1891年イギリスのブッラクムーアに現れた獣。村人は銀の銃弾を込めた銃を持ち、満月の夜に姿を見せる鋭い爪と牙を持つ獣と戦うことを決めます。しかし村人の前に姿を見せた獣は、彼らの力では倒せる相手ではありません。自分が獣になった理由を知った狼男は全ての決着をつけるために父親のもとに向かいます。その頃彼を愛する女性が、彼を追いかけていたのです。
『ウルフマン』作品情報
タイトル | ウルフマン(The Wolfman) |
監督 | ジョー・ジョンストン |
公開 | 2010年4月23日 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
時間 | 1時間43分 |
Rotten Tomatoes
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・メイクアップ&ヘアスタイリング賞[/box]
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
狼男
人間が狼に変身してした姿「人狼」。
それは古代から伝わる神話や伝説にいくつも残されている言い伝えや物語です。
映画の中でも狼男になってしまったローレンスを助けるためにグエンは、古代ジプシーの伝説を知ればていました。
そんな狼男はたくさんの小説や映画に登場し、
[box class=”yellow_box” title=””]・満月の夜に変身する
・銀に弱い
・狼男に噛まれると狼男になる[/box]
という設定でがやがて出来上がります。
この『ウルフマン』の中でもローレンスは狼男である父親に噛まれたで人狼になり、彼は満月の夜に変身します。
さらに村人は狼男を倒すために、銀を溶かして銃弾を作りました。
人間の一面と獣一面を持ち合わせている「狼男」。
ローレンスは人間である時は誠実で優しい人物ですが、いったん狼に変身すると凶暴になり次々と人間を襲います。
優しさと暴力性という相反するものを持ち合わせている人狼。
それは人間の中に眠る凶暴性を描いています。
満月の夜だけその凶暴性を解放するのが狼男なのです。
人間誰もが持ってい獣の一面。
普段私たちはそれを抑え生活していますが、私たちの中にはみんな凶暴な部分が眠っています。
それを解放した時誰もが人狼になってしまうのです。
父親と放蕩息子
イギリスのブラックムーアにあるタルボット城で暮らすローレンスの父親。
彼には2人の息子がいましたが、ローレンスは家を出てアメリカで暮らしています。
幼い頃父親に施設に入れらそれ以来父親とは疎遠になっていました。
弟が行方不明になり久しぶりにローレンスは家に帰りますが、父親は「放蕩息子が帰ってきた」と言いながら彼を出迎えます。
放蕩息子の物語は新約聖書ルカの福音書に書かれています。
財産をもらい家を出た息子は好き勝手に暮らし一文無しなってしまいます。
その後息子は自分の愚かさを償い父親の元に戻り、父親はそんな放蕩息子を暖かく迎え入れました。
これは「罪人でも悔い改めれば神は受け入れてくれる」という物語です。
映画『ウルフマン』の中でローレンスの父親は放蕩息子と言いながらローレンスを迎え入れますが、けしてローレンスは放蕩息子ではありません。
父親の思いに応えない息子は父親にとって放蕩息子だったのです。
父親は自分の王国をローレンスに継がせようとしていました。
しかし優しかったローレンスを父親は弱いと思い、彼を家から追い出したのです。
強く獣のようにあることを望んだ父親にとっては、優しいローレンスは放蕩息子でした。
しかしローレンスはそんな父親と戦うことを決め、父親を倒します。
彼は獣になることを拒んだのです。
彼は人間でいること自分らしくいることを求め、最後は人間の姿でなくなりました。
人間でいることそれはローレンスが望んだことです。
だから彼は「これでよかった」と言う言葉を残して息を引き取ったのでした。
まとめ
昔から伝わる「人狼」の伝説。
それを映画にしたのが『ウルフマン』でした。
さらに強くあることを求め続ける父親と優しい息子の戦いの物語でもあり、息子は父親を倒すことで自分らしくあり続けたのでした。