ドラマ『ウォッチメン』は1986年〜1987年に出版されたコミック『ウォッチメン』の続編で2019年のオクラホマ州タルサが舞台になっています。映画版『ウォッチメン』とコミックとほとんど同じストーリーですが、ラストが大きく違います。なのでコミック『ウォッチメン』を読んでから見る方が楽しめるのがドラマ『ウォッチメン』です。
『ウォッチメン 』 作品情報
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タイトル | ウォッチメン(Watchmen) |
放送 | 2019年 |
シーズン | 9話 |
製作国 | アメリカ |
2019年版『ウォッチメン』
ドラマ版『ウォッチメン』の物語は2019年のオクラホマ州タルサが舞台となっています。
そしてそれはコミック『ウォッチメン』の続編の世界です。
コミックの世界はアメリカはベトナム戦争に勝利し大統領はニクソンが続投している1985年が舞台です。
そして最後にはオジマンディアスによってソ連とアメリカの冷戦が集結しました。
それから34年後のアメリカ。
ベトナムはアメリカの51番目の州となっていて、ロバート・レッドフォードがアメリカの大統領を務める世界になっていました。
そんな世界でタルサでは警察官がマスクをつけて顔を隠しています。
それは2016年に起きた「ホワイトナイト」と呼ばれる事件によるものでした。
その日、第七機兵隊と呼ばれる人たちが、警察官を襲い多くの警察官が亡くなりました。
そのため警察官は自分の身元を隠すためにマスクを使用することになったのです。
この時第七機兵隊の人たちがかぶっていたのは、ウォッチメンの1人だったロールシャッハのマスクでした。
警察官にマスクを使用するように勧めたのはキーン上院議員。
彼は1977年にヒーローの活動を禁止するキーン条約を提案したキーン議員の息子でした。
その中でマスクをつけシスター・ナイトとして活躍するのが、警察官のアンジェラ・エイバーです。
もちろん彼女は自分が警察官だと言うことは周囲には伏せています。
このアンジェラがウォッチメンの元になったミニッツメン、そしてウォッチメンのメンバー達とのつながりを見せていくのが2019年のドラマ『ウォッチメン』なのです。
コミックや映画ではアメリカとソ連の冷戦を描いていた『ウォッチメン』。
このドラマ版ではストーレートに人種問題を描いています。
そしてそれはまさしく現在アメリカで起きている問題です。
またそれは昔から続いているアメリカの深い闇でもあるのです。
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舞台はオクラホマ州タルサ
コミックや映画の『ウォッチメン』の舞台はNYでしたが、ドラマ版の舞台はオクラホマ州タルサが舞台です。
『ウォッチメン』の世界はアメリカがベトナム戦争で勝利したことで、現在のアメリカとは違う世界の話です。
しかしそんな中、実際にあった出来事が第1話の冒頭で描かれる1921年にあったタルサでの黒人の大虐殺なのです。
ブラック・ウォール街と呼ばれるほど黒人の金融街だったタルサのグリーンウッド。
ここで1921年にKKKや白人至上主義者達による、黒人の大虐殺が起こりました。
ドラマでも描かれているように、子供や女性関係なくたくさんの黒人が殺されてしまいます。
そしてこれもドラマの中で語られていますが、アメリカ政府はこの事実を長い間認めようとしなかったのです。
そんな実話からこのドラマは始まります。
この時助かったウィルという少年。
彼が全ての始まりだったのです。
彼はミニッツメン・ウォッチメン・そしてアンジェラ達全てに関係しています。
そんな黒人への差別から始まる『ウォッチメン』。
それは2019年の世界でもほとんど変わっていませんでした。
大統領がロバート・レッドフォードになり、タルサの大虐殺で殺された黒人の血縁者は賠償金をもらっていました。
しかしそれが白人達は許せません。
やがて怒りを募らせた彼らはマスクを被り第七機兵隊に姿を変えました。
最初彼らは大統領の座に就こうと考えます。
しかしそれではダメだと気がついた彼らは、自分たちが神になることに決めたのです。
『ウォッチメン』の世界でいう神とはDr.マンハッタンです。
彼らは火星にいるDr.マンハッタンの力を望むようになったのでした。
まとめ
ドラマ版『ウォッチメン』は、その世界観を引き継ぎながら舞台を2019年のオクラホマ州タルサに移しました。
そして政治的問題と冷戦から人種差別へと置き換えました。
それはまさしく今アメリカで起きている問題だからです。
現実ではない世界を描きながらも、現実に起きた悲惨な出来事を描いた『ウォッチメン』。
そしてその出来事が『ウォッチメン』の始まりだったのです。