パイロット・エンジニア・芸術家。それぞれの夢に敗れた3人が向かったのは宝探しの旅でした。自由気ままに宝探しを楽しむ3人でしたが、宝を見つけた後に待っていたのはそぜぞれが望んだ人生ではありませんでした。
『冒険者たち』作品情報
タイトル | 冒険者たち(Les Aventuriers ) |
監督 | ロベール・アンリコ |
公開 | 1967年5月18日 |
製作国 | フランス |
時間 | 1時間52分 |
Rotten Tomatoes
『冒険者たち』あらすじ
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海底に眠る財宝を引き上げるため、三人の男女がアフリカのコンゴ沖にやってきた。
しかし財宝が引き上げられたとき、襲ってきたギャングの流れ弾に当たり、女は死んでしまう。
残った男二人は、財宝をもって彼女の故郷へ逃げるが……。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=21214)
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男女3人の友情と恋愛
パイロットのマヌーとエンジニアのローラン。
彼らはお互いの夢を支え合う友情で結ばれています。
ローランはマヌーのアクロバット飛行の練習に付き合います。
一方でマヌーもローランのエンジン開発を応援しています。
そんな友情で結ばれた男二人の前に現れたのが1人の美女レティシアです。
男2人と女1人。
3人が出会った時から友情と恋愛の物語が始まります。
アラン・ドロン演じるイケメンのマヌーには恋人がいますが、マヌーはレティシアに惹かれています。
露骨に態度には表さず3人での時間を楽しみますが、心はレティシアに夢中です。
一方、ローランの方はエンジン開発のことに夢中です。
もちろん美女がいるので気になっていたでしょうが、マヌーが彼女に惹かれていることにも気がついているはずです。
レティシアには友達として接していました。
そして紅一点のレティシア。
彼女も3人での時間を楽しんでいるようです。
このまま3人で生活できればいいのでしょうが、そうもいかないのが現実です。
マヌーが自分に好意を寄せていることを知りながらも、レティシアはローランとの生活を望んでいたのでした。
宝を手にした後の現実
低空飛行を禁じられパイロットの免許を奪われたマヌー。
エンジンの開発に失敗したローラン。
自分の作品を酷評されたレティシア。
夢に敗れ傷ついた3人はコンゴの海に沈んでと言われるお宝探しの旅に出かけます。
美しい海で優雅に流れる時間。
宝を見つけるよりも宝探しの時間を楽しんでいた3人でした。
それぞれの恋愛よりも3人でいることを純粋に楽しんでいた3人でしたが、宝が見つかった時からその楽しい時間が壊れ始めました。
ギャングに襲われた時にレティシアは命を落としています。
さらに結局そのことがマヌーとローランの別離にも繋がってしまうのです。
海で過ごした3人の時間がとても美しく幸せに満ちていただけに、後半レティシアを失ってからの二人に待ち受けていた運命はとても悲劇なものでした。
感想
男女3人の友情と恋愛物語を、美しい景色とともに描いたことでとても儚い作品に感じました。
さらに3人が過ごす時間に流れる音楽が、幸福と同時にスリリングな予感さえ感じさせドキドキしてしまいます。
このまま3人が幸せなまま終わるわけないと感じさせる音楽は、後半マヌーとローランに待ち受ける運命を描いているようでした。
若者3人が出かけた冒険は予想もしない結末になってしまいますが、3人が海の上で過ごした楽しそうな笑顔はいつまでも忘れることができません。
そんな切なさと同時に儚い幸せの余韻が残る作品が『冒険者たち』です。