ロボコップとなったマーフィが守っているデトロイト。しかし市民の間で麻薬が流行り、街は荒れていました。しかもオムニ社に対して警察官達はストを起こし、街は無法状態となってしまいます。麻薬や街の支配などで、犯罪が溢れるデトロイト。それでもロボコップは街を守ろうと悪と戦います。そんなロボコップの前になんと最強のサイボーグが現れたのです。
『ロボコップ2』作品情報
タイトル | ロボコップ2(RoboCop 2) |
監督 | アーヴィン・カーシュナー |
公開 | 1990年7月27日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間57分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
荒廃するデトロイト
麻薬がはびこり、街には警察官の姿はなく、無法地帯のデトロイト。
その理由の1つにデトロイトの警察の親会社である、オムニ社の存在がありました。
オムニ社は街を守るためにロボコップを開発した企業です。
しかしオムニ社の社長は今では、デトロイトの街を自分のものにしようと考えていました。
そのため、彼は警察を衰退させゼロから街を作り直そうとしていたのです。
そんなオムニ社の社長の机の上には、レーガン大統領と一緒に写っている写真が飾られています。
映画『ロボコップ2』は1990年に公開され、大統領はブッシュです。
しかし前作同様に、この作品の中にもレーガン政権に対する皮肉が込められていたのです。
「麻薬戦争」という言葉を使って、アメリカの麻薬撲滅に出たレーガン大統領。
特に当時クラックコカインと呼ばれる安価な麻薬が登場し、中毒になってしまう人がたくさんいました。
これはヌークという新しく登場した麻薬で、腐敗してしまったデトロイトと重なります。
自社製のロボットで街を取り締まり麻薬を撲滅しようとしたオムニ社の社長の姿は、麻薬の取り締まりを強化したレーガン元大統領のようでした。
レーガン大統領は、不景気のため予算を削減する一方で富裕税を減税しました。
そのため世の中に格差が生まれました。
それはまさしく警察に対するコストを削減し、自分たちの企業が儲かればいいと考えるオムニ社の社長そのものでもあるのです。
さらに「強いアメリカ」がスローガンだったレーガン大統領。
それは「メイド・イン・アメリカ」というオムニ社の社員の言葉にも現れていました。
映画『ロボコップ2』の中で描かれるデトロイトは、当時のアメリカの縮図でもあったのです。
ロボコップ2
警察官達はオムニ社に対してストを行っているので、街は犯罪で溢れかえっています。
そんななか、ロボコップとなったマーフィだけは街を守るために戦っていました。
(マーフィの相棒ルイスも警察官として犯罪を取り締まっています。)
一方、オムニ社はマーフィに変わる新たなロボコップを作るために、中の人間を探していました。
心が強くないと犯罪者に立ち向かえないと考えた心理学者は、世の中の嫌われ者で不死の命を求めている犯罪者こそ最適な人材だと考えました。
そして麻薬組織のリーダのケインをロボコップ2号にしたのです。
暴力的で反社会的で神を信じているケイン、さらに彼は麻薬中毒者です。
彼らなら絶対に服従すると考え他のです。
その通りケインはオムニ社の指示に従い、市長達を殺しに向かいます。
しかし彼には1つ欠点がありました。
彼の脳は麻薬に犯されていて、麻薬を求めていたのです。
そのため自分自身をコントロールできなくなり、暴走してしまいました。
ロボコップと同様に、犯罪防止プログラムを備えたロボコップ2でしたが、犯罪者の脳を使えば、結局は犯罪者なのです。
ロボコップが優秀な警察官として仕事をするのは、マーフィが真面目で優秀だったからなのです。
人間を使ったロボットを作るときは、元の人間の人格が重要になってくるのです。
まとめ
警察官としてデトロイトの街を守り続けているロボコップ。
ロボコップが守るデトロイトの街は荒れ果ててしまい、当時のアメリカ社会と重なるものがあります。
ロボコップは街にいる犯罪者を捕まえようと戦い続けていましたが、それはある意味ロボコップはアメリカ社会を守るために戦っているとも言えるのです。
当時のアメリカ社会をデトロイトに置き換えた作品、それが映画『ロボコップ2』でもあったのです。