警察署を経営し自らデトロイトを私有化しようとしていたオムニ社でしたが、事業の失敗で彼らは日本企業に買収されてしまいます。しかし資金を得たオムニ社は再びデルタ・シティの建設に乗り出しました。そんなオムニ社の前に立ちはだかったのは、強制的に立ち退きを命じられた市民達。そして弱者を守るロボコップは、そんな市民達の味方についたのです。
『ロボコップ3』作品情報
タイトル | ロボコップ3(RoboCop 3) |
監督 | フレッド・デッカー |
公開 | 1993年11月5日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間44分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
買収されたオムニ社
デトロイトにデルタ・シティを作ろうとしていたオムニ社。
社長の長年の夢を実現するためには、街から犯罪をなくすことが重要でした。
そのため市と契約を交わしたオムニ社は、警察を経営することになります。
さらに犯罪を排除するために、ED209やロボコップやロボコップ2号を作りました。
しかしどの計画も失敗が続きついに経営が危なくなってしまったオムニ社は、日本企業のカネミツ商会の参加に入りました。
そして新たな社長を迎え、再びデルタ・シティを建設することにしたのです。
5年前にはかなりの大企業だったオムニ社でしたが、この5年間ですっかり様変わりしてしまいました。
新たな社長は前の社長ほど権力はなさそうです。
カネミツ商会には逆らうことができないのです。
それでもデルタ・シティを作るために、なんとしてもキャデラック・ハイツの住民を立ち退かせる必要があります。
そのためには手段を選ばないのがオムニ社です。
そこは今までと変わっていません。
彼らはリハッブ隊を送り込みます。
アマゾンの戦地からやってきたとされるリハッブ隊。
市民を守るとされているリハッブ隊でしたが、リハッブ隊はキャデラック・ハイツから住民を追い出すのが仕事です。
さらに警察も利用しようとします。
ロボコップをリハッブ隊に入れようとしたのです。
しかしついに警察も立ち上がります。
今までオムニ社に利用され続けていたデトロイト署の警察官達。
何度ストを起こしても、雇用内容は改善されませんでした。
市民を守る警察・弱者を守る警察として、彼らは市民側についたのです。
そこにはもうオムニ社に支配されない警察官の姿がありました。
ストではなく市民を守るために彼らは立ち上がったのです。
もちろんロボコップもオムニ社と戦います。
彼のケアをしているラザラス博士は、ロボコップのプログラムの4つ目を削除しました。
「オムニ社には逆らわない」。
4つ目の指令が削除されたことで、ロボコップはやっとオムニ社と戦うことができたのです。
日本企業の進出
自動車の街デトロイトに進出して日本の会社カネミツ商会。
デトロイトにはゼネラル・モータース ・フォード・クライスラーがあり、自動車産業で成り立っている都市でした。
しかし1980年代ごろ、日本の自動車会社がアメリカに進出します。
そのためアメリカ社は売れなくなり、それと同時にデトロイトの街も衰退してしまいました。
当然、デトロイト市民には反日感情が生まれていました。
ただし、それも1980年代後半には収まっていきます。
この頃、景気がよかった日本は経済成長し続け、多くの企業が海外進出をはじめます。
1980年代後半〜1990年代前半は、まさに日本企業が海外進出を果たした絶頂期でした。
『ロボコップ3』の中で描かれるカネミツ商会も、そんな勢いに乗ってオムニ社を買収したのでしょう。
ただしこの映画の中で描かれているカネミツ商会は、かなり社員を酷使する会社だったようです。
1ヶ月の間に社員が4人も自殺していました。
それでも逆らえないオムニ社の社長。
今では考えられない、1990年前半の日本企業の強さを感じることができる描写でもありました。
まとめ
ついにオムニ社に反撃に出たデトロイトの警察官達。
彼らは親会社のオムニ社と戦うことを決めたのです。
そんな親会社のオムニ社も以前ほどの力はありません。
彼らもまた買収され日本企業の傘下になっていました。
1990年代前半の日本企業の強さを知ることができ映画が『ロボコップ3』でもありました。