実話を元にした伝記映画『キャプテン・フィリップス』。ソマリア沖でコンテナ船アラバマ号をソマリアの海賊が襲った時のことを描いた映画です。人質となったキャプテン・フィリップスの緊張と絶望感が伝わってくる映画です。
『キャプテン・フィリップス』作品情報
タイトル | キャプテン・フィリップス(Captain Phillips) |
監督 | ポール・グリーングラス |
公開 | 2013年11月29日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間14分 |
Rotten Tomatoes
『キャプテン・フィリップス』あらすじ
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09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。
53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。
米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。
(出典:https://eiga.com/movie/58257/)
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ドキュメンタリータッチの『キャプテン・フィリップス』
『キャプテン・フィリップス』の監督ポール・グリーングラス。
9.11のテロを描いた『ユナイテッド93』などドキュメンタリー映像を見ている様な映画を作ることを得意としている監督です。
そのポール・グリーングラスが手がけた『キャプテン・フィリップス』は、ソマリアの海賊に襲われる緊張感が手に取るように伝わってきます。
見つかってしまえば命を落とす危険のあるクルー。
見つからないように息を殺して隠れ続けます。
そんなクルーを必死で守ろうとするキャプテン。
海賊たちとの頭脳線を繰り広げます。
バレないようにクルーに合図を送り続けていました。
前半はアラバマ号での緊張感、そして後半は質にされてしまったキャプテンの乗る救命艇の中での緊張感。
2つの緊張感が観客に畳み掛けるように押し寄せてきます。
キャプテンは助かったことを知っているのにドキドキしてしまう映像。
その場の重苦しい空気や緊迫感が見事にリアルに伝わってくるのは、これまで臨場感を追い続けてきたポール・グリーングラス監督だからこそ作り出せた映像になっていました。
船長を演じたトム・ハンクス
キャプテンフィリップスを演じたのは、トム・ハンクス。
常に危機感を感じている真面目で厳しい船長で必死にクルーを守ろうとする正義感の強い男を演じていました。
後半は前半の正義感の強さとはうって変わり、人質になった恐怖と何が起こるかわからない絶望感が伝わってきます。
1人の男の持つ強さと弱さをトム・ハンクスが私たちに見せてくれます。
特にラストのフィリップスの感情が爆発したシーンは圧巻です。
「もう耐えられない」と泣き叫ぶフィリップス。
限界まで耐え続けてきた彼の本音が溢れ出します。
「生きて帰りたい」。
でも先の見えない攻防戦に正義感の強い男も心が折れてしまいました。
窮地に陥った時、彼が何を感じていたのかが痛いくらいに伝わってくる凄まじいラストシーンでした。
そのラストの演技は監督も「彼の過去の出演作の中でも最高だと思う」というほど素晴らしいシーンになっています。
狭い救命艇の中で何時間も耐え続けたキャプテンフィリップス。
救命艇の中でかわす海賊たちとの心理戦。
見ているだけなのに息が詰まってしまう展開で、最後まで目を話せない作品です。
まとめ
実話をもとにした伝記映画『キャプテン・フィリップス』。
海賊に襲われ人質となった船長フィリップスの感じた恐怖を描いた作品になっています。
フィリップスと海賊の会話の中で海賊側の心情も映し出し、彼らが海賊にならざる得なかった状況も伝えていました。
物語をコンテナ船と救命艇の2つに分け、前半と後半で全く違う緊張感を演出しています。
果てしなく続く緊張感にひきつけられて、あっという間に時間が経ってしまう映画です。
【映画ポスター】キャプテンフィリップス (トムハンクス) /ADV-SS