映画『バリー・リンドン』あらすじと評価 キューブリックの描いた貴族社会


スタンリー・キューブリックの描いた18世紀ヨーロッパの貴族社会。身分社会の中で上の階級に上り詰めていく青年バリー。しかし上り詰めた先に待っていたのは彼の嫌いだったはずの権力でした。

『バリー・リンドン』作品情報

タイトル バリー・リンドン(Barry Lyndon
監督 スタンリー・キューブリック
公開 1980年2月23日
製作国 イギリス/アメリカ
時間 3時間05分

Rotten Tomatoes

『バリー・リンドン』あらすじ


バリーリンドン [Blu-ray]

アイルランドの平民の若者が18世紀の貴族になるにはどうすればよいのか?

唯一かつ全てと思われる方法をバリー・リンドンは実行した。

(出典:https://www.happyon.jp/watch/60031497)

父親が決闘で殺されてしまったバリー。
彼は平民として母親とともに暮らします。

親戚のノラに恋したバリーですが、ノラはイングランドのクイン大尉と結婚することになります。
ノラを諦めきれないバリーは、クイン大尉に決闘を申し込み彼を殺してしまいました。

平民が大尉を殺してしまうと捕まってしまいます。
バリーは町から逃げ出しますが、途中で追い剥ぎに会い無一文になってしまったのでした。

何もなくなってしまったバリーは、イングランドの軍隊に志願します。
そしてそこからバリーの這い上がっていく人生が始まったのでした。

2部構成の物語

出典:IMDb

『バリー・リンドン』は1部と2部の構成でできていて、間に休憩の入る3時間ごえの作品です。


1部:レドモンド・バリーが如何様にしてバリー・リンドンの暮しと称号をわがものとするに至ったか
2部:バリー・リンドンの身にふりかかりし不幸と災難の数々

前半は平民だったバリーがリンドンになるまでの経緯を描き、後半は富と権力を手に入れたバリーが、全てを失う物語となっています。

前半と後半でバリーの人生は全く違います。

権力や身分に負けずに、それと戦っていくバリーを描いた前半。
なりふり構わず振る舞うバリーに偶然が重なり、その偶然はバリーにとっては幸運なものでした。

そして単なる平民がったバリーが軍隊に入り、お金持ちの女性と結婚して富を手に入れたのです。

苦労しながらも富を手に入れたバリーでしたが、自分がお金持ちになると今までのことを全て忘れたかのようになってしまいます。

彼は富と権力を使い始めたのです。

それによって崩れ落ちていく人生。
それが描かれているのが後半です。

富と権力に取り憑かれてしまったバリーは、大切なものを失ってしまうのです
それは彼が溺愛した息子ブライアンでした。

大切なものを失っていた後に待っていたのは絶望でした。

さらに昔に虐待した血の繋がらない息子に、お金を地位を奪われてしまいます。

彼は全てを失い生まれ故郷のアイルランドに戻って行ったのです。

『バリー・リンドン』権力と富に取り憑かれてしまった男の儚い人生の物語でした。

『バリー・リンドン』評価

出典:IMDb

3時間を超える大作となった『バリー・リンドン』。

アカデミー賞で7部門にノミネートされ4部門受賞する作品となりました。

受賞したのは
・撮影賞
・歌曲賞
・美術賞
・衣裳デザイン賞

の部門です。

この『バリー・リンドン』では見事なまでに18世紀のアイルランドやイングランドが描かれています。

キューブリックがこだわる抜いた世界観が、衣裳や美術セットなどから伝わってきます。

さらにそこに重厚な音楽が加わり貴族の身分を表現しています。

基本的にストーリーは笑ってしまうことの多いコメディー要素がありますが、映像からは気品の高さが伝わってきます。

それらが評価されてのアカデミー賞の受賞となりました。

まとめ

18世紀のヨーロッパを見事に再現したキューブリックの作品『バリー・リンドン』。

そこに描かれていたのは階級社会を駆け上がったけれど、それに取り憑かれてしまった悲しい男の人生が描かれていました。

コメディ的なタッチで物語は進みますが、切ない映画になっていました。