映画『ブルックリン』で描かれた1950年代のブルックリンと移民の暮らし

1951年にアイルランドからブルックリンに向かったエイリシュ。移民の街であったブルックリンにはエイリシュのようなアイルランド人をはじめ多くのヨーロッパからの移民が暮らしていました。映画『ブルックリン』ではそんな1950年代初めのブルックリンの街を見ることができます。ここでは主人公のエイリシュを通して当時のブルックリンをみていきたいと思います。

目次

『ブルックリン』作品情報


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タイトル ブルックリン(Brooklyn)
監督 ジョン・クローリー
公開 2016年7月1日
製作国 カナダ/アイルランド/イギリス
時間 1時間57分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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アイルランドの小さな街。

エイリシュ・レイシーは不満を抱えながらも食料品店で働きながら、母と姉ローズの3人で静かに暮らしている。

妹の将来を思い、エイリシュにニューヨークで働けるよう計らうローズ。

家族と故郷に別れを告げ新天地へと旅立ったエイリシュだったが、彼女を待ち受けていたのは慣れない生活とホームシックで涙に暮れる日々。

そんなエイリシュを救ったのは、同郷の神父の勧めで通い始めた大学での『学ぶ喜び』と、誠実なイタリア系アメリカ人トニーとの『新しい出会い』だった。

徐々に笑顔を取り戻し、女性としての強さと自信を持ち始めたエイリシュのもとへ、故郷からある知らせが届く・・・。

(出典:http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/)

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1950年代初めのブルックリン

1951年故郷のアイルランドを離れブルックリンに向かったエイリシュ。
ブルックリンはたくさんの移民が暮らす街でした。
また地下鉄が開通したことで黒人もたくさんブルックリンにやってきて、ブルックリンはたくさんの人種で溢れる街になっていました。

そのブルックリンに仕事を求めてやってきたのがエイリシュでした。
エイリシュの彼氏トニーはドジャースファンです。
当時ドジャースはブルックリンが本拠地で、ブルックリン・ドジャースだったのです。

その後1958年にはロサンゼルスに移ってしまいますが、それまでニューヨークにはドジャーズとヤンキースがあったのです。
(ちなみにまだこの頃はNYメッツは誕生していません。)

またトニーの弟が「うちはアイルランド人が嫌いだ」と言っていましたが、その理由が兄弟の1人がアイルランドギャングに殴られたからだと説明していました。
当時ブルックリンにはたくさんののギャングがいたと言われています。

彼らはそれぞれの出身で縄張り争いをしていてアイルランド系とイタリア系は仲が悪かったのです。
トニーの家族はイタリア系移民なので、アイルランド系のギャングと喧嘩になったのでしょう。

またこの時、弟は「警察官もアイルランド人」と言います。

これは本当で当時のブルックリンではアイルランド人の警察官が多かったのです
それはアイルランド人は真面目だと言われていて、警察官や消防士などにアイルランド人が多かったのです。
それはアイルランドには敬虔なカトリックが多かったこととも関係しているかも知れません。

アイルランドからブルックリンに多くの人がやってきたのは19世紀の後半です。
アイルランドで飢饉が起こり、生きるために多くのアイルランド人がアメリカに渡りました。

エイリシュがクリスマスの夜にボランティアで出会った人たちも50年前にアイルランドからアメリカにやってきた人たちでした。

経済成長するニューヨークでトンネルを掘り橋や道路を作ったのが彼らだったのです。
しかしその後取り残されてしまった彼らはホームレスになってしまったのでした。

『ブルックリン』の中ではブルックリンにやってきたアイルランド人を中心にイタリア系移民など、当時のブルックリンで必死に生きる移民たちの姿を見ることができます。

1950年代初めのカルチャー

デパートで働き始めたエイリシュの同僚は、彼氏と『静かなる男』を見たと言います。


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これはアイルランド系移民の子供であるジョン・フォードが監督した作品で、主人公がアイルランドに住む物語でアイルランドで撮影されています。

アイルランド出身のエイリシュを思った同僚の会話でしたが、ホームシックにかかっているエイリシュはうまく会話をすることができませんでした。

そんなエイリシュにもいつしかイタリア系移民のトニーという彼氏ができます。
二人がデートで見た映画は『雨に唄えば』でした。


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1952年に大ヒットしたミュージカル映画で、トニーは見終わった後に有名なシーンをエイリシュの前で再現していました。

またエイリシュとトニーはコニーアイランドでもデートします。
ブルックリンの最南端にあるコニーアイランドはリゾート地としてたくさんの観光客が訪れる場所です。
映画の中でも観覧車が見えるように、テーマパークが並びまたビーチもある観光スポットだったのです。

どれだけ人が多かったかは、映画の中の海水浴場のシーンを見ればすぐに分かるはずです。

まとめ

アイルランドから1人でブルックリンに渡った女性の物語『ブルックリン』。
この映画の中では当時のブルックリンの様子を知ることができます。

移民がたくさん集まったブルックリン。
そんな街でホームシックと戦いながらもエイリシュは自分の居場所を作っていきました。

当時エイリシュと同じようにこの地で必死で生きた移民がたくさんいたはずです。

『ブルックリン』は1950年代初めのブルックリンの雰囲気を感じることができる映画でした。

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