1954年に出版された小説『地球最後の男』(I Am Legend)』。作家リチャード・マシスンの人気を決定づけるものとなった小説ですが、のちにこの小説をもとにしたいくつもの映画が誕生しました。時代とともに内容を変化されながらも、映像化が続く『地球最後の男』。ここではそんな『地球最後の男』をもとにした映像作品を紹介していきます。
小説『地球最後の男』(I Am Legend)
タイトル | 地球最後の男(I Am Legend) |
作者 | リチャード・マシスン |
出版 | 1954年 |
リチャード・マシスンによって書かれたホラー小説『地球最後の男』。
SFホラー、ミステリー作家として人気のあったリチャード・マシスンですが、彼の作家としての人気を決定的にしたのが、この『地球最後の男』でした。
[box class=”red_box” title=”あらすじ”]謎のウイルスの蔓延によって、人間が次々と亡くなってしまいます。
さらに亡くなった人は吸血鬼として蘇り、夜になると血を求めて街を彷徨い歩きます。
そんな世界で地球最後の男となったが、たった1人で吸血鬼を倒しながら暮らしている物語です。[/box]
物語の舞台は1976年になっていて、リチャード・マシスンがこの小説を出版した時は未来を描いた作品でした。
リチャード・マシスンの小説は人気があり、たくさんの作品がドラマや映画化されてきましたが、この『地球最後の男』は、彼の作品のなかで最も人気が高くアメリカでは3回映画化されています。
『地球最後の男』(1964年)
タイトル | 地球最後の男 (The Last Man on Earth) |
監督 | ウバルド・ラゴーナ/シドニー・サルコウ |
公開 | 1964年3月8日 |
製作国 | アメリカ/イタリア |
時間 | 1時間26分 |
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
『地球最後の男』
1964年に作られた『地球最後の男』は、原作者のリチャード・マシスン自身も脚本に参加していた作品です。
そのせいか、内容はラストをのぞいてほとんどが原作通りの物語となっていました。
時代設定はこの作品が作られた少し先の未来である、1968年が舞台となっていて吸血鬼が登場してから3年経っているという設定になっていました。
この映画についてホラー作家のスティーヴン・キングは「政治的ホラー映画」と表現し、「敵に会ったらそれは自分だった」と言っています。
吸血鬼を倒していくうちに、いつしか自分自身が「危険な存在」「モンスター」になっていたという変化の恐怖を描いている作品です。
[btn class=”big rich_pink”]いますぐ『地球最後の男』を見る[/btn]
『地球最後の男オメガマン』(1971年)
タイトル | 地球最後の男オメガマン(The Omega Man) |
監督 | ボリス・セイガル |
公開 | 1971年12月11日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間38分 |
あらすじ
[aside type=”normal”]
細菌兵器の使用によって荒廃した世界。
自ら開発した血清によってただ一人生き残った科学者は、奇怪な亡者と化した人類と闘い続ける……
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/14460)
[/aside]
『地球最後の男オメガマン』
小説『地球最後の男』の2回目の映画化となるのが、1971年に公開された『地球最後の男オメガマン』です。
こちらの作品は地球上に生き残った最後の男という設定は同じですが、それ以外は原作小説とは大幅に内容が変わっています。
人類を滅亡に追い込んだ謎のウイルスは、この『地球最後の男オメガマン』では、中国とソ連の紛争で使用された細菌爆弾によって拡散された設定になっています。
時代設定は1977年となっていて、1971年よりも少し先の未来を描いていました。
自分達の開発した武器によって絶滅してしまった人類。
その中で科学者の主人公ネビルは1人生き残り、細菌に感染した生き残りの人たちと戦っています。
感染した人たち科学を嫌い、原始的な新しい時代を作るために全てを浄化しようといました。
「武器が全てを滅ぼした」という感染者たちに対して、ネビルは彼らの嫌う銃で抵抗し続けるという物語になっています。
映画が作られた当時ベトナム戦争真っ只中のアメリカ。
映画の中でネビルは『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』というドキュメンタリーを見ています。
反戦運動、カウンターカルチャーの一環として行われたのが「ウッドストック・フェスティバル」です。
『地球最後の男オメガマン』の中では、戦争によって人が殺されていく恐怖を「武器が全てを滅ぼした」という言葉で表現し、感染しながら生き残った人たちを反戦運動と重ね合わせたのかもしれません。
[btn class=”big rich_pink”]『地球最後の男オメガマン』を見る[/btn]
『アイ・アム・レジェンド』(2007年)
タイトル | アイ・アム・レジェンド(I Am Legend) |
監督 | フランシス・ローレンス |
公開 | 2007年12月14日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間41分 |
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
『アイ・アム・レジェンド』
3度目の映画作品が2007年に公開された『アイ・アム・レジェンド』。
人類を滅亡にさせたウィルスは人間が開発した治療薬が原因になっていましたが、物語の設定は原作や1回目に近いものになっていました。
さらに途中で登場するマネキンや『シュレック』のセリフを主人公のネビルが覚えているシーンは、2作目の『地球最後の男オメガマン』へのオマージュを感じさせます。
ただし、この作品では原作小説で書かれていた「レジェンド」の意味が変化していました。
原作小説では「普通」「多数派」だったはずの自分が、気がつけば「特異」「たった1人の生き残り」になっていて、吸血鬼にとっては自分が仲間を殺す不気味な存在になっていたという意味で「俺は伝説の存在なのだ」という言葉が使われています。
一方、映画『アイ・アム・レジェンド』では、ウイルスの治療薬を発見して人間を救ったというヒーロー的な意味で「彼は伝説となった」と締めくくられていました。
ただこの『アイ・アム・レジェンド』に別エンディングバージョンがあります。
こちらは、最後ネビルは感染者たちにとって自分が彼らの大切な人を倒すモンスターになっていたということに気がついて終わります。
どちらかというとこの別エンディングバージョンの方が、原作に近い内容になっていました。
[btn class=”big rich_pink”]『アイ・アム・レジェンド』を見る[/btn]
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)
タイトル | ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(Night of the Living Dea) |
監督 | ジョージ・A・ロメロ |
公開 | 1968年10月1日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間36分 |
あらすじ
[aside type=”normal”]
墓参りにやってきた兄妹ジョージとバーバラ。そんなふたりに、甦った死体が襲いかかる。
ジョージは格闘の末に死亡し、近くの家に逃げ込んだバーバラは他の避難者たちと合流する。
しかし一行は死者の襲撃を前にしながら対立。
ゾンビの群れは容赦なく押し寄せてくるが……。
(出典:https://eiga.com/movie/21945/)
[/aside]
映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の詳細はこちら>>>
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
ゾンビの父と言われるジョージ・A・ロメロ監督の、ゾンビ作品の第1作品目となるのがこの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。
ロメロ監督はリチャード・マシスンの小説『地球最後の男』(I Am Legend)と1964年の映画『地球最後の男』をもとに『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を作ったと言われています。
吸血鬼ではなくゾンビですが、死者が蘇り生きている人を襲うという設定は、『地球最後の男』の設定と同じになっていました。
[btn class=”big rich_pink”]『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を見る[/btn]
ギレルモ・デル・トロ版『地球最後の男』
映画化にはいたりませんでしたが、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督も『地球最後の男』を映画にしたいと考えていました。
自分なりのヴァンパイア像を考えていたギレルモ・デル・トロは、実際にワーナーに売り込みに行ったほどです。
しかしまだ、長編映画を1本しか撮ったことなかったほぼ無名のギレルモ・デル・トロは、この作品を映画化することができませんでした。
当時すでに『アイ・アム・レジェンド』の話が進んでいて、ワーナーは主演をアーノルド・シュワルツェネガーでと考えていました。
このこともギレルモ・デル・トロの構想とは全く違っていました。
彼が『地球最後の男』のために暖めてきたヴァンパイアは、のちに映画『ブレイド2』で活用されることになったのです。
まとめ
3回も映画化されたリチャード・マシスンの小説『地球最後の男』(I Am Legend)。
それぞれの時代で少しずつ設定を変えながら、長年愛され続けてきた作品です。
さらにこの小説がゾンビを生んだと考えると、どれだけ影響力を持った小説だったかということもわかります。
色んな映画監督に影響を与え、その影響は今もなお受ける告げがれているのが、『小説地球最後の男』(I Am Legend)なのです。