ギレルモ・デル・トロ監督の描く吸血鬼作品

モンスターや怪獣好きのギレルモ・デル・トロ監督。彼が幼い頃に惹きつけられたモンスターの1つが吸血鬼でした。様々な文献を研究し東欧の吸血鬼に魅了された監督はやがて自分の描きたかった吸血鬼を生み出します。ここではそんなギレルモ・デル・トロ監督の吸血鬼作品をたどってみたいと思います。

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ギレルモ・デル・トロ

1964年メキシコで生まれたギレルモ・デル・トロは、怪物や怪獣が大好きな子供時代を送ります。

大人になってもモンスターに魅了された心を続き映画監督となったギレルモ・デル・トロは、子供の頃に抱いた怪物への思いを作品として描き出すようになりました。

彼が収集したものは「荒涼館」と呼ばれる怪物の館にコレクションされていて、そこで様々なギレルモ・デル・トロ作品が生まれています。


ギレルモ・デル・トロの怪物の館 映画・創作ノート・コレクションの内なる世界

1993年に映画『クロノス』で長編映画の監督デビューを果たしたギレルモ・デル・トロは、精力的に作品を作り続け、2017年には映画『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞作品賞と監督賞を受賞しました。

幼い頃に魅了された怪物やロボットなどの映画を作り続けてきたギレルモ・デル・トロ監督ですが、中でも吸血鬼に対する思いは長年温め続けてきたものでした。

そしてその吸血鬼への思いは、ギレルモ・デル・トロ監督の作品に現れているのです。

 

ギレルモ・デル・トロ吸血鬼作品

クロノス


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ギレルモ・デル・トロ監督の長編映画でデビュー作となる1993年公開の映画『クロノス』。(日本では1998年公開です。)

この作品には「吸血鬼」という言葉も「ヴァンパイア」という言葉も登場しませんが、主人公が血を求める姿は吸血鬼映画と言える作品でもあります。

実際にギレルモ・デル・トロ監督は「クロノス」を製作するにあたって、吸血鬼の行動を様々な文献で研究しています。

>>>映画『クロノス』についてはこちら

「地球最後の男」

幼い頃から吸血鬼に魅了されていたギレルモ・デル・トロ監督の夢は、1954年に出版されたリチャード・マシスンの小説「地球最後の男」を映画化することでした。


アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)

ギレルモ・デル・トロ監督は映画を製作するためにワーナーに売り込みに行っています。

しかし当時まだ28歳で長編映画は「クロノス」しか作ったことない若い監督の願いは、残念ながら届きませんでした。

結局ギレルモ・デル・トロ監督は「地球最後の男」を映画にすることはできませんでした。

ちなみに「地球最後の男」は2007年には3度目の映画化「アイ・アム・レジェンド」として公開されています。

>>>小説『地球最後の男』(I Am Legend)をもとに作られた映画作品

ブレイド2


ブレイド2(字幕版)

映画『クロノス』や「地球最後の男」の映画化にあたり吸血鬼について研究していたギレルモ・デル・トロ監督は、自分なりの吸血鬼をついに映画「ブレイド2」で誕生させます。

東欧で伝承される吸血鬼を元に、「ブレイド2」ではヴァンパイアの新種族リーパーズを作り出しました。

それは今まで誰もみたことのない顎が外れて口が大きく裂ける吸血鬼でした。

長年温めてきた構想がやっと「ブレイド2」で形になったのです。

>>>映画『ブレイド2』についてはこちら

ザ・ストレイン


ザ・ストレイン

「ブレイド2」で描かれたリーパーズを進化させ、さらに吸血鬼の集大成として描いたのが小説「ザ・ストレイン」です。

「ザ・ストレイン」はギレルモ・デル・トロ監督とチャック・ホーガンによる共著で、2009年に出版されました。

この小説に登場する吸血鬼ストリゴイは東欧伝承の吸血鬼で、ギレルモ・デル・トロ監督の考える吸血鬼が全て集結されたものになっています。

小説の中にはストリゴイについての説明が書かれていて、さらに私達が「ヴァンパイア」と聞いて想像する十字架や聖水やニンニクなどは時代の産物だと書かれています。

最近では美しいものとして描かれることが多くなった吸血鬼を、ギレルモ・デル・トロ監督は当初の邪悪で醜いものとして描いていました。

小説「ザ・ストレイン」は三部作の最初の小説で、その後「暗黒のメルトダウン」「永遠の夜」と続編が出版されています。

ストレイン 沈黙のエクリプス

小説「ザ・ストレイン」はドラマ「ストレイン 沈黙のエクリプス」として2014年から放送が始まり、ギレルモ・デル・トロはドラマの製作総指揮を務めました。

ドラマはシーズン4まで作られ2017年まで放送されています。

原作の流れを受け継ぎながらもドラマ版のオリジナルキャラクターも登場させたり、小説とは違う人物にスポットを当てたりと、原作をさらに発展させた物語がドラマ「ストレイン 沈黙のエクリプス」です。

ギレルモ・デル・トロの描く吸血鬼の全てを映像として見ることができ、吸血鬼の姿は「ブレイド2」をさらに進化させた吸血鬼になっていました。

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まとめ

7歳の頃から吸血鬼マニアだったギレルモ・デル・トロ監督の、吸血鬼作品をまとめてみました。

「吸血鬼」という言葉が登場しない作品から始まり自分が描きたい吸血鬼を進化させながら、ギレルモ・デル・トロ監督は映画や小説やドラマの中で吸血鬼を描き続けました。

そして「ストレイン 沈黙のエクリプス」では、今まで誰もみたことのない恐ろしく不気味な吸血鬼の姿を見ることができます。

吸血鬼ストリゴイには、監督の作りたかった吸血鬼全てが詰まっているのです。

 

参考資料:ギレルモ・デル・トロ 創作ノート 驚異の部屋[普及版]

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