村を出て森で暮らすことになった1組の家族。家族は敬虔なキリスト教信者だったが、やがて家族の元に悪魔が近寄ります。5人の子供のうち1人がいなくなり1人が呪われて死亡する中、残された家族はそれが魔女の仕業ではと疑い始めます。家族の中に本当に魔女が紛れ込んでいるのか?毎日祈り続け神に救いを求める家族でしたが、彼らのそばに悪魔が近づいていたのです。
『ウィッチ』作品情報
タイトル | ウィッチ(The Witch) |
監督 | ロバート・エガース |
公開 | 2017年7月22日 |
製作国 | アメリカ/カナダ |
時間 | 1時間32分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
ルシファー
敬虔なキリスト教徒の家族に突如として怒った不幸の数々。
赤ちゃんのサムがいなくなり、農作物は枯れてしまい、さらには長男のケイレブは死んでしまいます。
そんな中、家族は魔女の仕業ではと考えるようになり、その矛先は長女のトマシンに向かいました。
双子の前で「私は魔女よ」と冗談で言ってしまったトマシン。
それが仇となり、双子はトマシンのことを本当に魔女だと思うようになってしまいます。
自分が疑われたトマシンは、とっさに双子こそが魔女だと言い返します。
そして黒ヤギがルシファーだと言いました。
ルシファーとはキリスト教の中では堕天使と言われ、悪魔だとされています。
神のそばで仕えていたルシファーでしたが、ある日神から神の造った「アダムとイブ」に仕えるように言われ、人間に嫉妬したことで天国から追放されてしまいました。
さらにトマシンが「悪魔はヤギに姿を変えて言葉をささやく」と言っていますが、キリスト教のなかでヤギは悪魔を象徴するものです。
家族は気がついていませんでしたが、トマシンの言うように、敬虔なキリスト教一家の周りに彼らを誘惑する悪魔が近づいていたのです。
ヤギに姿を変えたルシファーが、この家族の心を惑わし始めていました。
[box class=”blue_box” title=””]・ケイレブ:トマシンへの色欲
・母:サムを失い悲嘆
・双子:トマシンに対していつも意地悪[/box]
さらに父親は祈りながら自分のことを傲慢だと言っていました。
この傲慢の悪魔はルシファーとされています。
気がつかないうちに、彼らは誘惑に負けルシファーの傲慢に飲み込まれてしまっていたのです。
魔女の誕生
7人家族の長女トマシン。
敬虔なキリスト教徒の両親のもとで育った彼女は、両親の教えに沿って祈りを捧げ神を信じていました。
しかしまだ若い彼女はたまに神の教えに背くことがあります。
その時は祈り懺悔することで許しを乞うていました。
そんなある日、彼女の目の前で弟のサムがいなくなってしまいます。
これを境に家族の中に不穏な空気が漂い始めました。
これが悪魔の誘惑の始まりでしたが、これをきっかけに家族は間違った方向に進み始めました。
不幸になることを誰かのせいにしてしまう家族。
その誰かは家族の中でトマシンでした。
家族全員から魔女だと疑われてしまうトマシン。
どんな「違う」と否定しても誰も彼女の言葉に耳を傾けてくれませんでした。
唯一彼女に優しかったケイレブは、悪魔の誘惑に負けて命を落としてしまっています。
トマシンは5人もいる家族の中で1人で孤独になってしまいました。
1人になったトマシンの心に入り込んできたのは、本当の悪魔でした。
悪魔はトマシンに「バターを味わってみるのはどうだ?」「綺麗なドレスは?」「魅惑的な暮らしを与えてやろう」「世界も見せてやろう」と誘惑します。
家族を失い1人になってしまったトマシンは悪魔の甘い誘いにのり、契約を交わしてしまいます。
こうして1人の魔女が誕生しました。
家族に信じてもらえす寂しさを感じていた孤独が、信仰深かった1人の少女を魔女にしたのです。
誘惑に負けてしまった人たちが、魔女を生み出すのです。
まとめ
信仰心の強い家族の破綻と、魔女が誕生するまでの物語を描いた『ウィッチ 』。
映画の最後に歴史的資料や民話からこの作品を作ったと説明していますが、この映画のように魔女は生まれ魔女狩りや魔女裁判につながったかもしれません。
イングランドからアメリカに入植したきた時代の物語ではありますが、魔女を生み出してしまうのは今の時代も変わりはありません。
現代社会でも私たちは「魔女」を生み、その「魔女」を糾弾しているのです。