低予算で製作されたにも関わらず爆発的な人気を誇るホラー作品となった映画『ハロウィン』。1978年に作られた映画は、その後も形を変えながら作られ続け長年にわたって愛される恐れられる作品となりました。ここではそんな映画『ハロウィン』の製作秘話を調べてみました。
『ハロウィン』作品情報
タイトル | ハロウィン(Halloween) |
監督 | ジョン・カーペンター |
公開 | 1979年8月18日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間31分 |
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
映画『ハロウィン』誕生秘話
製作費30万ドルで作られた映画『ハロウィン』。
同じ時期に公開された映画[box class=”blue_box” title=””]『スーパーマン』:5500万ドル
『ジョーズ2』:2000万ドル
『ディア・ハンター』:1500万ドル[/box]比べると映画『ハロウィン』がどれだけ低予算で作られたかが分かります。
監督は新人だったジョン・カーペンター。
製作フタッフは彼の大学時代の友人など、周りもほとんど新人ばかりの中で映画は作られました。
ホラー映画にそれほど興味になかったジョン・カーペンターでしたが、彼は見えない恐怖を『ハロウィン』の中で作り上げます。
血の描写もグロテスクなシーンもほとんどありませんが、観客の想像力を使って恐怖をかき立てる演出を行いました。
製作費が30万ドルしかない中で1番お金を使ったのはカメラ。
ジョン・カーペンターは7万ドルもする手持ちカメラを使って『ハロウィン』を撮ります。
自由に動ける手持ちカメラを「目」として、物語が作られます。
カメラは時には「観客」、時には「マイケル・マイヤーズ」の視点になります。
それが1番効果的に使われているのは映画冒頭のシーンで、幼い頃のマイケル・マイヤーズの視点を通して彼の残虐な行動を映し出していました。
ちなみに、あの冒頭にシーンは15時間かけて20回以上もテイクを重ねて撮影されたそうです。
また製作費が少ない中で恐怖を演出するために「暗闇」が利用されました。
ホラー作家のスティーヴン・キングは、自身の本の中に「映画『ハロウィン』は、約18分間を除いて全編日が暮れてからの話だ」と書いているほどです。
ジョン・カーペンター監督はその暗さを、マイケル・マイヤーズの登場シーンにも使います。
部屋の中の誰かが潜んでいそうな暗闇を見せることで恐怖心を植え付け、そしてそこから不気味なマイケル・マイヤーズが登場することで、観客を震え上がらせたのです。
手持ちカメラでや暗闇の効果もあって、映画が公開されると観客はブギーマンに向かって「叫び」「笑い」「話しかけた」そうです。
主人公のローリーに向かって観客は「そこに入るな」「何してる」などと叫び、映画を体験することになったのです。
一大ブームとなった映画『ハロウィン』はハロウィンの時期になると公開され、さらにいくつもの続編が作られるようになりシリーズ化していきました。
幼い頃『ハロウィン』を見たデヴィッド・ゴードン・グリーンは、自分も監督になりたいと思い始めます。
そして彼は、『ハロウィン』の直接的な続編となる映画『ハロウィン』(2018年)を製作しました。
1978年に若者たちが作り上げた映画『ハロウィン』は、今でも多くの人達によってその物語は語り継がれているのです。
ブギーマン誕生秘話
映画『ハロウィン』といえば、あの不気味なマスクのブギーマン。
幼い頃に姉を殺してしまい精神病院に入ったマイケル・マイヤーズか被った無表情のマスクが、マイケルの怖さを強調していました。
『ハロウィン』を象徴するマスクは、「無表情のマスク」としか指示されていませんでした。
そこで美術スタッフはマスク専門店に向かいマスクを探します。
スタッフが手にしたのはスター・トレックのカーク船長の無表情のマスクでした。
撮影所に戻った美術スタッフは、マスクを改造し始めます。
[box class=”blue_box” title=””]・目を大きくする
・眉毛を剃る
・もみあげを剃る
・顔を白くする
・髪の毛を黒くする[/box]
こうして、あのブギーマンが誕生したのでした。
まとめ
1978年に公開の映画『ハロウィン』は、それから40年以上経っても作られ続けている物語です。
当時新人だらけのスタッフが作り上げた作品は、世代を超えて語り継がれる映画となりまた愛される作品となりました。
そしてたくさんの映画監督を輩出する作品ともなったのです。
参考資料:Netflix『ボクらを作った映画たち』