大統領になることを本気で夢見たパブロ・エスコバル。それは家族やビジネスよりも夢中になった夢でもありました。第3話ではパブロが政治家へなる道のりとそして、夢の一歩が叶った時の出来事が描かれています。
『ナルコス』シーズン1第3話「永遠の権力者たち」
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エスコバルが密売人であることを暴露して政界進出を阻もうとするマーフィーとペーニャだが、政府の腐敗の深さを目の当たりにすることに。
(出典:https://www.netflix.com/title/80025172)
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大統領になりたいパブロ
28歳にして富を手に入れることに成功したパブロは、政治家になることを願いまた大統領になることを本気で目指し始めました。
「麻薬密売人が大統領になれるのか?」
今であれば誰でも思うことですが、1980年代のコロンビアではパブロが麻薬密売人であることは市民には知られていませんでした。
メデジンの貧しい人たちに無償で家を提供し、病院や学校を建て職を与えたパブロは「メデジンのロビン・フッド」と言われるようになっていました。
パブロは弁護士でありまた新自由党のロビイストで会ったフェルナンド・ドゥケと会い、彼を買収することで法務大臣を説得してもらいます。
パブロのお金の出どころを心配したロドリゴ・ララ法務大臣でしたが、パブロから巨額の献金を受け彼を補欠候補としましました。
アンティオキア県のオルテガの補欠候補となったパブロは、彼の莫大な資金とコネクションを元にオルテガを当選させます。
この時、「オルテガへの票はパブロへの票」と言いながら市民にお金を配るパブロの部下の行動は明らかに違法のような気もしますが、当時のコロンビアでは普通のことだったのかもしれません。
オルテガは当選すると家族の都合を理由にすぐに議員を辞職します。
これでパブロは晴れて政治家になることができたのでした。
このオルテガの辞職ももちろんパブロが絡んでいるはずです。
ドラマの中では描かれていませんでしたが、パブロなら絶対に裏で手を回しているはずです。
政治家になる夢を叶えたパブロ。
次なる夢の大統領へ一歩近づいたはずでしたが、彼の夢は儚くも散ってしまうのでした。
法務大臣の戦い
密売人であるパブロを政治家にすることはアメリカにとってもコロンビア政権にとっても危険なことです。
なんとか彼の政界進出を妨害したいマーフィーでしたが、警察も政治家もパブロに買収されている現状では難しいものがありました。
なんとかパブロが麻薬密売人である証拠を掴みたいマーフィー達。
パブロの部下の邪魔に会いながらも、彼が1976年に逮捕されたときの写真のネガを手に入れることができました。
この写真は第1話でパブロが捕まったときの写真です。
そのシーンでマーフィーは「この逮捕写真が自分を追い込むことになるのをパブロは知らなかった」と言っていました。
そのセリフの意味は第3話で分かります。
この写真がパブロが大統領になる夢を打ち砕いたのです。
写真を提供されたララ法務大臣は、この写真を証拠にパブロに議員の辞任を要求します。
パブロは弁護士とともにララを攻撃しますが、ララは怯まずにパブロとパブロの組織と戦いました。
その甲斐あってガチャはサッカーチームのオーナーを退陣し、オチョア兄弟は自分たちが所持する飛行機での飛行ができなくなりました。
さらに動物の不法輸入を行っていたパブロ自身も罰金を課せられます。
パブロのどんな攻撃にもめげずに、麻薬組織との戦いを続けたララ。
最終的にはパブロは議員を辞職することになりました。
しかしそれはララの身を危険に晒すことにもなりました。
命の危険を感じ安全上の配慮から在チョコスロバキア大使に任命されてたララでしたが、チェコスロバキアへ旅立つ日に、殺されてしまいました。
もちろんこれはパブロの復讐であり、それはパブロが新たな脅威となた瞬間でもあったのです。
まとめ
第3話ではパブロがどうやって政治家への夢を叶えたのかが、描かれていました。
それは当時のコロンビア市民が、パブロに対して全く疑いもなく彼のことを信じていたという驚きを見ることになります。
貧しい人の代表として彼らの声を届けようとしたパブロ。
しかしそれはお金を使って善良な市民の心を掴んだだけでした。
それでもパブロが一瞬でも政治家になれたという現実は、コロンビアの人たちがどれだけ貧しく苦しんでいたのかを描いてもいます。
大統領になるという夢を砕かれてしまったパブロ。
これから先ますます彼の脅威が増していくことになりそうです。