空から落ちてきた宇宙船に乗っていた子供を育てたら。。。「スーパーマン」と同じような始まりの映画『ブライトバーン/恐怖の拡散者』。しかし子供は大きくになるにつれて自分の持つ能力を「正義」とは違う方に使い始めます。「世界は自分のもの」と言う言葉通り彼は、世界を手に入れるために動き始めたのでした。
『ブライトバーン/恐怖の拡散者』作品情報
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タイトル | ブライトバーン/恐怖の拡散者(Brightburn) |
監督 | デヴィッド・ヤロヴェスキー |
公開 | 2019年11月15日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間30分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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子供ができず、ずっと苦しんできたトーリは、母になる日を夢見ていた。
ある日、謎めいた男の赤ちゃんの到来でその夢が実現する。
聡明で、才能にあふれ、好奇心旺盛な子供ブランドンは、トーリと夫のカイルにとってかけがえのない存在となった。
しかし、12歳になったブランドン中に強烈な闇が現れ、トーリは息子に恐ろしい疑いを抱き始める。
やがてブランドンは、普通の人が持つ事のない異常な力を発揮し始める。
そしてブランドンは、カンザス州・ブライトバーンをとてつもない恐怖に陥れていった───
(出典:https://www.rakuten-movie.co.jp/brightburn/introduction.html)
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世界を奪え
地球に落ちてきた贈り物。
そんなふうに養子にした息子ブランドンを育ててきた、母親トリー。
しかし息子ブランドンは12歳になると、真の能力を見せ始めます。
彼が地球にやってきたのは「世界を奪う」ためでした。
友人の言った「世界を支配するのは賢い人」と言う言葉通り、頭の良いブランドンは世界を支配し始めます。
とりあえず彼が行なったのは、自分に敵意を見せる人を始末することでした。
授業で習ったアシナガバチのように、攻撃的で危険な12歳のブランドン。
彼は他の虫に幼虫を育てさせるアシナガバチ。
ブランドンは地球人に育てられた宇宙人です。
彼は自分の素性と能力に気がつくと、それを全て世界征服に向けて使い始めました。
地球を救う宇宙人。
それはスーパーヒーロー物語にはたくさんあります。
特にスーパーマンはブランドンと同じように宇宙船で地球にやってきて、子供のいない夫婦に育てられました。
両親は納屋に宇宙船を隠し、人間でないことを伝えられずに子供を育てます。
そしてある時、子供に真実を教えるのです。
ここまでは全く同じ展開の『スーパーマン』と『ブライトバーン/恐怖の拡散者』。
しかしこの先両者の辿った道は全く別のものでした。
「世界を救う」と「世界を奪う」と言う真逆の道。
そしてブランドンの中に芽生えた悪は、誰も止めることができなかったのです。
彼を愛する母親にさえ不可能だったのです。
思春期・反抗期
救いの見えない、希望のない終わり方を迎えてしまう『ブライトバーン/恐怖の拡散者』。
ブランドンが別人になってしまったのは、12歳の時でした。
両親は子供が通る思春期・反抗期だと思いました。
しかし逆にとれば、この思春期の人間は大きな選択迫られているのかもしれません。
確かにブランドンは母親の愛にも反応せず、ただただ悪に進みました。
しかし、彼が唯一殺さなかった人がいます。
それは好きな女の子ケイトリンです。
彼女に意地悪された時は、好きだからこそ彼女の手を怪我させてしまいました。
彼女の母親が娘に「ブランドンに会うな」と言えば、ブランドンは母親に対して憎しみを覚えます。
それは思春期の男のだったら当たり前の行動です。
父親におじさんから誕生日プレゼントにもらった銃を取り上げられれば、ブランドンが父親に反抗的な態度を示します。
それも反抗期の少年なら普通です。
ブランドンの持っている能力のため異常に見えてしまいますが、彼が感じた気持ちは普通の12歳の男のと同じなのです。
母親は最後までブランドンを信じ愛そうとしますが、結局ブランドンはそんな母親も上空から落としてしまいました。
しかし彼はその前に母親に「いい子になりたいんだ」と本心を伝えています。
それを聞いているのに、母親は彼を殺そうとしました。
そんなことがあればブランドンが母親を憎んでも仕方ないでしょう。
もちろん彼のとった行動は異常ですが、心に感じる気持ちは誰もが思うことです。
結局物語はブランドンだけが助かり、彼は何気ない顔で生き続けると言う結果になってしまいます。
それは絶望だけが描かれていますが、その途中で実はブランドンを救う希望があったのではと感じてしまいました。
12歳の頃に子供が別人になるかどうか、それは周りにいる大人たちにかかっているんだう恐怖を描いたホラー映画が『ブライトバーン/恐怖の拡散者』なのです。
まとめ
一見、救いのないような終わり方に見える『ブライトバーン/恐怖の拡散者』。
しかしブランドンは12歳ならみんなが思うことを感じていただけでした。
それを彼の特殊な能力だけに囚われてしまったのが大人なのです。
そしてそれが間違った道へ進む子供を作ってしまったのかもしれません。