映画『サイコキネシス -念力-』超能力を手にしたダメ父親の成長物語

幼い娘を残し家をでた1人の男。彼はその後狭い部屋で1人暮らしをしながら細々と生活していますが、相変わらずだらしない性格のままでした。一方、残された娘ルミはたくましく育ち母親を助けるまでになっていましたが、母親が亡くなったことでルミは落ち込み悲しみに暮れてしまいます。しかし母親は亡くなった時、父親にある力を授けていたのです。

目次

『サイコキネシス -念力-』作品情報

タイトル サイコキネシス -念力-(염력
監督 ヨン・サンホ
公開 2018年4月25日
製作国  韓国
時間 1時間41分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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妻子を捨て、警備員の仕事をしながら冴えない生活を送るソッコンは、ある日突然、自分が超能力に目覚めたことに気づく。

一方、ソッコンの娘ルミはフライドチキン店の店長として街の人々から愛されていたが、立ち退きを要求する地上げ屋の襲撃に遭い母を殺されてしまう。

ルミは母の携帯に残されていた電話番号を頼りに父に連絡を取り、父娘は久々の再会を果たす。

ソッコンはさらなる襲撃に出た地上げ屋からルミを守るため、超能力で彼らに立ち向かうが……。

(出典:https://eiga.com/movie/89119/)

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ダメ父親の成長

友人の保証人になったことで借金を作ってしまった父親。
彼は借金の取り立てから逃げるために、幼い娘ルミと妻をを残し1人家を出ました。

その後一切家族とは連絡を取らずに過ごしていましたが、ある日突然娘から電話が。
それは母親が亡くなったと言う知らせでした。

久しぶりに再会して父と娘。
しかし娘は自分を捨てた父親を憎んでいました。

一方父親は娘と再会しても何もできません。
再開発で立ち退きを余儀なくされている娘に何もしてやることができませんでした。

そんな時自分に超能力があることを知った父親は、なんとその力でマジシャンとなり金儲けすることに。
これで娘を養えると喜びますが、娘は父親の超能力を見ても驚きもしません。
それどころかただただ呆れるだけでした。

父親は「一緒に暮らそう」と言いますが、「父親の振りをしないで」と追い返されてしまいます。

途方に暮れてしまう父親でしたが、超能力を使って怖い人たちに襲われる娘や商店街の人たちを助けます。

この時父親はあることに気がついたのです。
妻がいい父親になれと力を授けてくれたと。

自分が持つ超能力の意味を初めて理解した父親は、娘を守るために戦います。
しかしそれは権力に刃向かうことでもありました。

必死で娘を守るうちにいつしか父親として成長していた彼は、自分を犠牲にすることを選びます。

自分が警察に捕まることで娘を助けました。
この時、彼は初めて本当の意味でルミの父親になったのです。

そしてそんな父親の想いは娘にも届いていました。

娘が新しく開いたお店の名前、それは「超能力チキン」だったのです。

権力に立ち向かう市民

ルミのチキン店がある商店街は再開発で立ち退きを要請されていました。
しかし建設会社は補償金を払おうとしません。

それどころか強制的に立ち退かせようとしたことで、ルミの母親は亡くなってしまいました。

ルミは裁判を起こしますが、勝ち目はありません。
なぜなら再開発を進める建設会社は、検察を操ることができる権力を握っていました。

もちろん警察も簡単に動かせるために、ルミ達は警察と衝突することになったのです。

それでもルミ達は権力に立ち向かい戦います。
ルミは全く諦める気持ちはありませんでした。

そんな権力を持つ建設会社の常務は、ルミの父親に「真の能力者は勝つために生まれた人よ」と言い放ちます。
そして「私たちはこの社会の奴隷よ」と言い、奴隷の身で超能力を使ってもどうしようもないと現実を突きつけました。
さらにその能力をもっと有意義に使うことを勧められます。

しかし父親は自分の能力を権力のためではなく、娘を守ることに使います。
権力に屈している人を助けるために使ったのです。

そしてそれが父親の出した答えで、彼はあっさり自分の負けを認め警察に捕まります。
彼は権力側の人間にならなかったのです。

父親として成長すると同時に、人間としても彼は成長していたのでした。

まとめ

社会人としても父親としてもダメな男の成長物語『サイコキネシス -念力-』。

超能力は妻の残してくれたものでしたが、彼は妻の思いを汲み取りその力を使います。

そして父親として成長し娘との絆を深めると同時に、人間としても成長していました。

手に入れた能力をどう使うか。

彼は父親として娘を守ることを選んだのでした。

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