愛する年上の女性がある日姿を消してしまいます。それから数年後彼女はナチ親衛隊だった過去によって裁判を受けていたのでした。彼女は隠し続けている秘密があったのですが、その秘密が彼女を苦しめていくのでした。
『愛を読むひと』作品情報
タイトル | 愛を読むひと(The Reader) |
監督 | スティーブン・ダルドリー |
公開 | 2009年6月19日 |
製作国 | アメリカ/ドイツ |
時間 | 2時間4分 |
Rotten Tomatoes
『愛を読むひと』あらすじ
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1958年のドイツ。
15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。
やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。
ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。
8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。
たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。
裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。
その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。
(出典:http://www.aiyomu.com)
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ハンナの文盲が示すことの意味は?
『愛を読むひと』の主人公ハンナ。
彼女は秘密を抱えています。
そしてその秘密をずっと隠し続けていました。
ハンナの秘密。
それは彼女が字を読めないということでした。
ある日であった少年マイケルに本を読んでもらいます。
字を読めなくても本が大好きだったハンナ。
しかし彼女はマイケルにも自分が文字を読めないことを伝えませんでした。
ハンナが隠し続ける文盲。
これは『愛を読むひと』の中でのキーとなります。
文盲のハンナから学校に行っておらず彼女が無知であることが想像できます。
彼女はナチ親衛隊に入隊するのですが、きっと彼女はその意味をわかっていなかったのです。
募集していたからたまたま入隊したナチ親衛隊。
そこで看守として働いていたハンナは、仕事をちゃんとこなしていただけなのです。
それが裁判での彼女の言葉に現れています。
「新しい囚人が送られてきて収容所がなくなるから、死ぬひとを選定していた」と彼女は悪気もなく説明しました。
教養のなかった彼女は自分のしている恐ろしいことに気がついていなかったのです。
だから裁判官に「あなたならどうします?」と質問したのです。
教養のあった人たちもいましたがハンナにように教養のない人もナチ親衛隊にいたかと思うとぞっとしてしまうシーンでもありました。
刑務所で真実を知ったハンナ
字を読めなかったのに、報告書を書いたことを認めたハンナ。
それほどまでした彼女は自分の文盲を隠し続けたかったのです。
彼女にとって文盲を認めることは恥ずかしいことだったのです。
結局無期懲役となり刑務所に入ることになったハンナ。
彼女は静かに刑務所で暮らしていましたが、マイケルは彼女に本を朗読したテープを送りました。
テープを聞きながらマイケルを思い出し刑務所で過ごしていたハンナでしたが、彼女は密かに文字の勉強をしたのでした。
図書館で本を借り、マイケルのテープと本を照らし合わせながら勉強し続けたハンナ。
いつしか彼女は読み書きできるようになっていました。
しかし読み書きできるようになったハンナは、いつしか刑務所内での生活を変えてしまいます。
以前はきちんとしたいたのに、自分のことに構わなくなってしまったハンナ。
誰もハンナが文字を読めなかったこと刑務所内で彼女が文字を学んだことを知らないので、彼女が変わってしまった理由がわかりません。
ハンナが変わってしまった理由。
それは文字を読み書きできるようになり知識を得たことで、自分が過去に何をしてしまったかということを知ったのでした。
自分は恐ろしいことをしてしまったことに気がついたハンナ。
何十年ぶりに再開したマイケルに「過去のことを考える?」と聞かれた時、「どう感じようと、どう考えようとも死者は生き返らない」と告げました。
裁判の前は過去など考えたこともなかったハンナでしたが、教養を得たことで自分のして恐ろしい出来事の事実を初めて知ったのでした。
まとめ
年上の女性に恋した若者のラブストーリーの『愛を読むひと』ですが、無知であることの恐ろしさが描かれている物語でもありました。
裁判中のハンナの発言には怖さすら感じてしまいます。
ハンナが刑務所内で自分の行動の真実を知った時の彼女の辛さを想像してしまいます。
知識を得て自分の罪を償おうとしたハンナ。
それがラストの彼女の行動に繋がったのだと思います。