希望」を得るためでした。
Vが壊してくれた古い世界。
イヴィーはそんな古い世界の象徴を壊し、新しい時代への希望を人々に与えたのでした。
まとめ
政府に対して立ち上がり戦った男を描いた『Vフォー・ヴェンデッタ』。
この作品を見るとなぜ反政府デモなどで、ガイ・フォークスのマスクが被られているかを知ることができます。
しかしV自身は愛を知ったことで復讐をやめ、新しい世界へ希望を持ちながらこの世を去っていきます。
誰も排除されない自由な国。
それはVの望んだ希望溢れる国なのかもしれません。