パラリンピックに出場する選手たちを追ったドキュメンタリー『ライジング・フェニックス 』。どん底から這い上がったヒーローやヒロインの素顔に迫った作品です。このドキュメンタリーに出演した選手の1人ベアトリーチェ・ヴィオ選手が、東京パラリンピックで金メダルを獲得しました。ここでは彼女の活躍を振り返ってみたいと思います。
『ライジング・フェニックス パラリンピックと人間の可能性』作品情報
タイトル | ライジング・フェニックス パラリンピックと人間の可能性(Rising Phoenix) |
監督 | イアン・ボノート/ピーター・エテッドギー |
公開 | 2020年8月26日 |
製作国 | イギリス |
時間 | 1時間45分 |
あらすじ
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トップアスリートや関係者たちのパラリンピックにかける熱意と行動は、ハンディキャップや多様性、優れた才能に対する世界の認識を変えるほど大きな力を持っている。
(https://www.netflix.com/title/81122408)
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ベアトリーチェ・ヴィオ選手
イタリアのヴェネツィア出身のベアトリーチェ・ヴィオことべべ選手。
5歳の頃からフェンシングを始め夢はオリンピックに出ることでした。
イタリアの国内ランキングにも入るほど将来有望だった彼女ですが、11歳の時に骨膜炎を患ってしまいます。
生きるために両腕を切断したベベ選手でしたが、その後再発してしまい両脚も切断することになってしまいました。
自分の状況を受け入れることができない彼女でしたが、明るいベベ選手は「運が悪かっただけ」と自分の体を受け入れます。
そして再びフェンシングと向き合い始め、夢はパラリンピックに出ることに変わりました。
14歳の時ロンドン大会の聖火ランナーに選ばれた彼女は、パラリンピックに出場するアスリートを近くで見て興奮と感動を覚えました。
ますますパラリンピックに出たいと思うようになった彼女は、ついにその夢を叶えます。
2016年リオ大会に車いすフェンシングのイタリ代表として出場を果たします。
初めてのオリンピックで緊張する彼女ですが、見事に金メダルを獲得しました。
喜びのあまり感情を爆発させるベベ選手。
その姿に多くの人が感動を覚えました。
その後イタリアに帰り国中から祝福された彼女は、今ではインスタのフォロワーが116万人もいるインフルエンサーです。
「自分自身を受け入れたら何でもできる」と話すベベ選手。
そんな彼女が2連覇という夢を叶えるために、2021年パラリンピックの舞台に戻ってきました。
東京パラリンピック 車いすフェンシング
ドキュメンタリー『ライジング・フェニックス パラリンピックと人間の可能性』の中でベベ選手は、リオ大会が「最初で最後の大会かも、この先何が起きるか分からない」と言っていましたが、再びパラリンピックの舞台に戻ってきました。
東京パラリンピック大会5日目、2021年8月28日。
ベベ選手の出場する車いすフェンシング女子フルーレ個人の試合が行われました。
順当に決勝に進んだ彼女は決勝でも持ち前のスピードで相手を圧倒し、15対9で見事勝利し2連覇を達成しました。
29日には車いすフェンシング女子フルーレ団体にも出場し、銀メダルを獲得しました。
(前回のリオ大会では団体では銅メダルでした。)
ベベ選手はこれでオリンピックで通算4個のメダルを獲得しました。
イタリアだけでなく世界中から注目されているベベ選手は、その明るさで多くの人たちに勇気を与えてくれています。
今回の東京大会でも彼女の喜びの雄叫びが、世界中の人に届きました。
これから先も彼女は自分自身の姿を通して、世界中の人にメッセージを送り続けてくれるはずです。
その他の選手
ドキュメンタリー『ライジング・フェニックス パラリンピックと人間の可能性』に出演していた他の選手も東京大会に出場しています。
車いすバスケットボールオーストラリア代表のライリー・バット選手。
北京で銀、ロンドンとリオで金を獲得した彼は3連覇を目指して東京にやってきました。
残念ながら東京大会では3位決定戦で日本チームに負けてしまい4位に終わってしまいましたが、「世界No1プレイヤー」と呼ばれる迫力あるタックルを見せてくれました。
まとめ
リオ大会に続き、東京パラリンピックでも金メダルを獲得したベアトリーチェ・ヴィオ選手。
世界中で愛されるアスリートは、東京大会でも多くの人に勇気を与えてくれました。
試合中に見せる彼女の雄叫びは、全てを受け入れ乗り越えた彼女の心の叫びでもあります。
そんなベベ選手をこれからも応援し続けたいです。