スピルバーグの『未知との遭遇』や『E.T.』を子供の頃に見て育ったJ・J・エイブラムスが手がけた『SUPER8/スーパーエイト』。映画好きだったJ・J・エイブラムス自身の子供の頃を映画に登場する子供達に重ね合わせて作られた作品には、当時に初年たちがハマった映画がたくさん隠されていました。
『SUPER8/スーパーエイト』作品情報
タイトル | SUPER8/スーパーエイト (Super 8) |
監督 | J・J・エイブラムス |
公開 | 2011年6月24日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間52分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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1979年の夏。
オハイオの小さな町で父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョー。
ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズやアリスら5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、列車の脱線事故に遭遇する。
またその混乱の中で、8ミリカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から飛び出してくる“何か”を偶然映し出していた。
ほどなくして現場には軍が到着。
そして彼らは、ある極秘情報が何者かに知られてしまったと、大規模な捜索を展開する。
現場から逃げ帰り、誰にも言わないと誓い合うジョーたち。
しかし、町では不可解な事件が次々と起き始め、次第に極秘情報である“何か”の実態が明らかとなっていく…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/338676)
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舞台は1979年
『SUPER8/スーパーエイト』の舞台は1979年です。
映画の中で特に表記されることはありませんが、テレビのニュースでこの物語の舞台設定がいつかを把握することができます。
ジョーが家に帰った時にテレビで流れていたニュース、それはスリーマイル島で起こった原子力発電所事故のニュースでした。
この事故は1979年3月28日に起こりました。
このニュース映像で『SUPER8/スーパーエイト』の時代設定がわかるようになっています。
さらにガソリンスタンドでは定員のブリーンが説明書を読みながらウォークマンで音楽を聞いていました。
保安官がラジオと間違えたSONYのウォークマン。
これは1979年7月に発売されたので、ブリーンは発売されたばかりのウォークマンを手にしていました。
そのブリーンがウォークマンで聴いていた音楽はブロンディの「ハート・オブ・グラス」でした。
この曲も1979年1月に発売され大ヒットした曲です。
さらに主人公の少年達がみんなで歌っていた曲はザ・ナックのデビュー曲「マイ・シャローナ」です。
1979年6月に発売されてビルボードで5週連続1位を獲得した大ヒット曲になります。
当時の事件や流行した商品や音楽などを物語の中に登場させることで、『SUPER8/スーパーエイト』は1979年の物語なんだと分かるようになっていました。
映画大好き少年達
主人公のジョー達が8ミリを使って撮っていた作品はゾンビの作品でした。
ジョーの友達のチャールズの部屋には『ゾンビ』のポスターが貼ってあり、この映画の影響を受けていることがわかりました。
ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』は1979年にアメリカで公開され、ロメロ監督はこの作品で一躍有名になりました。
ジョー達が作ったゾンビ映画の中で化学工場の名前がロメロ化学工場になっていたのも、彼らがロメロ監督の『ゾンビ』が好きなことが伝わってきます。
チャールズの部屋には他にも映画のポスターが貼ってあります。
それは1978年に公開された『ハロウィン』や、
1974年公開の『大地震』のポスターでした。
ゾンビの映画を撮ろうとするチャールズですから、当時のホラー映画やパニック映画にはまっていたはずです。
一方で模型好きのジョーはテレビで見た『ノートルダムの傴僂男』の模型を作っていました。
『SUPER8/スーパーエイト』のに登場する少年たちはみんな映画が好きで、それはこの映画を作ったJ・J・エイブラムスの少年時代とも重ねられていました。
エリア51
『SUPER8/スーパーエイト』の中で登場する地球外生命体。
それは1958年から空軍の施設で研究されていたということになていました。
この施設とはエリア51のことを指しています。
アメリカで根強い都市伝説の1つで、元は1947年に起きたロズウェル事件から始まりました。
アメリカには1947年にロズウェルにUFOが墜落したと言われる伝説があります。
この時に回収された宇宙人がエリア51に保管されていると言われていました。
さらに1990年には空軍基地で働いていた人物が、エリア51では1958年からUFOの操縦訓練が行われていて自分がそれに関わっていたと発表しました。
『SUPER8/スーパーエイト』の中で描かれている、ウッドワード先生が1958年から行なっていた研究とはアメリカに伝わる都市伝説と結び付けられていました。
まとめ
スピルバーグ作品が大好きで、子供の頃彼の作品を見て育ったJ・J・エイブラムス。
『SUPER8/スーパーエイト』は映画好きで映画オタクだった自分自身を主人公の少年たちに重ねて作られていました。
1979年に起きていたことや当時の子供達がどんな映画にはまっていたのかなど、この映画を見れば当時のカルチャーを知ることができます。
そして『SUPER8/スーパーエイト』自体もスピルバーグの『未知との遭遇』や『E.T.』にオマージュを捧げている作品になっていました。