スペインの広場で起こったアメリカ大統領暗殺事件。その時現場ではないが起こっていたのか?それぞれの視点でしか分からない事実。何度も繰り返されるシーンが繋がり最後に真実がわかります。
『バンテージ・ポイント』作品情報
タイトル | バンテージ・ポイント(Vantage Point) |
監督 | ピート・トラヴィス |
公開 | 2008年3月8日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間30分 |
Rotten Tomatoes
『バンテージ・ポイント』あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
スペインの広場での演説に現れたアメリカ大統領。
彼を守るためにシークレットサービスのバーンズは任務についています。
広場の前のホテルに不審な動きを見つけたバーンズは、部屋を調べるように指示を出します。
部屋の不審な動きは扇風機でカーテンが動いているだけでした。
バーンズが安心したその時、大統領が何者かによって射撃されてしまったのです。
驚き慌てるバーンズ。
彼は観光客やテレビ局の映像を見ながら、真実を見つけ出すのでした。
それぞれの視点で描かれた1つの事件
『バンテージ・ポイント』の特徴は何度も同じシーンを、それぞれの視点で何度も繰り返すことです。
Vantage Pointとは「観点」と言う意味です。
この映画は同じ事件をそれぞれの観点から描いているので、同じ事件でも見え方が違います。
テレビ局
まず最初の視点はテレビ局のスッタフの視点です。
スペインの広場で中継をしているテレビ局。
現場から生中継で放送しています。
スタッフは中継車の中でいくつかのモニターを見ながら指示を出していました。
そして事件が起こります。
スタッフ達は外の状況は分かりません。
彼女達はモニターを通してみる世界でしか、外の出来事を知ることができませんでした。
シークレット・サービス
1年前に大統領を暗殺事件から守り、復帰したばかりのバーンズ。
1年前の事件のトラウマが残っている彼は、周囲の動きに過剰に反応してしまいます。
カーテンの動きが気になって見つけたのも彼です。
それでも事件は起きてしまいます。
バーンズは観光客が撮っていたカメラを見ます。
そこで次の爆発に気がつきますが、防げませんでした。
今度はテレビ局の映像を調べます。
そこで彼はとんでもない事実に気がついたのでした。
地元警察
スペインの市長を守るために現場にやってきた地元の警察官。
セキュリティーチェックを立場を利用してうまく通り、1人の女性ヴェロニカに近づきます。
その女性は彼が愛している女性ですが、他の男性といるところ目撃します。
ヴェロニカに理由を問い詰めますが、うまくはぐらかされしまった警察官。
その後、ヴェロニカに荷物を渡し、広場の前の方に移動しました。
大統領が撃たれた後、大統領に近づこうとしますがバーンズによって止められます。
彼はその時、ヴェロニカの行動を見てしまいます。
荷物を投げるヴェロニカ。
そしてそこで初めて自分がはめられたことに気がついたのです。
ヴェロニカは爆弾で彼も殺そうとしていたのでした。
観光客
家族と離れ1人スペインに旅行に来ていたハワード。
彼はビデオカメラで街を録画しながら、観光していました。
大統領の到着前に女の子とぶつかったハワード。
女の子のことを気にしながらも大統領の到着を録画し続けます。
そして事件が起きます。
自分も爆破に巻き込まれながらも録画を続けるハワード。
母親とはぐれたさっきの女の子アンを助けた後、逃げる男を追って追いかけました。
大統領
スペイン広場の演説に向かおうとしている大統領。
そこに脅迫が入ったことを知らされ、広場には向かわずホテルに戻ります。
広場に向かったのは替え玉だったのです。
ホテルに戻り広場の中継をテレビで見ている大統領。
そこで暗殺の現場を目撃します。
しかもホテルの入口でも爆発が起こります。
大統領の安全を確保しようとしている時、部屋に男が突入してきます。
そして大統領が拉致されてしまったのでした。
実行犯の1人
ヴェロニカ含む犯人に脅されている男ハビエル。
ヴェロニカに話しかけているところを、地元警察の男に見られ勘違いされてしまいます。
実は彼はヴェロニカ達に弟を誘拐され、テロに参加させられていたのでした。
ヴェロニカと別れたハビエルは、大統領が戻ったホテルに向かいます。
彼らは大統領がホテルに戻ったことも全て知っていたのでした。
そして指示通り大統領の部屋に入り、大統領を連れ出したハビエル。
彼はその後、弟の受け渡し場所に向かいます。
犯行グループのボス
今回の事件の犯人グループのボス。
彼は全てを入念に計画していました。
部下達に的確に指示を出し、計画通りに実行していきます。
しかし少しずつ歯車が狂い始めます。
死ぬはずだった地元警察の男が生きていたこと。
バーンズにシークレットサービスのテーラーが裏切ったことを知られてしまうこと。
連れ去った大統領が意識を取り戻したこと。
そして車の運転中の目の前に女の子が現れたこと。
最後は女の子を避けようとして車は横転してしまいました。
ラストに待っていたのは
犯人達の集合場所はゲートの下でした。
犯人を追いかけるバーンズもゲートの下に向かっています。
地元の警察の男を追いかけたハワードも同じです。
しかしそこにハワードが助けたはずの女の子が母親を探してやってきていました。
そのアンの先には犯人たちの乗った救急車が突っ込んできます。
慌ててハンドルを切った救急車はそのまま横転し、アンに迫ってきます。
それを助けたのは、ハワードでした。
そして横転した救急車から大統領を助け出したのは、追いかけ続けたバーンズでした。
その場にいた色んな人の視点で描かれた物語が、最後に1つに繋がります。
そして事件の全貌がその時に初めて見えたのでした。
まとめ
色んな人の視点から1つの事件を捉えた『バンテージ・ポイント』。
目の前で起きていることでも、立場が違えば見え方が異なってくるのです。
それを何度も同じシーンを繰り返す演出と、少しづつ真相に近づく展開で観客を引きつけた映画でした。
激しいカーアクションも見どころの1つです。