ヴィクトル・ユーゴーの有名小説の映画化『レ・ミゼラブル』。何度も舞台や映画化されている作品ですが、1998年版の映画ではジャン・バルジャンとジャベールの関係を描いていて、そこにはジャベールのジャン・バルジャンへの憧れも含まれていました。
『レ・ミゼラブル』(1998)作品情報
タイトル | レ・ミゼラブル(Les Misérables) |
監督 | ビレ・アウグスト |
公開 | 1999年2月6日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間14分 |
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『レ・ミゼラブル』(1998)あらすじ
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19世紀初頭のフランス。
盗みの罪で19年間服役したジャン・バルジャンは、保釈中に神父の赦しにふれて改心し、名前を変えて人々に慕われる市長にまでのぼりつめた。
しかし、新任の警察署長ジャベールがその正体を疑い、ジャン逮捕に情熱を燃やす。
(出典:https://video.unext.jp/title/SID0012473)
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原作『レ・ミゼラブル 』
1862年に執筆されたヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』。
あまりにも有名なフランス文学小説で、何度も舞台化や映画化テレビドラマ化された作品です。
大河小説の『レ・ミゼラブル』を1本の作品に収めるにはかなりの時間を要するために、どの作品も話のメインを決め、メインを中心に描かれています。
1998年版の『レ・ミゼラブル』では、ジャン・バルジャンとジャベールの関係に焦点を当てました。
そのためコゼットとマリウスのラブストーリーではなく、ジャン・バルジャンとジャベールの男同士の戦いが強く描かれています。
その戦いの内容も肉体の戦いではなく心の戦いとなっているため、ジャン・バルジャンとジャベールを演じたリーアム・ニーソンとジェフリー・ラッシュの演技のぶつかり合いにもなっている作品です。
ジャン・バルジャンVSジャベール
物語の中心であるジャン・バルジャンとジャベールの戦い。
ジャン・バルジャンは教会で盗みを働いてしまった時に、神父によって許されたことで「許す」ことを教わります。
そして新しい人間に生まれ変わると誓ったジャン・バルジャンは、それ以降は弱いものために生きまた人を許し続けていたのでした。
一方、ジャベールは警部として法のもとに生きています。
彼の中での正義は法律だったのです。
正義のためにジャン・バルジャンを追い続けるジャベール。
終われるジャン・バルジャンは、追い詰められながらも何度もジャベールを許します。
ジャン・バルジャンの心に触れたジャベール。
体つきも自分よりも大きく、男らしいジャン・バルジャン。
しかも多くの人に信頼されています。
自分とは全くタイプの違う彼にどこか憧れがあったのかもしれません。
方が1番のジャベールにとって許す行為を受け入れることができません。
悩み苦しんだ結果ジャン・バルジャンを解放した後、ジャベールは自らの手で法の中で死を選んだのでした。
まとめ
男同士の心の戦いを描いた1998年版の『レ・ミゼラブル』。
警察に追われることで苦しんでいたジャン・バルジャンでしたが、それ以上に心の中で苦しんでいたのはジャン・バルジャンを追っているジャベールの方でした。
体も心も自分よりも大きい人間に出会ってしまった彼は、最後までもがきました。
それでも彼は法を選んだのでした。