田舎で暮らす幸せな1組の家族。それはどこにでもいるような平凡な4人家族でしたが、ある事件をきっかけに家族の中の嘘が暴かれます。妻や息子は、信頼していた夫・尊敬していた父親が犯罪者だったことを知ってしまうのです。彼らは男を受け入れることができるのでしょうか?そして全てに決着をつけて家に戻ってきた男の正体とは?
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』 作品情報
タイトル | ヒストリー・オブ・バイオレンス(A History of Violence) |
監督 | デヴィッド・クローネンバーグ |
公開 | 2006年3月11日 |
製作国 | カナダ/アメリカ |
時間 | 1時間36分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
トム・ストール
平和な田舎町で妻エディ・息子ジャック・娘サラと暮らすトム・ストール。
彼はダイナーで働きながら、家族と幸せな生活を送っていました。
妻とは今でも熱く愛し合う関係。
息子のジャックはいじめらられていましが、決して暴力を振るわず口で相手をかわします。
家族仲良く平和で普通の暮らしをしていたのが、ストール一家だったのです。
しかしある時、トムが一躍町のヒーローになってしまいます。
小さな町なので強盗を倒したトムの行動はあっという間に町中に伝わり、彼は町を救ったヒーローになったのです。
ただし、これがトムの過去を暴くことになってしまいます。
彼が葬りたかった過去。
ある時から彼はトム・ストールとして生き続けていたのでした。
もちろんそのことは妻も息子も知りません。
強くてたくしましい夫トム、かっこよくて尊敬していた父親トム、それは全て嘘だったのです。
ストールという名前はトムがたまたま思いついた名前でした。
エディは自分がそんな存在しない名前を名乗っていたことに吐き気を感じます。
ジャックは犯罪者だった父親に怒りを感じます。
そしてやがて家族は、バラバラになってしまったのです。
トム・ストールが一生懸命作り上げた家族、それは一夜にして崩れ去ったのでした。
ジョーイ・キューザック
トム・ストールがどうしても捨てたかった過去。
それはフィラデルフィアで犯罪に手を染めていたジョーイ・キューザックです。
犯罪組織のボスであるフォガティの手下を殺し、さらにはフォガティの片目を潰してしまったジョーイ。
彼は暴力的な男だったのです。
兄と共に犯罪を犯し続けていたジョーイでしたが、フォガティから逃げるためにフィラデルフィアを出ました。
そして彼はジョーイ・キューザックを殺し、トム・ストールに生まれ変わったのです。
しかし彼の心の奥にはジョーイは生き続けていました。
身近に暴力が迫った時、彼は友人や家族を守るために封じ込めたはずの暴力を再び表に出すことになったのです。
それは意識的ではなく、無意識の間に蘇りました。
ジョーイは死んでいなかったのです。
そして一度ジョーイが蘇ると、トムはジョーイを封印することができません。
息子を殴り、妻とも激しく揉み合うことになってしまいます。
さらに全てを解決するためにフィラデルフィアに向かうと、彼は暴力によって全てを消し去りました。
彼は暴力を止めることができなくなっていたのです。
全てに決着をつけたジョーイは、家族のいる家に帰ります。
果たして家に戻ってきた彼はトムなのでしょうか?それともジョーイなのでしょうか?
フィラデルフィアでジョーイのことを知っている人間は消えたかもしれませんが、少なくとも家族はジョーイの存在を知っています。
それでも娘と息子は父親を迎え入れました。
果たして夫を見つめるエディは何を思いながら、彼に視線を投げ掛けたのでしょうか?
それに答える夫は、何を思い妻を見つめ返したのでしょうか?
まとめ
優しく家族思いのトム・ストール、暴力的で犯罪者のジョーイ・キューザック。
どちらも同じ人間ですが、彼はトムとして生き続けていました。
トムの過去であるジョーイの存在を知った時、トムを愛していた妻は夫を受け入れることができるのしょうでか?
暴力で町を救い家族を守った夫を、彼女は愛することができるのでしょうか?
ただし、トムであれジョーイであれ彼が家族を愛していることには変わりはないのです。