家族を支えながら小さな町で暮らすギルバート。自分のことを後回しにする生活に嫌気を感じながらも、どうすることもできない日々を送っていました。そんな時トレーラーで町へやってきたベッキーと出会いました。
『ギルバート・グレイプ』作品情報
タイトル | ギルバート・グレイプ(What’s Eating Gilbert Grape) |
監督 | ラッセ・ハルストレム |
公開 | 1994年8月20日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間58分 |
Rotten Tomatoes
『ギルバート・グレイプ』あらすじ
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身動きが取れないほど太った過食症の母と知的障害者の弟を持つ青年ギルバート。
家族の世話に追われる毎日を送っていた彼が、トレーラーで旅をする少女との出会いをきっかけに自分の人生を見つめ直す。
(出典:https://eiga.com/movie/9994/)
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ギルバートの抱えるもの
小さな田舎町で過ごすギルバート・グレイプ。
彼は過食症で太ってしまった母親と、知的障害の弟。
さらに姉と妹と暮らしています。
父親が亡くなってからは彼が生活を支え、さらに18歳になろうとしている弟アニーの面倒を見ていました。
兄は家を出ていましたが、ギルバートは家族を支えるために町に残っていました。
小さな田舎町でほとんど刺激のない日々を送るギルバート。
人妻と不倫をするくらいしか、刺激を得ることができませんでした。
ギルバート自身も外に出て行く気持ちはありませんでした。
そんなある日、トレーラーで町にやってきたベッキーと出会います。
ベッキーと仲良くなるにつれて、自分自身を見つめ直すようになっていました。
家族を背負いこみ、自分自身の人生を諦めかけていたギルバートにとってベッキーの存在は新鮮でまた魅力的でもありました。
田舎町に閉じこもった青年。
外に出ることをしないギルバートに変化が訪れた瞬間でした。
閉じこもる世界
『ギルバート・グレイプ』の中には、外へ出ずに閉じこもることがいくつも描かれています。
・主人公のギルバート
・家から出ようとしない母親
・人の来なくなった小さな商店
これらは外の世界を受け入れず、自分の中に閉じこもっていることを描いています。
それに対して
・自由に旅をするベッキー
・毎年やってくるトレーラー
・大手スーパー
・新しいハンバーガ屋
これらは外の世界、または外に出て行くことを描いています。
内と外という二つのものを対照的に描くことで、揺れ動くギルバートの気持ちを表現しています。
家に閉じこもっていた母親も息子アニーのためには、家から出て息子を取り戻しに行きます。
ベッキーはそんな母親を「勇気がある」と褒めていました。
外へ出ることは勇気が必要で、時には恐怖を感じてしまうこともあります。
でも一歩外に出ると、そこには自分の知らない世界が待っているのです。
登ってはいけないと言われながらも何度も給水塔に登っていたアニー。
彼もまた外へ出ることの象徴として描かれていたのかもしれません。
ラストでベッキーとともに旅に出たギルバートとアニー。
きっとこれから彼らが見る世界は、新鮮で刺激を与えてくれるはずです。
まとめ
外へ出ることを忘れてしまい、日々の生活に追われている主人公を描いた『ギルバート・グレイプ』。
平凡だけど安全な生活に流されやすい私たちに、外へ出ることの大切さを伝えています。
何かを守ることは大切ですが、守りに入りすぎるとつまらない人生になってしまいます。
外へ出て挑戦することも大切、勇気を出して外へ出てみようと私たちを応援してくれる映画になっていました。
外へ目を向けるとまだまだ知らないことはたくさんあります。
新しいことがたくさん待っているはずです。