ニクソン大統領を辞任まで追い込んだ「ウォーターゲート事件」。
この事件の実態を政府の圧力に負けずに記事にし続けたワシントン・ポストの2人の記者の物語が映画『大統領の陰謀』です。
次々と色んな人の名前が出てきて混乱してしまいますが、ここでは彼らが実態を暴く過程を映画の流れに沿ってまとめてみました。
「ウォーターゲート事件」解明までの時系列が少しずつ見えてきます。
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『大統領の陰謀』作品情報
タイトル | 大統領の陰謀(All the President’s Men) |
監督 | アラン・J・パクラ |
公開 | 1976年8月7日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間18分 |
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・助演男優賞:ジェイソン・ロバーズ
・脚色賞
・録音賞
・美術賞[/box]
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ウォーターゲート事件
アメリカ合衆国で任期中の現職大統領が辞任に追い込まれるまでに発展したウォーターゲート事件。
1972年、アメリカは大統領選挙の真っ只中でした。
そんな時民主党の本部であるウォオーターゲートビルに不審者が侵入し、5人の男性が逮捕されます。
最初は窃盗だと思われていた事件ですが、すでに弁護士が手配されていたり犯人の中に元CIA職員がいたことで単なる窃盗事件ではないことが明るみになりました。
ワシントン・ポストの若い記者2人はこの事件を追い続けます。
その過程が『大統領の陰謀』で描かれています。
徹底的な取材によって、ニクソン大統領の最高補佐官や元司法長官などがこの事件に関わっていることを突き止めたウッドワードとバーンスタインでしたが、政府はそれをもみ消そうとします。
さらに彼らの記事に対して、「嘘だ」と真っ向から否定したのでした。
映画では2人の新聞記者が事件を暴いていく過程しか描かれていませんが、裁判が始まるとウォオーターゲートビルに侵入した犯人の1人が全て自白します。
それは事件に大統領再選委員会が関わっているという内容でした。
これをきっかけにウォーターゲート事件は大きく動き出します。
そしてニクソン政権ががウォーターゲート事件に関与していたことが明らかになっていきました。
「ニクソン大統領はもみ消しを知っていた」という発言も出る中、捜査の中で大統領の録音テープも出てきます。
これにより世論や野党は大統領弾劾に動き始めます。
さらに大統領がテープの提出を拒み、司法長官や司法副長官を解任しようとしたことで一気に大統領の反発が強くなります。
そして最終的にニクソン大統領は辞任に追い込まれてしまったのでした。
この一連の事件を「ウォーターゲート事件」と呼びますが、『大統領の陰謀』では記者2人が少しずつ事実に近づいていく調査の過程を描いています。
映画の中のセリフにも出てきますが、アメリカ国民のほとんどが忘れかけていたウォーターゲートへの不法侵入事件。
それを諦めずに取材し真実を暴こうとした記者の戦いを描いたのが映画『大統領の陰謀』です。
2人の記者の取材過程
①不法侵入事件
1972年6月17日、5人の男が民主党本部のウォーターゲートビルに侵入し逮捕される。
[box class=”yellow_box” title=”犯人について”]・元CIAの警備顧問
・5人ともCIAの関係者
・装備もお金の豊富に所持[/box](CIAは犯人との関係を否定)
ウッドワードとバーンスタインは、「犯人は民主党の選挙委員長を盗聴しようとしていた」と考え取材を始めた。
②手帳の名前
[box class=”yellow_box” title=”警察からの情報”]・H・H→ハワード・ハント
・W・H→ホワイトハウス[/box]
ハワード・ハントはCIAに在籍してたいことがあり、大統領の特別顧問チャールズ・コルソンと繋がりがある。
ハントはニクソンの政敵であるエドワード・ケネディーについて調査していた。
FBIもハントが侵入事件の関係者と見ている
③金を追え
ディープ・スロートの情報:「金を追え」
ニューヨーク・タイムズの記事
「共和党の一部組織がウォオーターゲートに関係」
侵入犯から大統領再選委員会に電話
犯人の資料から再選委員会のお金(選挙資金)が侵入犯に渡ったことが判明
▼ディープ・スロートについての記事はこちら▼
④再選委員会のお金
再選委員会の簿記係と経理主任からの情報
・秘密資金の管理者5人(3人の名前は確定)
3人のうち1人は元司法長官のジョン・ミッチェル。
元司法長官で元大統領再選委員会委員長のジョン・ミッチェルが共和党の秘密資金を管理・運用していたことを暴く
⑤民主党妨害工作
ウォーターゲート侵入前から民主党への妨害工作が行われていたという情報を得る
→再選委員会の秘密資金が妨害工作に使用されていた
ニクソン妨害工作の主任セグレティは、ニクソン大統領の秘書であるチェーピンと同級生。
チェーピンがセグレティに仕事をいらしていたが、チェーピンを雇ったのは大統領の最高補佐官のホールドマンだった
⑦真相追及
ホールドマンが事件に関与していたことを記事にしたワンシントン・ポストに対して、政府は「ホールドマンは無関係」と発表。
これによりワンシントン・ポストに対する風当たりが強くなる。
しかしディープ・スロートの情報により、ホールドマンだけでなく多くの政府の人間が関与していることをワンシントン・ポストは記事にする。
それは現政権の腐敗を暴くものだった。
2人の若き新聞記者が圧力にも屈せず諦めずに取材を続けた結果、多くの事件関係者が有罪となりついに1974年8月9日ニクソン大統領は辞任した。
まとめ
全世界を驚かせた「ウォーターゲート事件」の真実を暴いた新聞記者を追った映画『大統領の陰謀』。
そこにはネットのない時代に、自分の足で1つずつ取材をする若き新聞記者の姿が映し出されていました。
どんなに妨害されても諦めずに真実を追及する姿勢、それは真の新聞記者の姿でした。