催眠療法で絵の隠し場所を見つけ出す物語『トランス』。この映画を見ていると事実とトランス状態の境目が分からなくなってしまいます。しかし物語が進むに連れて見えてくる真実。それでもラストの最大の驚きが待っていました。全てはたった1人の・・・・(これ以上はネタバレになりますので閲覧する方はご注意ください)
『トランス』作品情報
タイトル | トランス(Trances ) |
監督 | ダニー・ボイル |
公開 | 2013年10月11日 |
製作国 | イギリス |
時間 | 1時間41分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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ゴヤの傑作『魔女たちの飛翔』がオークション会場から盗まれる。
実行犯はギャングと手を組んだ競売人のサイモンだった。
ところが彼は、なぜかギャングのリーダー、フランクに絵を渡さず抵抗し、逆に殴り返される。
その拍子に記憶の一部を失い、名画の隠し場所を思い出せなくなってしまうサイモン。
そこでフランクは、催眠療法士のエリザベスを雇い、サイモンの記憶を探ることに。
ところがエリザベスは、そんなフランクの狙いに感づき、自分をパートナーに迎えるようフランクに迫るしたたかで曰くありげな女だった。
そんな中、本格的なサイモンの催眠療法が始まる。
しかし、嘘と秘密にまみれた三者の思惑は入り乱れ、事態は思いもよらぬ方向へと転がり始め…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/346268)
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催眠療法
ゴヤの『魔女たちの飛翔』を盗んだ男たち。
しかしリーダーのフランクが、裏切ったサイモンを殴ったことで彼は絵の隠し場所を忘れてしまいます。
そして記憶を取り戻すために受けたのが催眠療法でした。
エリザベスの誘導で眠りの中で記憶を取り戻すサイモン。
そして「鍵」を見つけることができました。
しかし探しているのは鍵ではなく『魔女たちの飛翔』です。
絵の隠し場所を見つけるために本当の催眠療法が始まりました。
催眠療法は記憶を取り戻すだけに使われるわけではありません。
エリザベスは暗示をかけて恐怖を感じさせることも行っていました。
催眠後に暗示を維持させるのは難しいとエリザベスは言いますが、人口の5%は暗示を維持させることができるとも言います。
この言葉がこの物語の答えでもありました。
さらに催眠療法は忘れたいことを忘れさせることもできるのです。
記憶を封印することも。
『トランス』の中では様々な催眠療法のテクニックが描かれているので、私たち自身も暗示にかかってしまうのです。
そして何が真実で何が暗示なのか分からな句なってしまいます。
だから最後に真実を知った時は、驚きを感じてしまうのでした。
全ては・・・・・(ネタバレ注意)
さて、ここからはこの物語の核心に触れていきますので『トランス』のオチを知りたくない方は読まないことをお勧めします。
盗まれた『魔女たちの飛翔』。
仲間を裏切ったサイモン。
全ては。。。。
たった1人の女性の起こした復讐だったのです。
催眠療法を使ってエリザベスが全てを仕組んでいました。
それは自分を脅しストーカーしたサイモンに復讐するために。
エリザベスに執着しエリザベスを束縛したサイモン。
彼はエリザベスの人生を壊してしまいました。
そんなサイモンに対する復讐が今回の出来事だったのです。
自分のことを忘れさせると同時に、絵を盗むように暗示をかけていました。
サイモンは催眠後も暗示を維持できる5%の人でした。
その暗示によりサイモンは絵を盗むことを考えます。
さらに盗んだ絵をエリザベスに渡すように暗示がかけられていました。
ここまでは順調でしたが、まさかサイモンがまさかの行動に出たことでフランクに殴られてしまいました。
これが引き金となってサイモンの封印されたはずの記憶が蘇ります。
それはエリザベスの裏切りです。
これはエリゼベスにとって予想外の出来事でしたが、彼はその後記憶喪失になります。
それをうまく利用してエリザベスは再度復讐を行うことを決めたのです。
そして無事にエリザベスは復讐を成し遂げ、絵を手にすることができました。
しかもサイモンも殺すことができ、彼女にとっては最高のハッピーエンドになったのでした。
まとめ
驚きのラストが待っていた『トランス』。
全ては催眠療法を使った元カレへの復讐でした。
元カレを利用し彼よりも優位に経とうとしたエリザベス。
予想外のことが起きてしまいますが、無事に復讐に成功しました。
サイモンは最初から最後まで彼女に暗示をかけられていましたが、それは自業自得なのかもしれません。