『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3で描く1985年のカルチャー


各シーズンで1983年 1984年を舞台にしてきたドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。シーズン3で舞台となったのは1985年です。少年からティーンエイジャーとなったマイク達4人が興味を示すものも少しずつ変わり始めています。ここではそんな1985年のカルチャーを見ていきます。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3

タイトルストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things)
シリーズシーズン1〜
放送2016年〜

>>>『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1はこちら

>>>『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン2はこちら

1985年のカルチャー

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3の舞台は1985年。

シーズン1では1983年の11月シーズン2では1984年の10月とこれまでは秋のホーキンスが舞台になっていましたが、シーズン3の舞台は夏です。

今回はそんな1985年のカルチャーを紹介します。

第1章

背も伸び大人ぽっくなったマイク達が、こっそり忍び込んで見た映画はゾンビ映画『死霊のえじき』で、アメリカでは1985年7月19日に公開されています。


死霊のえじき<HDニューマスター版>(字幕版)

ただし、第2章で設定が「独立記念日(7月4日)の4日前」ということが分かるので、まだ『死霊のえじき』はアメリカ全土で公開されていないはずです。

限定的にNYなどで1985年6月30日にプレミア公開されてはいるので、もしかするとホーキンスでも先行上映されたのかもしれません。

オタク少年だった彼らもシーズン3では10代半ばになりゲームよりも恋愛に夢中のようで、マイクはエルとルーカスはマックスとラブラブでした。

若干取り残された感のあるウィルとダスティンですが、ダスティンは遠距離恋愛中のガールフレンドがいると言います。

スージーという名前の彼女は「フィービー・ケイツ」に似ているとダスティンは言っていました。

フィービー・ケイツといえば1980年代に最も人気のあったアイドル女優の1人です。

1984年に公開された映画『グレムリン』は大ヒット映画となり、ヒロインのケイト役で出演していた彼女は世界中で人気の若手女優となりました。


グレムリン(字幕版)

またホッパーが家で見ていたドラマは『私立探偵マグナム』で、1980年から1988年まで8シーズン放送されたドラマです。

一方ジョイスが見ていたのはシットコムドラマ『チアーズ』で、こちらは1982年から1993年まで11シーズン放送されたドラマでした。


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第3章

第1章では当時の男の子達の憧れ「フィービー・ケイツ」の名前が出てきましたが、3章ではこの時代女の子達に大人気だった「ラルフ・マッチオ」の名前が出てきます。

マックスが「超イケてる」と言っていたラルフ・マッチオとは映画『ベスト・キッド』で、主人公のダニエルを演じた少年でした。


ベスト・キッド (字幕版)

1984年に公開された『ベスト・キッド』は大ヒット映画となり、ラルフ・マッチオもアイドル的な人気を獲得しました。

ちなみに6章ではルーカスが「空手キッド」と書かれたTシャツを着てはちまききをするというダニエルスタイルになっていました。

第4章

シーズン3でかなり仲良くなったエルとマックスですが、マックスがエルに「どっちがいい?」と見せたコミックは「ワンダーウーマン」と「グリーン・ランタン」でした。

エルが「ワンダーウーマン」を選ぶと、マックスは「ワンダーウマン」のあらすじを話し始めていました。

コミックの「ワンダーウーマン」は1941年に初登場すると、1942年にはワンダーウーマンを主役としたコミックが刊行されるほど人気キャラクターでした。

その後、1950年代ごろからは人気が下火となっていた「ワンダーウーマン」でしたが、1970年代に入るとフェミニズム運動と共に「ワンダーウーマン」は復活し、1975年〜 1979年まではテレビドラマとして放送されます。

時代の流れと共に復活したのが「ワンダーウーマン」でした。

しかしまだまだ1985年当時、特にホーキンスのような田舎の町では女性が男性と平等に働くのは難しい時代でした。

その様子はナンシーの会社での扱いで描かれていました。

シーズン3ではマイク達とではなくスティーブと行動を共にしているダスティンですが、彼はソ連の企みを暴こうとエアダクトの中に入ろうとします。

そんなダスティンを心配するロビンに対してスティーブは鎖骨のないダスティンのことを「ガンビーのようなもの」と説明していました。

この「ガンビー」とは1956年〜1968年まで放送され人気キャラクターだった緑色の粘土のキャラクターのことです。


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すでに放送が終了したアニメでしたが、1980年代に入ると「ガンビー」の短編が作られ再び人気キャラクターとなっていました。

第7章

なんとかソ連の極秘基地から逃げ出したダスティン達は、映画館に逃げ込みます。

その時公開されていた映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でした。
(第1章でも映画館でポスターが映っています。)


バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)

第7章の物語は1985年7月4日の出来事でしたが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年7月3日に公開された映画です。

ちなみにこの映画館にはこれから公開予定の映画『ピーウィーの大冒険』(1985年8月9日公開)や『コルドロン』(1985年7月24日公開)のポスターが貼られていました。


ピーウィーの大冒険(字幕版)


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第8章

第8章はついにダスティンの彼女のスージーが登場します。

そして2人が仲良く歌った歌は映画『ネバーエンディング・ストーリー』の主題歌でした。

『ネバーエンディング・ストーリー』はアメリカでは1984年7月20日に公開され、ファルコンが多くの子供たちの心を掴みヒットしました。


ネバーエンディング・ストーリー (字幕版)

そのダスティンは、別行動をとるそれぞれのグループをコードネームで呼び合っていますが、彼はマイク達のグループのことを「グリズウォルド家」と呼んでいました。

これはアメリカでは1983年に公開された「ホリデーロード4000キロ」の主人公家族の名前から取っていると思います。


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日本ではそれほどメジャーな映画ではありませんが、アメリカではヒットした映画でその後5本もの続編が作られている作品です。

ハードでタフだった戦いもなんとか終わった最終章の最後では、スティーブとロビンは新たなバイトをするためにビデオショップに面接に向かいます。

今とは違いレンタルビデオ全盛期だったこの時代、ビデオ店の入口には『炎の少女チャーリ』『すてきな片想い』『スカーフェイス』のポスターを確認できます。

面接で「好きな映画は?」と聞かれスティーブが答えた作品は『アニマル・ハウス』、イウォークのことをテディベアと説明した『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』、さらには店内で見かけた等身大のフィービー・ケイツパネルを抱えながら『初体験/リッジモント・ハイ』と答えていました。

この時スティーブは最近見たと言いながら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を「アレックスと母親がやる映画」と説明しています。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマイケル・J・フォックスが演じた主人公の名前は「マーティ」です。

なぜスティーブが「アレックス」と言ってしまったかというと、それは1982年〜1987年まで放送された大ヒットドラマ『ファミリータイズ』で主人公を演じていたマイケル・J・フォックスの役名がアレックスだったからです。


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ちなみに、ロビンが答えた映画は『アパートの鍵貸します』『隠し砦の三悪人 』『天井棧敷の人々 』で古い作品でしたが、映画の名前の並びを見ても彼女がかなり映画好きで映画通なことが分かるシーンになっていました。

まとめ

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3を通して1985年のカルチャーを振り返りました。

今回は、映画館やレンタルビデオ店が出てきたことで、今まで以上に当時のカルチャーを触れることができる内容になっていました。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の映像をかなり見せてくれたり、『ネバーエンディング・ストーリー』の歌を丸々聞かせてくれたりと、主人公達を同世代の人にとってはとても嬉しいファンサービスになっていました。