イラク戦争開戦前。アメリカのメディアは政府の言葉を真実として伝えました。しかしナイト・リッダーの記者たちだけが政府が嘘をついていると書き続けていたのです。真実を伝えることの意義、そして国民は何を信じるのかを問いかけています。
『記者たち 衝撃と畏怖の真実』作品情報
タイトル | 記者たち 衝撃と畏怖の真実(Shock and Awe) |
監督 | ロブ・ライナー |
公開 | 2019年3月29日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間30分 |
Rotten Tomatoes
『記者たち 衝撃と畏怖の真実』あらすじ
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2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「大量破壊兵器保持」を理由に、イラク侵攻に踏み切ろうとしていた。
新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコットは部下のジョナサン・ランデー、ウォーレン・ストロベル、そして元従軍記者でジャーナリストのジョー・ギャロウェイ)に取材を指示、しかし破壊兵器の証拠は見つからず、やがて政府の捏造、情報操作である事を突き止めた。
真実を伝えるために批判記事を世に送り出していく4人だが、NYタイムズ、ワシントン・ポストなどの大手新聞社は政府の方針を追認、ナイト・リッダーはかつてないほど愛国心が高まった世間の潮流の中で孤立していく。
それでも記者たちは大儀なき戦争を止めようと、米兵、イラク市民、家族や恋人の命を危険にさらす政府の嘘を暴こうと奮闘する…
(出典:http://reporters-movie.jp)
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9.11とイラク戦争
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1990年イラクはクウェートを攻めます。
これに対してアメリカをはじめとする多国籍軍はイラクを空爆し、湾岸戦争が開戦しました。
湾岸戦争は多国籍軍の勝利に終わり、この時国連とイラクが結んだ停戦協定には「イラク内にある大量破壊兵器をすべて破棄する」という内容が含まれていました。
イラクはこの協定を結びますが、その後イラク内を調査することを拒んでいたのです。
これに対して「実はイラクは核兵器を持っていうのでは?」と思っている国は多数あったのです。
その1つがアメリカでした。
そして2001年9月11日。
アメリカで同時多発テロが起きます。
この時、テロを起こしたアルカイダとイラクは繋がっていると当時のブッシュ政権は考えたのです。
2002年にアメリカ議会がイラクに対して武力行使を行うことを認めたため、国連はイラクに調査に入ります。
こときイラク国内に核兵器があるという証拠は見つかりませんでした。
しかしブッシュ政権はこの証拠を無視し、イラクは核兵器を持っているとしイラクに空爆を行ったのでした。
これが2003年3月19日です。
そして翌日の3月20日アメリカ軍はイラク国内に攻め込みイラク戦争が開始したのです。
この2001年9月11日〜2003年3月20日のイラク戦争が始まるまでの、アメリカメディアについて描いたのが、『記者たち 衝撃と畏怖の真実』です。
「イラク国内には核兵器はない」「政府が嘘をついている」と書いたのは、小さな新聞社ナイト・リッダーだけだったのです。
真実を見極める目
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映画の中でメディアに携わっている人物の立場がリアルに描かれています。
しかしこの映画のポイントはもう1つ、メディアを通して我々が何を信じるかということです。
「メディアが報道することが全て正しいのかどうか」それは私たち自身で見極めなければいけないということなのです。
アメリカでは政府を批判するメディアを、大統領自ら「フェイクニュース」と言う自体が起きています。
でもこれはアメリカだけで起こっていることではありません。
最近の日本のメディアを見ていても、権力のある人たちにとって都合の悪いニュースは報道さらなかったりすることを見かけます。
しかも最近ではSNSによってデマが拡散されたりして、真実と嘘がわかりにくい時代になっています。
それに気がつかないとデマを信じてしまうことになってしまいます。
これだけ多くの情報が流れる現代で、真実とデマを見極めるためには私たち国民1人1人がそれぞれの事柄にきちんと向き合っていく必要があります。
もちろんたとえ多くの敵を作ることになっても真実を伝えることがメディアの仕事ではありますが、私たち自身ももっと世の中の出来事に関心を持ち目を養わなければいけないのです。
それが『記者たち 衝撃と畏怖の真実』に込められた、私たちへのメッセジーにように感じました。
まとめ
9.11〜イラク戦争開戦までの間に、アメリカ国内で起きていたメディアの戦いについて描かれた映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』。
孤独の中で真実を追求し続けた記者たち。
彼らは無意味な戦争に子供を送り出すことがないために戦ったのでした。
しかし結果はイラク戦争は開戦されてしまいました。
メディアへの、そして私たち自身への警鐘でもある映画です。