映画『ザ・シークレットマン』史上最強の内部告発者が暴いたニクソン政権の真実


アメリカの歴史に残る事件の1つウォーターゲート事件。FBIは捜査に当たりますが、ホワイトハウスから捜査を打ち切られFBIの副長官だったマーク・フェルトは憤りを感じます。そして彼がとった行動は。。。長年謎とされてきたディープ・スロートの正体が『ザ・シークレットマン』で描かれていました。

『ザ・シークレットマン』作品情報


ザ・シークレットマン [Blu-ray]

タイトル ザ・シークレットマン(Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House)
監督 ピーター・ランデズマン
公開 2018年2月24日
製作国 アメリカ
時間 1時間43分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ある日の深夜、5人の男がワシントンD.C.の民主党本部に侵入。

盗聴器を仕掛けようとしたところを逮捕される。

事件の指揮を担当したFBI副長官フェルトは、背後にホワイトハウスの関係者がいると確信。

例え相手が大統領であろうとも、捜査の手を緩める訳にはいかない。

しかし長年FBIのトップに君臨したフーバー長官の急死後長官代理に就任したグレイは、 ホワイトハウスの意向を汲み捜査の早期終結を指示する。

このままでは真実が闇に葬られてしまう。

捜査を続行し、事件の全容を明らかにするため、フェルトは一世一代の賭けに出る。

(出典:http://www.secretman-movie.com/about.php)

FBI

テロやアメリカの広域にわたる事件を捜査するFBI。
司法省に所属する組織でしたが、独立組織であり政府とは切り離された組織でした。

FBIの長官はジョン・エドガー・フーヴァー
彼はFBIの初代長官であり、終身長官でもありました。

そのフーヴァーのもとで働いていたのが副長官であるマーク・フェルトです。
彼はFBIの仕事に誇りを持っていました。

しかしフーヴァーは政治家たちの個人情報を集めた機密ファイルを持っていました
違法な盗聴などを行なっていたのですが、このファイルの存在により歴代大統領たちはフーヴァーを辞任させることができなかったのです。

それはこの映画の冒頭でも描かれていて、ニクソン大統領も同じでした。
そしてニクソン大統領はFBIを一新したいとも考えていたのです。

そしてフーヴァー長官が亡くなったことで、ホワイトハウスは動き出しました。
同時にウォーターゲート事件への捜査も妨害します。

独立組織でありながらも政府から捜査を打ち切られてしまいます。

フーヴァー長官が行なっていた「黒い仕事」ですら嫌がっていたマーク・フェルトにとっては、政府から邪魔されることは許せないことでした。

そして正義を貫くためにマークの逆襲が始まったのでした。

ディープ・スロート

政府から捜査を妨害されたマーク・フェルトがとった行動は、タイム誌とワシントン・ポスト紙に情報を流すことでした。

捜査できなくなってしまったマークは、新聞に捜査の内容を書いてもらうことで世論を巻き込もうとしていました。
実際、ウォオーターゲート事件前にもマークは、ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワードに情報を流したことがありました。

今回のウォーターゲート事件でも同じようにウッドワードに情報を与え新聞に書かせました。
このマークとウッドワードのやり取りは、極秘なものとされていてウッドワードに情報を与えていた人物が誰なのかはずっと謎のままでした。

マークから得た情報でウォーターゲート事件の調査を進めていくウッドワードの様子は、『大統領の陰謀』で描かれています。


大統領の陰謀 [Blu-ray]

『大統領の陰謀』の方にもディープ・スロートは登場します。
映画が作られて当時は正体が誰なのか分かっていませんでしたが、このディープ・スロートがマーク・フェルトだったのです。

この事実は2005年マークの口から公表されました。
しかし『ザ・シークレットマン』の中でも描かれているように、当時からニクソン政権やCIAが情報を流していたのはマークだと分かっていました。

しかし彼をクビにすることは、政府関係者にとっては恐怖でもありました。
30年間FBIに務めた男が持っている情報はあまりにも大きなものだったからです。

マーク・フェルト

31年間FBIに務めたマーク・フェルト。
フーバー長官亡き後、マークが長官だと誰もが思っていましたが結局ニクソン政権に邪魔され長官になれずに終わってしまいました。

マークはウォーターゲート事件の捜査だけではなく、FBIが長年に渡り行なっていた「黒い仕事」の情報をタイム誌に流しました。

そしてそれが世間に公表された後、長年務めたFBIを辞めました。

しかしマーク自身もその後裁判にかけられることになります。
それは映画の途中で描かれる、テロリストに対する盗聴の指示でした。

フーヴァーとは違い、国を守るための盗聴ではありましたが憲法に違反する行為でした。
その罪に問われたマークは結局有罪となってしまいます。
刑務所に入ることなく罰金刑でしたが、彼は罪に問われてしまったのでした。

その後長年のFBIに対する貢献により、レーガン大統領によって恩赦を受けることになりました。

そして死ぬまでディープ・スロートが自分であることを隠し続けるはずでしたが、2005年その事実を公表したのでした。

なぜマークがFBIの情報を新聞社に流したのかは謎のままですが、映画の中ではマークの娘に対する想いが強いように描かれていました。

学びポイント

ニクソン政権によるFBIに対する支配や捜査妨害の事実が描かれていた『ザ・シークレットマン』。

相手が大統領であろうとも、正義のためにアメリカのためにマークは戦い続けました。
そして国民に真実を伝えようとしたのです。

アメリカを震撼させたウォーターゲート事件の捜査において、内部で何が起きていたのかはこの映画を見れば全て分かります。

またFBIの「黒い仕事」についても触れているので、フーヴァー長官時代のFBIの状態も理解することができます。

『大統領の陰謀』と合わせて見ると、FBI側と新聞記者側の両方の行動を知ることができて事件に対する理解度が深まってくるはずです。


ディープ・スロート 大統領を葬った男