映画『地獄の黙示録』あらすじと解説 映画史に残る名作の1つ


フランシス・フォード・コッポラ監督によるベトナム戦争を描いた映画『地獄の黙示録』。前半の残虐的な戦争シーンと打って変わって後半は、王国の物語になっていきます。前半と後半のテイストの違いをここでは分析して見たいと思います。

『地獄の黙示録』作品情報

タイトル 地獄の黙示録(Apocalypse Now
監督 フランシス・フォード・コッポラ
公開 1980年2月23日
製作国 アメリカ
時間 2時間27分

Rotten Tomatoes

『地獄の黙示録』あらすじ


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サイゴンのホテルに滞在していたアメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部からカーツ大佐の暗殺を命じられる。

カーツ大佐は任務で訪れたカンボジアのジャングル奥地で勝手に自らの王国を築きあげ、軍から危険人物とみなされていた。

ウィラード大尉は部下たちを連れ、哨戒艇で川をさかのぼってカーツ大佐の王国を目指すが、その途中で戦争がもたらした異様な光景を次々と目撃する。

(出典:https://eiga.com/movie/45186/)

ベトナム戦争の戦いを描いた前半

出典:IMDb

『地獄の黙示録』の中で有名なシーンといえば、夕日をバックに飛ぶヘリコプターのシーンです。
いくつもの連なったヘリコプーたーが陸地を目指して飛んでいくシーン。
そしてそこで聞こえるヘリコプータの音。

戦地に赴く緊張感やそこで起こっていることへの感情が描かれています。

それ以外にも、爆撃を落とし炎で燃え上がる農園、敵地に「ワルキューレの行進」をかけながら攻撃を仕掛けていくキルゴア中佐など、激しい戦場のシーンが思い浮かぶのが『地獄の黙示録』です。

放題についた「地獄」という表現からもベトナム戦争の地獄を描いているのかと思われるシーンでもあります。

女性も子供も関係なく攻撃するアメリカ軍。
特に敵地でサーフィンをしようとするキルゴア中佐の描写はあまりにも過激すぎて、驚いてしまいまう描写です。

ウィーラード大尉はカーツ大佐を殺すという極秘ミッションを受け、カーツ大佐を探し川を上ります。
その途中で数々のベトナム戦争の現状を見ていくのです。

そして次第に部下達がおかしくなっていく様子も見ます。
しかも変わり始めている自分自身にも気がついていました。

『地獄の黙示録』の前半は激しいベトナム戦争の状況を過激に描き、音や映像からそれを伝えようとしています。

カーツ大佐を描いた後半

出典:IMDb

後半はカーツ大佐をウィーラード大尉が見つけてからの描写になります。
しかしそこから前半の勢いとは変わり、物語が心理的に描かれ激しさはなくなっていきます。

この前半と後半のテンポの違いに困惑した人も多いはずです。

前半全く登場しなかったカーツ大佐。
一体どんな人なのかと思い描きながら、観客もカーツ大佐の登場を待っていました。

そして現れたカーツ大佐はアメリカ軍の兵士ではなくなっていました。
アメリカ軍から危険人物とになされていたカーツ大佐。

兵士ではなくなっていましたが、1つの国の王のような存在になっていました。

これはカーツ大佐自身がベトナム戦争を通して感じた結果だったのです。
最新兵器を使っているアメリカ軍がなぜ勝利できないのか。

カーツ大佐はこの地に来る間にその答えに気がついたのでした。

ベトナム兵は武器ではなく、その心だけで戦うのだと。
本能で獣のように戦う彼らこそが、本物だと気がついたのです。

そのカーツ大佐の話を聞いて、ウィーラード大尉も流され始めていました。
チャンスはあるのに、カーツ大佐を殺せないのです。

それでも決意して自分の任務を行ったウィーラード大尉。
しかし彼の顔にはカーツ大佐と同じようなペインティングが施されていました。

カーツ大佐の死を知った住民はウィーラード大尉の姿を見てひざまづきます。
それは新しい王の誕生のようにも見えました。

『地獄の黙示録』の意味とは

出典:IMDb

『地獄の黙示録』の意味するところは何だったのでしょうか?

カーツ大佐を探し川を登るウィーラード大尉。
その途中で部下達がどんどんおかしくなっていきます。

それ自体がカーツ大佐の辿った道だったのです。
文明に生きていた兵士達が、ジャングルの奥にどんどん入っていくことで次第に獣のようになっていく様子を描いていたのです。

顔にペインティングすることもその1つです。
土着の人たちのようになっていったのが、カーツ大佐だったのです。

文明とかけ離れることで、人間の心の奥にある本能に支配され始めたのがカーツ大佐だったのです。

映画の画面では前半の方が激しく感じますが、人間としては後半の方が獣で本能で戦っているのです。
だからこそアメリカがこの戦争に勝てないのだとカーツ大佐は言っていたのです。

まとめ

古典的名作の1つに挙げられる『地獄の黙示録』。

特に前半のシーンは今でも多くの人の脳裏に残っているシーンでもあります。

『地獄の黙示録』は映画史に残る名作の1つなので、1度は見る価値のある映画です。