映画『狼男』人間の心に眠る「悪」が表に出てしまった男性の物語


数々のモンスター映画を誕生させたユニーバサル・モンスターズの作品『狼男』。伝説や言い伝えからなる人狼を「狼男」として描いた作品で、人間の心に潜む悪の部分に焦点を当てた作品でもあります。人間が持つ二重人格を意味するとされる狼男。狼男となってしまった主人公の、自分の意思ではどうすることも出来ない切なさを感じる作品でもあります。

『狼男』作品情報


狼男 [Blu-ray]

タイトル 狼男(The Wolf Man)
監督 ジョージ・ワグナー
公開 1941年12月12日
製作国 アメリカ
時間 1時間10分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ある夜、ウェールズでラリーは狼人間に襲われていた美女を助けたが、その時手を噛まれてしまう。

ジプシーの予言で、満月の夜に狼に変身すると言われたラリーだが……。

(出典:https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA00007Y7UV)

伝説「人狼」

昔から言い伝えや伝説とした語られている「人狼」。
それは時には「狼憑き」と呼ばれ、自分が狼だと信じてしまう精神病だとされていました。
地位によっては動物の身体的特徴が出たとも言われていました。

これは二重人格のことで、人間の「悪」の部分が狼となって現れるとされています。

そんな人間の二面性を描いた『狼男』ですが、狼になてしまうと自分をコントロールできなくなってしまいます。

狼男に噛まれた狼男になってしまった主人公のラリー。
彼は自分が狼として行動している時に記憶は全くありません。

狼になってしまった時は、愛する女性でさえも襲ってしまうのです。

ラリーは「どんな手段を使ってでも悪を一掃したいけど、どうしようもないんだ」と自分の力ではどうにもならないことを嘆いていました。

父親はラリーが精神的に病んでいると思い「健全な心を持て」とアドバイスしますが、私たちの心の奥にはみんな邪悪な部分があるのです。

それを理性や善良の心で抑えていているのです。

「狼男」になってしまった人に対してジプシーの女性は「いばらの道を歩もうともお前に非はない」と祈ります。

それは「狼」が現れるのは、自分の力ではどうしようも出来ないということを意味しているのでしょう。

私たちはいつ「人狼」に変身してしまうか分かりません。
そしてそれが人間なのです。

狼男とトリカブト

清らかなる心の男が祈りを捧げる トリカブト咲く月夜に狼にならんことを」という古い詩。
これは映画『狼男』の中で何度も出てくる詩です。

トリカブトと聞くと猛毒を持った花というイメージがありますが、実は古代には「トリカブトを食べると狼男になる」という言い伝えもあるようです。

満月の夜に狼男が現れるというのは、多くの人が知っている伝説です。
しかし『狼男』の中では、特に満月のことは描かれていません。

それよりもトリカブトの詩ができきたり、実際にトリカブトの花ができたりします。
そして主人公のラリーを噛んだ狼男は、トリカブトを見て狼男に変身しました。

この1941年の『狼男』では、「満月」ではなく「トリカブト」にまつわる狼男の言い伝えを中心に描いていました

ただし「狼男」が銀に弱いとされる言い伝えは、作品の中に登場します。
ジプシーの女性は「狼男」を倒すことができるのは、「銀の銃弾」か「銀のナイフ」か「銀の柄のステッキ」だけだと言っていました。

狼男にまつわる伝説や言い伝えや神話など、さまざまな物を合わせて描からたのが『狼男』だったのです。

まとめ

古くから伝わる「人狼」の物語。

色んな伝説を合わせて作った作品が『狼男』でした。

しかしそれは人間の二面性も描いていて、人間の心の奥底に眠る「悪」を目覚めさせた映画でもありました。

誰でも持ち合わせる邪悪な部分。

それは一度表に出てしまうとコントロールできないものであるという恐ろしい物でもありました。