エッチでおバカな青春映画の代表格『ポーキーズ』。エンジェル・ビーチ高校というとんでもない名前の学校の男子高校生の物語だが、実は1950年代のアメリカを露骨に映画いています。ここでは『ポーキーズ』の中に描かれている、1950年代のアメリカ差別について調べて見ました。
『ポーキーズ』作品情報
タイトル | ポーキーズ(Porky’s) |
監督 | ボブ・クラーク |
公開 | 1982年12月11日 |
製作国 | カナダ/アメリカ |
時間 | 1時間34分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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50年代の南フロリダ、エンジャル・ビーチ高校。
寝ても覚めてもセックスの事ばかりに興味を覚えるピーウィーら6人のバスケットボール部の面々は、日頃から学校でも女子のシャワー室を覗くなど、その悪ガキぶりを発揮しては青春の日々を過ごしていた。
そんな彼らはある日、この町一番のワルで有名なポーキーが経営する船上の売春宿“ポーキーズ”への潜入を試みるが……。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/21332)
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1950年代のアメリカの光
1982年に公開された『ポーキーズ』。
しかし映画は1950年代にアメリカが舞台となっています。
映画の冒頭ニュースから「アイゼンハワー大統領」という言葉が聞こえてくる。
アメリカ第34代大統領アイゼンハワー。
彼が大統領に就任していたのは、1953年〜1961年です。
『ポーキーズ』は1950年代のアメリカが舞台なのです。
戦後間もないアメリカですが、高校生達は皆車に乗っています。
戦後アメリカの経済が急成長した様子を、冒頭の高校生を見るだけで理解できるのです。
アメリカが世界のトップになった時代が1950年代です。
アメリカン・ドリームという言葉溢れたこの時代、アメリカ人はどんどん裕福になっていきます。
そんな様子は楽しそうな高校生を見ていれば分かります。
みんなが車に乗り、おしゃれをし、学校が終わればみんなで集まり夜まで遊びます。
そんなどこか浮かれた楽しい時代が、1950年代の『ポーキーズ』で描かれていました。
1950年代のアメリカの闇
楽しくてアメリカン・ドリームを感じることができるアメリカの1950年代。
しかし一方で、この時代は赤狩りなどが行われていた時代でもあります。
共産党のアイゼンハワーが大統領になり、経済の成長とは反対にどこか重苦しい雰囲気が漂っていた時代でもありました。
そんな雰囲気は『ポーキーズ』の中でも描かれています。
楽しい青春映画なのに、かなり人種差別を行うシーンが描かれています。
1950年代アメリカでは黒人に対する公民権はまだ制定されていません。
1950年代後半から公民権運度は活発になっていきます。
まだその前に時代です。
『ポーキーズ』の舞台はフロリダですので、アメリカ南部に比べるとそれほど人種差別はありません。
しかし南部出身の高校生は差別用語で黒人のことを呼んでいました。
『ポーキーズ』の中では黒人に対する差別よりも、ユダヤ人に対する差別が強く描かれています。
戦後間もないこの時代、ユダヤ人はアメリカにおいても差別されていたのです。
また会話の中に「アカ」という言葉や「プエルトリコ」という言葉も聞かれます。
「アカ」とはこの時代に行われていた赤狩りのことで。
共産主義を追放する赤狩りは、ソ連との冷戦により起きたものでした。
またこの頃はアメリカにやってきたプエルトリコ人も増えていました。
この時代のアメリカは、黒人や移民に対する差別が横行していた時代もであるのです。
世界のNo.1になったアメリカの光とは逆にアメリカの闇も深かった時代です。
『ポーキーズ』の中で描かれている人種差別は、そんなアメリカの闇なのです
まとめ
女の子のことばかりを考える高校生の生活を描いた青春映画『ポーキーズ』。
しかしそんなラブコメ映画の中に、1950年代のアメリカの光と闇が描かれていました。
豊かな高校生のライフスタイルと彼らの会話や行動から、当時に光と闇を感じることができます。