2022年5月27日から配信が始まった『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4 。
シーズン4はVol.1とVol.2に分かれていて、まずはVol.1の7話までは配信されています。
そんなシーズン4の舞台は1986年3月。
ここではドラマの中に登場する1986年のカルチャーを紹介していきます。
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『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4 Vol.1
タイトル | ストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things) |
シリーズ | シーズン1〜 |
放送 | 2016年〜 |
1986年のカルチャー
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4 Vol.1は1986年3月21日から物語が始まります。
ウィルとエルが転校した学校の教室には、当時の大統領レーガンのポスターも貼ってありました。
今回はそんな1986年のカルチャーを各章ごとに紹介します。
第1章
まずは、スティーブとロビン会話から。
女性が好きなロビンは、気になる同級生が女性に興味があるかどうかとても心配しています。
そんなロビンに対してスティーブは「彼女は女の子に興味がある」と元気づけますが、その理由が返却された『初体験/リッジモント・ハイ』のビデオテープがおっぱいのシーンで止まっていたからという理由でした。
スティーブはレンタルビデオ店で働いています。
当時はまだDVDやBlu-rayのレンタルではなく、VHSのビデオテープの時代です。
テープを再生すると最初からではなく止めたシーンから再生が始まりまるので、スティーブは返却されたビデオがどのシーンで止まっていたか調べることができたのです。
ちなみに『初体験/リッジモント・ハイ』はシーズン3の最終話でも会話に出てきましたが、当時アイドル女優として人気だったフィービー・ケイツが出演している1982年に公開された青春映画です。
もう1つスティーブとロビン会話から当時のカルチャーを感じることができるシーンがあります。
バスケの決勝戦前に2人の同級生が国家を歌いますが、その時2人は同級生の声を「マペットみたいだ」と小声で話していました。
この「マペット」もシーズン3の2人の会話で出てきていますが、1970年代後半〜1981年にかけて放送された『マペット・ショー』を指しています。
1986年当時はすでに放送は終了していましたが、その後1986年までに2本映画が製作されています。
(その後何本も映画が製作されている人気キャラクター達が登場する作品です。)
『マペット・ショー』はスティーブやロビンが子供の頃に見ていたんだと思います。
それ以外に第1章に出てきたカルチャーとしては、
エルがクラスのみんなの前で「金曜日は一緒に『マイアミ・バイス』を見ていた」とホッパーとのことを話すシーンがあります。
日本語タイトル『特捜刑事マイアミ・バイス』は1984年〜1989年まで放送されたアメリカで大ヒットしたドラマです。
第2章
スティーブとロビンがレンタルビデオ店でバイトしているので、2章では当時レンタルされていた作品をたくさん見ることができます。
カウンターの上には『グレムリン』のストライプのパネルが置いてありました。
1984年に公開されて大ヒットした映画ですが第1章で紹介したフィービー・ケイツが出演している作品です。
それ以外にもカウンターの上には1983年に公開された『フラッシュダンス』、さらにはトム・クルーズが出演している1983年に公開された『アウトサイダー』のポップも見えました。
さらに店の奥には1984年に公開された『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィーの大きなパネルがあります。
店内にパネルは他にもあって1984年に公開された『エルム街の悪夢』のフレディがあったり、お菓子を売っているケースの上には『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のインディ・ジョーンズの姿も見えます。
インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》 (字幕版)
ちなみに入り口付近に大きなパネルがあるのですが、これは1985年に公開された『National Lampoon’s European Vacation』(「ナショナル・ランプーンズ・ヨーロピアン・ヴァケーション」)という作品ですが、日本では劇場公開されずにビデオテープで販売された作品です。
日本未公開作品といえば、スティーブとロビンが話をしていた時に寄りかかっていたのは1985年に公開された『The Last Dragon』(ラスト・ドラゴン)というカンフー映画のポスターでした。
その他にも入口には1985年に公開された『ティーン・ウルフ』『赤い靴をはいた男の子』『ときめきサイエンス』『コカコーラ・キッド』のポスターが貼ってありました。
レンタルビデオ店なので半年〜1年前に公開された作品がメインで紹介されていました。
第3章
2章でレンタルビデオ店に置いてある映画は1986年よりも前の作品でしたが、3章では当時映画館で公開された作品の名前を聞くことができます。
家にいるマイクやウィルに対してジョナサンは、「『ポリスアカデミー3』でも見にいく?」と誘います。
日本語タイトル『ポリスアカデミー3 全員再訓練!』は、日本では1986年7月に公開さましたが、アメリカでは1986年3月21日に公開されています。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4は1986年3月21日から始まる物語なので、ちょうど公開されたばかりの映画です。
今とは違ってジョナサンが新聞を見ながら映画を選んでいたのも、時代を感じるシーンになっていました。
さらにその後ウィルとジョナサンがテレビを見ているシーンがありますが、画面に映っていたのは『イウォーク物語』でした。
大人気映画『スターウォーズ』シリーズのスピンオフとしてはじまったのがアニメ『イウォーク物語』で、1985年〜1987年に渡ってシーズン2まで放送されました。
第4章
一気に物語が動き始めた第4章では、マックスの好きな音楽で1986年を感じることができました。
いつもヘッドフォンで音楽を聴いているマックスが持っていたのはソニーのウォークマン。
ウォークマンは1980年代を代表するアイテムの1つで、1979年に発売されるとの世界中で爆発的なヒットとなりました。
マックスはウォークマンでケイト・ブッシュの「愛のかたち」(Hounds of Love)をよく聴いていたようです。
ケイト・ブッシュはイギリスのミュージシャンで「愛のかたち」は1985年に発売され、イギリスのヒットチャートで3週1位を獲得したアルバムです。
ちなみに呪われたマックスを救った曲は、「愛のかたち」に最初に収録されている「神秘の丘(Running Up That Hill )」でした。
他にも第4章ではウィルの部屋からカルチャーを感じることができます。
相変わらず『ジョーズ』のポスターが貼ってありましたが、その横に新しく『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のポスターも見えました。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は1960年に公開されたホラー映画ですが、1986年にミュージカルとしてリメイクされています。
リメイク版がアメリカで公開されたのは1986年の12月なので、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4の中ではまだ公開されてないはずです。
ウィルはホラー映画好きですので、公開を楽しみにしていてポスターを貼ったのかもしれませんね。
第5章
シーズン1の頃からファンタジーやホラー映画が大好きだった4人の少年の映画の趣味は、高校生になっても変わってないようです。
ダスティンは裏の世界にいる「ヴェクナ」のことを「フレディ・クルーガー」と表現していましたが、これはホラー映画『エルム街の悪夢』の主人公フレディのことです。
第2章でも触れましたが、『エルム街の悪夢』は1984年に公開された映画で、大ヒットしたことで1985年には『エルム街の悪夢2 フレディの復讐』も公開されました。
ちなみに、『エルム街の悪夢』でフレディを演じたロバート・イングランドは『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4でヴィクター・クリール役で出演しています。
被害者達が悪夢に悩まされていたり現実と妄想がわからなくなったりと、今シーズンの物語は随所で『エルム街の悪夢』を思い出します。
それ以外のカルチャーは、電話から聞こえるコンピューターの音を聞いたウィルが『ウォー・ゲーム』だと言っていました。
これは1983年に公開された映画で、軍のコンピューターにアクセスしたことで、戦争が始まりそうになるという映画でした。
どちらの作品もウィル達4人が好きそうな映画で、彼らの趣味が変わってないことを感じることができる瞬間でもありました。
第6章
第6章ではダスティンの彼女スージーの活躍を見ることができました。
パソコンに強くハッキングもできてしまう彼女は、マイク達に頼まれてエルの居場所を探そうとします。
彼女はIPアドレスを追っていますが、マイク達にはその言葉の意味も分かりません。
ジョナサンは「インターネットて何?」なんて聞いていましが、それも当たり前でこの時代はまだ今のように一般市民にまでネットは普及していません。
3章でナンシーとロビンは図書館で調べ物をしますが、その時もネットではなく過去の新聞を見ていました。
1986年はまだまだネットが普及していないのが普通ですが、逆にいうとこの時代にIPアドレスで場所を突き止めることができるスージーは本当に天才ですね。
そんなスージーの部屋には第1章でも触れた1979年に公開された『マペットの夢みるハリウッド』(「マペット・ムービー」)のポスターが貼ってあります。
スージーの部屋には「マペット」のポスターが2つも貼ってあったので、彼女はマペットの大ファンのはずです。
きっとこの時代の多くの子供達が「マペット」を見て育ったんだと思います。
7章
第7章ではシーズン4から新たに加わった新キャラクターのエディの口から彼らしい当時のカルチャーを聞くことができます。
裏の世界に行ってしまったエディやスティーブ達はコウモリのような猛獣に襲われますが、その時スティーブは必死に噛み付いていました。
その様子を見たエディは「オジー・オズボーンようだった」と言いましたが、オジー・オズボーンには1982年のライブでコウモリの頭を噛みちぎったというエピソードがあります。
この状態でそのエピソードを思い出すエディらしいシーンになっていました。
まとめ
1986年を描いた『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4 Vol.1でも、当時のカルチャーがたくさん描かれていました。
今回も1980年代を代表する映画や、オタクの高校生が好きそうな作品が随所に散りばめられています。
物語はもちろんですが、当時のカルチャーを感じることができるのも『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の面白さの1つです。
Vol.2ではどんな展開になるのか、そしてどんなカルチャーに触れることができるのか、今からとても楽しみです。