『シャイニング』と言えば、1980年に公開された映画版の『シャイニング』は有名な映画です。しかし原作者のスティーヴン・キングにとってはこの映画は納得いきませんでした。なのでスティーヴン・キング自ら新たな『シャイニング』を製作しました。それがここで紹介するドラマ版『シャイニング』です。
『シャイニング』作品情報
タイトル | シャイニング(The Shining) |
放送 | 1997年 |
シーズン | 3話 |
製作国 | アメリカ |
スティーヴン・キング
1977年に出版されたスティーヴン・キングの『シャイニング』。
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この小説を原作として作られたのが、1980年にスタンリー・キューブリックが製作した『シャイニング』です。
しかしこのキューブリックが作った『シャイニング』に対して、原作者のスティーヴン・キングは不満を感じていました。
自分が書いた著書の中でも「腹立たしいほど見当違いで、がっかりな映画」と言っているほどです。
どうしても納得のいかないスティーヴン・キングは、自分で『シャイニング』を作ることを決めました。
3話からなるTV版としてスティーヴン・キング自ら製作総指揮を勤めました。
原作に忠実な内容で、オーバルックホテルを冬の間管理することになったトランス一家でしたが、オーバルックホテルは幽霊ホテルだったという物語になっています。
映画版よりも「幽霊」ということを明確に打ち出しているのが、スティーヴン・キングの手がけた『シャイニング』です。
「輝き」
映画版の『シャイニング』は、精神的に狂ってしまった父親のジャックの印象がかなり強い映画です。
しかしTV版の『シャイニング』は、「輝き」という特殊能力を持った息子ダニーを中心に描かれています。
一家がやってきたホテルは、亡霊に取り憑かれたホテルでしたが「輝き」を持っているダニーは、それを強く感じてしまいます。
ホテルに行く前から、ホテルは危険だと感じ取っていました。
しかし父親の仕事のためにホテルに向かうことにします。
そしてそこで待っていたのは、ダニーを取り込もうとする亡霊ホテルでした。
ダニーの才能を知った亡霊ホテルは、ダニーをホテルの世界に引き摺り込もうとします。
しかしダニーはそれに抵抗しました。
そのためホテルは父である、ジャックを使ってダニーを捕まえようとしたのでした。
映画版と同じような流れで進みますが、ドラマ版の中ではホテルでたくさんの怪奇現象が起こります。
そしてそれは妻のウエンディも感じていました。
映画版とドラマ版で大きく違うのはラストです。
映画版は息子を追いかけたジャックは雪の中で凍死してしまいますが、ドラマ版ではジャックは最後の力を振り絞り息子を救おうとします。
そして「愛しているよ」と言って、父親は息子を救うためにホテルを爆破しました。
そこが1番大きく違う点です。
亡霊に取り憑かれながらも、息子を守ったジャック。
そして息子が高校を卒業式を嬉しそうに見守って終わるのがドラマ版でした。
ドラマ版を見ると、スティーヴン・キングの納得できなかった点は、「輝き」という能力の使われ方と映画の終わり方だということを感じ取ることができます。
まとめ
スティーヴン・キングが製作総指揮を務めたTV版『シャイニング』。
原作に忠実でスティーヴン・キングの描きたかった世界が、詰まった物語になっています。
映画版とドラマ版を見て、違いを楽しむのも『シャイニング』の楽しみ方の1つかもしれません。
そして気がついた違いが、スティーヴン・キングがこだわりたかったものなのです。