映画『悪魔のいけにえ』恐怖のあまりにおかしくなってしまう主人公 それが1番の恐怖

チェーンソーを持ったレザーフェイスに追いかけられる恐怖を描いた映画『悪魔のいけにえ』。ひたすら追いかけてくるレザーフェイスや彼の不気味な家族も怖いのですが、それ以外にもこの『悪魔のいけにえ』にはいくつかの恐怖が描かれています。それは目の前に現れる怪物よりも恐怖に直面したときに人間でした。

目次

『悪魔のいけにえ』作品情報


悪魔のいけにえ 公開40周年記念版(価格改定) [Blu-ray]

タイトル 悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)
監督 トビー・フーパー
公開 1975年2月1日
製作国 アメリカ
時間 1時間23分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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サリー、ジュリー、フランクリン、カーク、パムの5人組は、夏休みを利用してドライブ旅行に出かけ、その途中でヒッチハイクをしていた男を車に乗せる。

しかし、男はナイフで自らを傷つけるといった行動を繰り返し、異常を感じた5人は男を車から追い出す。

やがて一軒の洋館を見つけた5人は、その家に立ち寄るが……。

(出典:https://eiga.com/movie/41965/)

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度重なる幾つもの恐怖

映画『悪魔のいけにえ』といえば、チェーンソーを持って追いかけてくるレザーフェイス。

あの恐怖は忘れることができませんが、この映画にはレザーフェイス以外にも幾つもの恐怖が描かれているのです。

フランクリン

車椅子で生活を送るフランクリン。
彼はいつも「サリー」と妹の名前を呼び、サリーに面倒を見てもらっていました。

そんなフランクリンはナイフを持ち歩いている若者です。
ナイフで指の汚れを落とすシーンは、それだけで彼の中に眠る異常性を感じてしまいます。

さらにフランクリンは途中で乗せたヒッチハイカーにとても興味を抱くようになります。
彼の行動に恐怖を感じながらも、彼と別れてからずっと彼のことを気にしています。
「追いかけてくるかな?」と不安そうにしながらも、どこか彼にもう一度会いたいように聞こえます。

彼が車に残した血文字を見た時の顔や、無くしてしまったナイフを探すしつこさ

すでにフランクリンが普通ではないのが分かります。

そして自分だけ置いていかれてしまった時、1人で怒りをぶつける様子はとても怖かったです。

『悪魔のいけにえ』の中で最初に不気味さを感じさせるのは、このフランクリンなのです

レザーフェイス一家

ガソリンスタンドにいる父親、ヒッチハイクをする兄、そしてレザーフェイス。
さらには恐ろしい姿になっているおじいちゃん。

みんな不気味なのがレザーフェイス一家です。

代々、肉処理場で働くこの家族は牛を殺すうちに、その快感に取り憑かれてしまったのでしょうか?

牛の新処理法があるのに、今だに昔ながらの残酷な方法を撮り続けていました。

レザーフェイスの下に見える、目と口と歯。
それがアップになった時に真のレザーフェイスの怖さを感じます。

彼がチェーンソーを振り回しながら追いかけてくるシーンも、もちろん怖いですが、それよりも彼の目が映った時に、その目のなかに恐怖が潜んでいるように感じてしまいました。

サリー

『悪魔のいけにえ』の中で1番私が恐怖を感じたのは、主人公のサリーです。

目の前で兄を殺され、追いかけてくるレザーフェイスから逃げ続けます。
その恐怖のあまりパニック状態を通りこしているように見えます。

なぜなら躊躇なく彼女は2階の窓を突き破り、逃げるからです。
もう理性がなくなっている証拠だと思います。

そんな彼女の感じる恐怖を、後半は彼女の叫び声と目だけで描き続けます。
彼女の緑色の目のアップは、目の前でこれから起こるであろう恐怖を駆り立てます。

何も恐ろしいシーンは映し出されていないのに、彼女の表情だけでこの先起こることを想像してしまいます。

そして彼女の叫び声と表情が、1番の恐怖として私の心に残りました。

最後に血だらけの彼女が車に乗って逃げて行くシーン。
あの時見せた彼女の笑顔を忘れることができません。

まとめ

ホラー映画の代表格の1つ『悪魔のいけにえ』。

この映画はチェーンソーとレザーフェイスという恐怖を私たちに植え付けました。

しかしそれ以上に私たちに恐怖を受け付けたのは、サリーとフランクリンの兄妹です。

サリーが恐怖のあまりおかしくなって行く様子が、1番の恐怖を印象付けています。

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