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【映画カレンダー】この記事では日付にちなんだ映画を紹介しています。
6月の夏至の日にちなんだ作品は、スウェーデンの美しい村を舞台に90年に一度の祝祭を描いたホラー映画『ミッドサマー』です。
映画『ミッドサマー』
タイトル | ミッドサマー(Midsommar) |
監督 | アリ・アスター |
公開 | 2019年7月3日 |
製作国 | アメリカ/スウェーデン |
時間 | 2時間21分 |
あらすじ
家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
(https://happinet-phantom.com/midsommar/)
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夏至
両親と妹を一度に亡くしてしまった主人公のダニーは、トラウマを抱えてしまいます。
そのせいで恋人クリスチャンとの関係もうまくいっていませんでしたが、ある日クリスチャンとその友人に誘われスウェーデンのホルガ村で行われるお祭りに参加することにしました。
そのお祭りは「90年に一度の祝祭」夏至祭でしたが、それはダニー達が想像していたものとは全く違うホルが村で代々行われている儀式だったのです。
『ミッドサマー』ディレクターズ・カット版
ディレクターズ・カット版は通常盤よりも22分長いバージョンです。
通常盤ではカットされてしまった、ダニーとクリスチャンのやりとりや友人たちとの会話、他にもあったホルガ村での儀式などが描かれています。
追加されたシーンによって、主人公たちの微妙な関係やホルガ村の不気味さをより強く感じることができるようになっていました。
通常版とディレクターズ・カット版の比較
ダニーとクリスチャンの関係
映画の冒頭からのダニーと彼氏のクリスチャンとの関係が微妙なことは伝わってきますが、2人はホルガ村で決定的な喧嘩をしています。
そのシーンは通常版ではカットされていましたが、その喧嘩によってダニーの気持ちが大きく動いていることが分かるようになっていました。
「生命のサイクル」の儀式など異常な儀式を見たダニーは帰りたいと言いますが、クリスチャンは「残る」と言い2人は口論になってしまいます。
この喧嘩で2人は「別れを待つだけの関係」ということをお互いがはっきりと自覚します。
さらにクリスチャンはダニーに対して「被害者ぶるズルい女」と言い放って、その場に彼女を残して去っていってしまいました。
翌日2人は仲直りをしていますが、この時ダニーはかなりショックを受けたはずです。
だから食事の時にコニーを残して去ったサイモンの行動に対してダニーは、「あなたもやりそう」とクリスチャンに言ったのです。
この喧嘩で自分達の関係をきちんと見直したからこそラストのダニーの選択があり、だからこそあのダニーの微笑みが恐ろしくもありまた納得もできるようになっていました。
若者たちの会話
『ミッドサマー』の登場人物の中でクリスチャンとマークは、あまり好感を持つことができないキャラクター設定になっていますが、ディレクターズ・カット版では彼らの会話でそれがより強調されています。
映画の前半でクリスチャンがダニーをスウェーデン誘う会話やホルガ村へ向かう車の中で論文に対しての言葉で、彼が適当な人物だということが分かります。
またマークに関しては「生命のサイクル」の儀式前に不謹慎で失礼なことを言っていて、彼が本当にどうしようもない男だということが伝わるようになっていました。
儀式
『ミッドサマー』の中で描かれいる様々な儀式はどれも強烈なものばかりです。
しかしディレクターズ・カット版ではその他の儀式も見ることができます。
ダニー達がホルガ村についてすぐに、彼らは「感謝を捧げる」儀式に参加します。
まだこの共同体がどんな場所か分かってなく興味津々でみんなその儀式に参加していましたが、この後に起こることを知っているとその儀式さえもどこか不気味で、この共同体の閉塞感を感じてしまいます。
そしてもう1つディレクターズ・カット版にあるのが、夜に行われる「特別な儀式」です。
この儀式で子供が恐ろしい目に遭いそうになったのを見て、ダニーは家に帰りたいと強く思うようになりました。
そしてこの儀式で子供が来ていた服装が、最後のシーンに関係しています。
通常版ではコニーはただ姿を消して最後に変わり果てた姿で出てきますが、この時コニーが着ていた洋服は夜の儀式で子供が着ていた衣装でした。
コニーに何が起こったのかは描かれていなくてもディレクターズ・カット版では、彼女の着ていた衣装を見れば彼女に何が起こったのか連想できるようになっています。
美しく綺麗なホルガ村で起こった出来事を描いたホラー映画『ミッドサマー』。
通常盤でもその美しさと同時に不気味さが強く描かれていますが、ディレクターズ・カット版ではそれがより強調されています。
追加された20分のシーンによってさらにホルガ村の実態が見えてきて不穏な空気が流れる作品、それが『ミッドサマー』のディレクターズ・カット版です。