子供の心を忘れてしまったピーター・パン。大人になったピーター・パンは妖精など信じず子供との約束を破る仕事人間になってしまっていました。ファンタジー映画なのに大人が見ると心が痛くなってしまう映画『フック』。子供の心を取り戻すためにネバーランドへ旅立ちましょう。
『フック』作品情報
タイトル | フック(Hook) |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
公開 | 1992年6月20日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間22分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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40才になるピーター・バニングは、猛烈仕事人間で妻や子供達からは総スカン。
そんな一家が妻の祖母ウェンディの所に里帰りした晩、子供達が何者かに誘拐されてしまう。
途方に暮れていた彼の前に突然、ティンカーベルが現れた。
彼は子供達を救う為に、再びネバー・ランドへと向かうのだが……。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/20109)
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大人になったピーター・パン
モイラを愛しネバーランドを去ったピーター・パン。
2人の子供ができて幸せな家庭を築いていたはずでしたが、いつしかピーター・パンであることを忘れてしまいました。
企業の買収や合併に弁護士として携わっているピーターは仕事に追われるばかりです。
娘の発表会で仕事の電話を続け、息子の野球の試合はすっぽかしてしまいます。
そんなピーターのことを祖母のウエンディーは「海賊になったのね」と言っていました。
ネバーランドの子供達にとっては大人は海賊です。
ウエンディーの言葉にはそれ以外にも、会社を買収し邪魔な人を追い出す仕事を行っているピーターが海賊に見えたことも含まれていました。
「妖精なんか信じない」というピーターの心には、あの頃の純粋さはなくなっていました。
ネバーランド
存在しない国「ネバーランド」。
それは子供の心の中にある世界です。
「想像すれば本当になる」というネバーランドは子供の想像力から誕生した島だったのかもしれません。
ネバーランドに戻ってもピーター・パンだったことを思い出せないピーターは、それを飛ぶこともできません。
剣の使い方も知りません。
敵であるフック船長でさえも「彼はピーター・パンではない」と言うほどでした。
しかし少しずつネバーランドとティンカーベルがピーターに昔を思い出させました。
それは「幸せな思い出」です。
ピーターにとって幸せな思い出。
それは父親になったことでした。
2人の子供ができて父親になれて幸せだったはずのピーターは、いつしかそんな幸せを忘れてしまっていたのです。
子供といる幸せな時間よりも仕事で成功することが彼の1番になっていました。
しかしピーターにとって仕事は幸せな思い出ではありませんでした。
仕事のせいで息子との関係は悪化していました。
フック船長はピーターの子供達に「なぜ親は子供を憎むのか」という強烈な授業を行っていました。
自分たちの幸せな時間が奪われるから子供を憎むんだとフック船長はいっていました。
ピーターにとっての本当の幸せな思い出は子供と一緒にいることです。
自分がなぜネバーランドを去ったのか、そして何を幸せと感じたのかピーターはやっと思い出すことが出来たのでした。
まとめ
大人になるうちに忘れてしまった子供の心。
『フック』は子供の頃の想像力を忘れてしまった大人へ、子供の心を取り戻させる映画であると同時にもう1つ大人へのアドバイスが隠された映画でした。
それは子供と過ごせる時間は短いと言うことです。
子供はあっという間に成長して親の元から飛び立っていきます。
フック船長の子供への授業に「痛い」と感じた人もいたかもしれません。
仕事よりも子供と過ごす時間の方が大切だいうスティーヴン・スピルバーグからのメッセージでもあるのが『フック』でした。