ギレルモ・デル・トロ監督が、映画『ヘルボーイ』を作るために手がけたのが『ブレイド2』。全ては『ヘルボーイ』のためでしたが、監督は全身全霊で『ブレイド2』向き合いました。そしてそれが誰も見たことのないヴァンパイアの「リーパーズ」の誕生に繋がったのです。
『ブレイド2』作品情報
タイトル | ブレイド2 (Blade II) |
監督 | ギレルモ・デル・トロ |
公開 | 2002年6月15日 |
製作国 | アメリカ/ドイツ |
時間 | 1時間57分 |
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
東欧のヴァンパイアを元にした新種「リーパー」
様々な映画や文献でヴァンパイアを研究してきたギレルモ・デル・トロ監督。
彼は映画『ブレイド2』を制作するにあたり、力を入れたのは主人公のブレイドではなく、ヴァンパイアの方でした。
そしてこれまでの研究を元に、監督は新しいヴァンパイアを作ります。
それはリーパーでした。
監督が子供の頃から温め続けてきた新しいヴァンパイア。
それは、西洋ではなく東欧のヴァンパイアがモデルになっています。
彼が見せられた東欧のヴァンパイア「ストリゴイ」には、舌の下に毒針を隠しています。
それを元にして誕生したリーパーは、
[box class=”red_box” title=””]・ウィルスは舌にだけ存在し、舌の突起から侵入
・神経毒が出る牙を持つ[/box]
という特徴がありました。
さらに、監督は人間がヴィンパイアに変わる様子も細かく設定していました。
[box class=”red_box” title=””]・ヴァンパイアに噛まれると人間の体内にアルボウィルスが、唾液を通して体内に入る
・ウイルスは72時間以内に体内全体に広がり、新たな寄生細胞を作る[/box]
新しい寄生細胞は意志を持ち、人間はヴァンパイアになっていくのです。
やがてそのウィルスが進化しリーパーが誕生しました。
そしてそのリーパーの保菌者「リーパーズ(死神族)」が現れたのです。
それが長年ギレルモ・デル・トロ監督が温め続けてきた顎が大きく避け、口の中に獲物を捕食する気管を持っているジャレド・ノーマックだったのです。
監督は「自分にとってジャレド・ノーマックはヒーローだ」と言っていました。
ちなみに、人間がヴァンパイに変わる詳細は、7年後監督が書いた小説『ザ・ストレイン』の中に登場するヴァンパイアにも繋がっています。
ヴァンパイアの精鋭部隊「ブラッド・パック」
監督が想いを込めて制作したのは、リーパーだけではありません。
監督のヴァンパイア好きは、ヴァンパイアの精鋭部隊「ブラッド・パック」のコスチュームなどにも活かされていました。
ブレイドの工場に潜入した、ニッサとアサド。
2人は黒いスーツに身を包みブレイドと戦いますが、2人は丸いゴーグルをつけていました。
これはヴァンパイの彼らにとって弱点でもある、日光を遮るゴーグルです。
ブレイドがライトを照らすと瞬時に閉じたゴーグルですが、監督はこのゴーグルにも「網膜に紫外線が届く前に機械仕掛けの虹彩が閉じてシャットアウトする」という細かい設定をしたほどです。
監督は「ブラッド・パック」のメンバーの性格や、彼らの見た目やコスチュームなどにも、自分なりのヴァンパイアへの想いをこめていました。
またブレイドと「ブラッド・パック」が向かった「苦痛の館」の飾りや、そこにいる様々なヴァンパイアの姿などにも、監督のヴァンパイア愛が込められていたのです。
まとめ
ギレルモ・デル・トロ監督が幼い頃から温め続けてきたヴァンパイア像を描いた作品が、映画『ブレイド2』です。
主人公はヴァンパイア・ハンターのブレイドですが、監督にとってのヒーローは新種リーパーのジャレド・ノーマックをはじめとするヴァンパイア達でした。
映画『ブレイド2』では、今まで見たことないヴァンパイアを目にすることになるはずです。