2011年7月22日ノルウェーのオスロとウトヤ島で起きた事件を描いた作品『7月22日』。この日一体何が起きたのか?生き残った被害者、被害者家族、弁護士など事件の後のそれぞれの戦いを描いています。二度と起きて欲しくない事件。そう願わずにはいられません。
『7月22日』作品情報
タイトル | 7月22日(22 July) |
監督 | ポール・グリーングラス |
公開 | 2018年10月10日 |
製作国 | メキシコ |
時間 | 2時間23分 |
Rotten Tomatoes
『7月22日』あらすじ
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11年7月22日、極右思想を持ったノルウェー人のブレイビクが首都オスロの政府庁舎前で爆弾を爆破させて8人を殺害。
さらに労働党青年部のサマーキャンプが行われていたウトヤ島で無差別に銃を乱射し、69人の命を奪った。
ウトヤ島でブレイビクの凶弾に倒れた少年ビリヤルは、九死に一生を得るが、脳に銃弾の破片が残ったままで、以前のように自由も利かない体になってしまい、苦悶の日々を送る。
やがて世間ではブレイビクの裁判が始まり……。
(出典:https://eiga.com/movie/89561/)
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ノルウェー連続テロ事件
2011年7月22日。
ノルウェーの首都オスロで政府庁舎爆破事件が起こります。
その後、ウトヤ島で銃乱射事件が起きました。
この2つの事件は史上最悪のテロ事件となります。
政府庁舎爆破事件で8名が、ウトヤ島では69名の方がなくなりました。
ウトヤ島では労働党青年部のキャンプが行われており、多くの子供達がその島に滞在していました。
犯人は単独犯のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク。
彼は多文化主義を憎みこの事件を起こしました。
多くの移民を受け入れている政府への不満から、悲しく悲惨な事件を引き起こしたのでした。
世界へ向けてのメッセージ
『7月22日』の監督を務めたのはポール・グリーングラスです。
過去に『ユナイテッド93』など実際に起きた事件を映画化している監督は、なぜノルウェーの事件をとりあげたのでしょうか?
監督は映画化するに渡り1ヶ月近く多くの人に取材を行いました。
その取材の中で彼は「ノルゥエーの人々が民主主義を守ろうとしている姿に胸を打たれた」と言っています。
そしてまたこの事件は誰にでも起こりうることなのだとも言っていました。
残念ながら世界が危険な方向に進みつつある今、どこでこのような事件が起きてもおかしくないのです。
この映画を通して監督は世界が直面している課題を描いたのです。
民主主義が失われつつある今、私たちは何をするべきなのか?
そしてどう対処していくべきなのか?
そんなことを監督は『7月22日』を通して私たちに問いかけていたのです。
生きる道を選ぶ
犯人に撃たれ重傷を負いながらも奇跡的に助かった少年ヴィリャル。
彼がその後背負ったものは想像を絶するものだと思います。
映画の中でも彼の苦悩が描かれていましたが、きっと本人はそれ以上の苦しみを抱えていたはずです。
それでも彼は裁判に出席し犯人の前に姿を見せました。
それは彼が生きることを選んだことの証だったからです。
自分は孤独ではない。
家族も友達も未来も希望も愛もあることを犯人に告げたのです。
自分はそれらとともに生き続ける、一人きりで今後生きていく犯人とは違うということを犯人に示したのでした。
そしてそれはまたヴィリャル自身の生きていくことへの決意表明だったのかもしれません。
まとめ
こんな悲惨な事件が実際に起きたと思うと心が痛くなります。
そして絶対に忘れてはいけないし、二度とこんな事件を起こさないためにもどうしなくてはいけないのかという課題を突きつけられます。
悲しいことにノルゥエーの事件の後も、同じような事件は世界で起きてしまいました。
民主主義とはなんなのか?
世界中が直面している危機を私たち日本人も人ごとではなく、自分たちにも起こり得ることとして考えなくてはいけないと感じました、