新たなアメコミヒーローの誕生『ブラッドショット』。しかしこの時点では彼はまだヒーロにはなっていない。自分を造った創造主と出会い、自分の運命を受け入れ創造主を超えて行く物語だ。まだブラッドショットという名前も与えられていない、ただの蘇った男レイ。彼が自分の道を探し始めるまでの物語それが『ブラッドショット』だ。
『ブラッドショット』作品情報
タイトル | ブラッドショット(Bloodshot) |
監督 | デヴィッド・S・F・ウィルソン |
公開 | 2020年5月29日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間49分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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アメリカ海兵隊員のレイ・ギャリソンは、何者かの襲撃に遭い妻ジーナと共に拉致されてしまう。
首謀者はマーティン・アックス。
マーティンは妻を殺害したあと、レイを射殺する。
レイはとある組織のナノテクノロジーによって蘇生することになる。
よみがえったレイは、記憶を失ったものの、体中の血液が生物工学ロボット“ナナイト”に置き換わり、圧倒的なパワーと回復能力を持った超人に生まれ変わっていた。
レイは自身と同じ境遇であるKT と親しくなるが、とあるきっかけにより、過去の記憶を取り戻してしまう。
かつて愛する妻が目の前で殺されたこと、復讐すべき男の名はマーティン・アックス……。
復讐に赴いたレイはマーティンを見つけ出し復讐を果たすが……。
(出典:https://www.bloodshot.jp)
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男を蘇らせた創造主
科学者ハーティング。
彼は最新の技術を使い1人の海兵隊員を蘇らせた。
全身の血液を生物工学ロボットに置き換え、最強の兵士として生まれ変わったレイ。
ハーティングが彼を造った目的。
それは自分の兵器として使うためだった。
自分の研究所を辞めていった技術者たちを殺すことがハーティングの目的だった。
アメリカの兵士は忠誠心が強気愛国主義者だ。
その心をハーティングは利用した。
自分に忠誠を誓わせ、そしてレイの妻が殺されたと嘘の記憶を作りレイの頭の中に植え付けた。
愛妻を失い報復に燃えるレイ。
その相手は全てハーティングの殺したい相手だった。
何度も記憶を書き換え、ハーティングのために殺人を繰り返すレイ。
この時まだ彼はヒーローではない。
ブラッドショットという名前すらない。
単なる創造主のおもちゃでしかかなったのだ。
自分を見つけるために
自分が死んですでに5年が経っていたレイ。
彼はそなことも知らずに、ひたすら報復のために殺人を繰り返していた。
しかし仲間の協力により真実を知ったレイ。
彼は自分の運命を受け入れるしかない。
記憶の中で殺された妻は生きていたが、彼女はすでに新たな人生を送っていた。
5年の眠りからやっと目覚めたレイ。
彼が最初に行ったのは、創造主との戦いだった。
彼の所有物ではなく、あくまで自分は自分として自分に起きた運命を受け入れるために。
過去ではなく自分の未来を生きるためには創造主を殺さなくてはいけないのだ。
それしかレイの未来はない。
フランケンシュタイン博士が自分の作り出した怪物に命を狙われたように、ハーティングも自分が作った男に追い詰められる。
そして殺されてしまった。
ハーティングを殺しやっと本当の自分に生まれ変わったレイ。
彼はラストで車に乗り「どこに行く?」と聞かれた時、「分からない」と答える。
まだ彼の人生は始まったばかりだ。
ここから自分の手で自分の人生を作って行くのだ。
そして彼はいつか「ブラッドショット」と呼ばれようになり、スーパーヒーロになるはずだ。
まとめ
スーパーヒーロー誕生の物語ではなく、その前の物語、自分を取り戻すために物語が『ブラッドショット』。
そのためにレイは自分を造ったハーティングを殺す必要があった。
この先レイはどうなって行くのか?
続編ができるのかどうか?
いつブラッドショットと呼ばれるようになるのか、楽しみに待つしかない。
Bloodshot Vol. 1: Setting the World on Fire (Bloodshot (2012- )) (English Edition)