シングルマザーの貧困家庭に生まれた少年シャロン。学校ではいじめられ母親も薬物に手を染めてしまい、自分の居場所を見つけることができません。さらに自分が男性を好きなことに気づき始めるシャロンは、ますます自分の殻に閉じこもってしまうのです。そんな中でフアンという売人に出会ったシャロンは彼を父親にように慕い、やがて彼のような大人になっていくのです。
『ムーンライト 』作品情報
ムーンライト スタンダード・エディション [Blu-ray]
タイトル | ムーンライト(Moonlight) |
監督 | バリー・ジェンキンス |
公開 | 2017年3月31日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間51分 |
Rotten Tomatoes
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・作品賞
・助演男優賞:マハーシャラ・アリ
・脚色賞[/box]
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
リトル
シングルマザーの貧困家庭に生まれたシャロン。
彼は弱々しい感じから同級生達からいじめられていました。
母親は仕事をしていましたが、やがてドラッグに手を出しシャロンは家にいづらくなります。
そんなシャロンの心の支えが幼なじみのケヴィンと、ある日たまたま出会ったフアンという男性でした。
フアンはドラッグの売人ではありましたが、シャロンに優しく接してくれます。
泳ぎを教えてくれて、そして「自分の道は自分で決めろ。周りに決めさせるな」と言う言葉をかけます。
そんなフアンをシャロンは父親のように感じ尊敬するようになります。
しかしフアンは売人で、シャロンの母親はフアンからドラッグを買っていました。
シャロンはフアンの仕事を知り、一度は彼の家から出ていきます。
それでもシャロンにとって、フアンは頼もしい憧れの存在だったのです。
一方、ケヴィンもまたシャロンにとっては心の拠り所でした。
いじめられているシャロンに「タフなところを見せろ」と言ってくれて、シャロンのことをタフだと認めてくれた友人でした。
唯一シャロンが心を許せる相手がケヴィンだったのです。
シャロン
高校生になったシャロンですが、幼い頃と同じようにいじめられていました。
「おかま」と馬鹿にされるシャロン。
この頃きっと彼は自分がゲイであることに気がついていたはずです。
自分がケヴィンのことが好きだと。
しかしそれを隠しながら生きているシャロン。
父親的存在だったフアンが死んでしまい、しかも母親の中毒はひどくなり居場所がなかったのかもしれません。
そんな中でケヴィンと通じ合った気持ち。
シャロンにとっては最高に幸せな時間でした。
ただしその瞬間は一瞬で終わってしまいます。
いじめっ子の指示によりケヴィンはシャロンを殴ってしまったのです。
ケヴィンに殴られながら何度も立ち上がるシャロン。
この時シャロンの中の何かが弾けてしまいます。
そして翌日自分をいじめ続けた生徒に復讐を果たします。
結果、シャロンは逮捕されてしまい少年院にいくことになってしまったのです。
ブラック
少年院を出たシャロンは、すっかり様子が変わっていました。
筋トレで体を鍛え、体を大きくして別人のようになっていました。
その姿はまさにフアンのようで、仕事も売人になっています。
高級車の中に飾っている王冠。
フアンも同じような王冠を車に積んでいました。
憧れで尊敬していたフアンにようになり、生まれ変わったシャロン。
彼は地元を離れアトランタに住んでいました。
しかし、それは本当のシャロンではなかったのです。
体を大きくして別人のように見せていましたが、心の中は幼い頃の優しいシャロンのままでした。
さらにシャロンは自分がゲイであることも隠しています。
そんな生活に違和感を感じながらも、ずっと自分を偽り続けていたのです。
しかしそんなシャロンに、昔の自分を取り脅させてくれたのがケヴィンでした。
高校生のあの事件以来久しぶりに再会したシャロンとケヴィン。
ケヴィンはシャロンに「お前は何者だ?」と聞きます。
さらにケヴィンは自分は貧しいけど自分の足で自分の道を歩いているとシャロンに伝えました。
その言葉を聞いたシャロンは、自分が隠し続けていたことをケヴィンに伝えます。
ケヴィンの前で自分の本当の姿を見せたのでした。
優しくて弱いシャロン。
ケヴィンはそんなシャロンの頭を撫でてくれます。
この時ケヴィンはやっと本当の自分になれたのです。
きっとフアンの言った「自分の道は自分で決めろ。周りに決めさせるな」を思い出していたはずです。
まとめ
なかなか本当の自分を出すことができずに、少年時代を過ごしたシャロン。
いじめられたトラウマから、彼は強く男らしくなることが大切だと思っていました。
そして自分を偽りながら生活を始めますが、シャロンは初恋の人と再会したことで本当の自分を取り戻したのです。
きっとこれからシャロンは、自分の本当の姿で人生を歩んでいくはずです。