1980年代を代表するホラー映画の1つ『エルム街の悪夢』。映画に登場する殺人鬼フレディはキャラクターとして有名にもなりました。そんな『エルム街の悪夢』が最初に公開されたのは1984年でしたが、2010年にはリメイク版が製作されています。ここではオリジナル作品とリメイク作品を比較してみたいと思います。
2つのエルム街の悪夢
エルム街の悪夢(1984年)
タイトル | エルム街の悪夢(A Nightmare on Elm Street) |
監督 | ウェス・クレイヴン |
公開 | 1986年5月24日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間31分 |
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エルム街の悪夢(2010年)
タイトル | エルム街の悪夢(A Nightmare on Elm Street) |
監督 | サミュエル・ベイヤー |
公開 | 2010年6月26日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間35分 |
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共通点
2010 年に公開された『エルム街の悪夢』は、基本的にオリジナル作品を忠実にリメイクしています。
ストーリー展開も同じですし、登場人物たちの設定もナンシー以外は名前は違うけど、オリジナルとほとんど同じです。
そして何と言ってもオリジナルで描かれる印象的な怖いシーンも1つ残らずリメイクされています。
[box class=”red_box” title=””]・壁から出てくるフレディ
・宙に浮き天井に叩きつけられる犠牲者
・バスタブに出てくるフレディの手
・廊下に置かれた死体袋
・床が柔らかくなり進めなくなる
・天井いっぱいに広がる血の海
・ベッドに吸い込まれる[/box]
さらにはラストシーンで母親に起こる出来事も、ちゃんとリメイク作品でも描かれていました。
オリジナルと同じ展開もあれば、リメイクしてさらに残虐的な描写に生まれ変わったシーンもありましたが、1984年の『エルム街の悪夢』の中で忘れられない強烈なシーンは全て2010年版に詰まっていました。
劇中で実際にフレディの犠牲になるのは3人の学生でその人数も同じです。
実はリメイク作品にはオリジナルにいないキャラクターが1人出てくるのですが、それも終わってみれば犠牲者の人数を同じにするためだったということが分かります。
2010年の『エルム街の悪夢』はオリジナルをとても尊重していて、物語的にもビジュアル的にも終始「愛」を感じる作品になっていました。
相違点
オリジナルに忠実に作られ2010年の『エルム街の悪夢』ですが、いくつかオリジナルとは違う点もありました。
大きな相違点が2つあって1つは殺人鬼フレディ・クルーガーの過去です。
オリジナルでは「近所の子供を20人殺した殺人鬼」としか語られませんが、リメイクではフレディが過去に何をしたのかが説明されています。
さらに彼が全身に火傷を負ってしまった理由やその過程も描かれていて、ナンシー達がなぜフレディに襲われるのかが分かるようになっていました。
オリジナルではフレディと直接関わりがあったのは親の方でなぜその子供が狙われるのかはっきりしていませんでしたが、リメイク版ではその辺の疑問を解決してくれています。
オリジナルとリメイクの2つ目の相違点は物語の後半の展開です。
後半の流れはフレディやナンシー達の過去と関係していて、オリジナルにはない流れになっていました。
リメイク版はオリジナルでは描かれなかったフレディ・クルーガーの人物像をプラスしたことで、オリジナルよりももっと重く嫌な気持ちを抱かせます。
オリジナル作品で描かれたフレディはどこかコメディ要素もありその後ホラー映画のアイコンになっていきましたが、2010年版のフレディは誰も彼に愛着を持たない不快な人物となっていました。
まとめ
2010年にあらためてリメイクされた映画『エルム街の悪夢』は、オリジナルに忠実で元の作品に対する愛が溢れる作品になっていました。
しかしそれと同時にオリジナルにあったコメディ要素を消し去り、フレディというキャラクターを徹底的に「悪者」として描いています。
1984年に映画が誕生してからいつしか愛されるようになったフレディというキャラクターを、恐ろし人物に作り直したのが2010年の『エルム街の悪夢』でした。