依存症に苦しむ2人の兄と妹。2人はそれぞれに心が闇を抱え依存症に悩んでいました。なぜ2人は依存症に苦しむようになってしまったのか。2人の過去に一体何があったのか?それは全く映画の中で描かれませんが、兄と妹の様子から2人の関係を垣間見ることができます。妹の歌う歌、家の中での2人の会話から依存症に苦しむ兄と妹の関係を考えてみたいと思います。
『SHAME -シェイム-』作品情報
タイトル | SHAME -シェイム-( Shame) |
監督 | スティーヴ・マックイーン |
公開 | 2012年3月10日 |
製作国 | イギリス |
時間 | 1時間41分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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ニューヨークの高級マンションに暮らす独身男性のブランドン。
会社での評判も良く、魅力的な外見は多くの女性が好印象を抱くこと間違いなし。
ところが、そんな彼には誰にも言えない秘密があった。
彼は、極度のセックス依存症だったのだ。
行きずりの女や娼婦とセックスし、暇さえあれば自慰に耽る。
職場のパソコンの中さえわいせつ動画でいっぱいだった。
それでも、それなりに平穏な生活を送っていたブランドン。
ところがそこへ、恋人にフラれた妹のシシーが転がり込んでくる。
すると、ギリギリのところで踏みとどまっていた彼の日常は徐々にバランスを崩しはじめ…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/341552)
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依存症に悩む兄と妹
ニューヨークの高級マンションで暮らす兄ブランドン。
優雅な生活を送り女性にもモテているブランドンですが、彼はセックス依存症に悩み苦しむ男性でした。
そんなブランドンの家に転がり込んで来たのが妹のシシー。
彼女の腕にはリストカットの跡があり、男性に依存している妹でした。
ブランドンはコールガールを呼び、卑猥なサイトを家でも会社でも見ています。
一方シシーもブランドンの上司とすぐに寝てしまうような女性です。
ブランドンは人との繋がりは無意味だと考え、女性に対しても肉体関係だけを求めています。結婚ですら意味がないものだと思っています。
しかしシシーの方は誰かに寄り添って欲しくて仕方ありません。
自分と繋がってくれる人を求めているために、男性に依存してしまっています。
そんなブランドンとシシーですが、どうやら2人の関係は普通の兄と妹のような関係ではありません。
それが2人が依存症で苦しむ原因になったようにも見えるのです。
兄と妹の不思議な関係
どちらもそれぞれに心に闇を抱えているブランドンとシシー。
ブランドンの家にやって来て、シシーは勝手にシャワーを浴びています。
ブランドンはシシーのいるバスルーム入ると、シシーがいたことに驚きます。
しかしシシーは兄の前で特に裸を隠すようすもありません。
また別の日、シシーはブランドンの寝ているベッドに入り込みます。
驚いたブランドンは「出ていけ」と怒鳴ります。
シシーは恋愛に依存していますが、実は兄ブランドンに依存しているのです。
シシーはバーで歌を歌うミュージシャンです。
そのバーにやって来た兄に歌った歌は「ニューヨーク・ニューヨーク」でした。
シシーは「きっとあたしはどこだって大丈夫 すべてあなた次第」と歌っています。
兄ブランドンに依存するシシー、それから逃げたいブランドン。
ブランドンの逃げた先がセックス依存症だったのです。
ついに怒りが頂点に達したブランドンは、シシーに「家から出ていけ」とどまります。
兄に拒絶されたシシー。
彼女はリストカットという道を選んでしまいました。
妹の元に戻ったブランドンは、妹の依存を断ち切ることができない現実に直面します。
そしてそれは自分も依存から脱出することができないという彼の嘆きでもありました。
まとめ
依存をテーマに描いた『SHAME -シェイム-』。
依存する自分と依存される自分の2つの局面で悩む男性がブランドンでした。
ラストシーンでブランドンの目の前に女性がやって来ます。
果たしてブランドンは依存を断ち切ることができたのでしょうか?
そして妹とからの依存から逃れることができたのでしょうか?