映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』最後の全力を尽くして任務を全うした医療兵

1966年4月11日、ベトナムでアメリカ陸軍第1歩兵師団の兵士たちを救った、1人の勇敢な空軍医療兵。彼は危険を承知でヘリコプターから地上に降りたくさんの兵士を助けました。「最後の全力を尽くして」任務を全うした空軍落下傘救助隊のウィリアム・ピッツェンバーガーの実話が『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』です。

目次

『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』作品情報


ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実(字幕版)

タイトル ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 (The Last Full Measure)
監督 トッド・ロビンソン
公開 2021年3月5日
製作国 アメリカ
時間 1時間56分

あらすじ

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1999年、ペンタゴン空軍省の官僚のハフマンは、30年以上も請願されてきたある兵士の名誉勲章授与の精査を行うことになる。

1966年のベトナム戦争下、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーは敵兵の奇襲を受け孤立した陸軍中隊の救助にヘリで向かうが、あまりにも激しい戦闘のためヘリは降下できなかった。

すると彼はその身一つで地上に飛び降り、自らの命は顧みず負傷兵たちを救出していくが、ついに銃弾に倒れてしまう。

戦後、ピッツェンバーガーの両親と戦友タリーは、彼の功績は、名誉勲章授与にふさわしいと何度も軍に働きかけるも却下され、彼の武勲は叶わないままだった。

はじめは気乗りしないハフマンだったが、歴史に埋もれた英雄を知る退役軍人たちの証言を求めてアメリカ各地からベトナムのハノイまで調査を進める。

やがて、ピッツェンバーガーの並外れた勇気ある行動を知るに及んで、大きく心を動かされる。

そして、彼に名誉勲章が授与されなかった背景に驚くべき陰謀が隠されていたことに気がつくのだった…。

(出典:公式

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「ラスト・フル・メジャー」の意味

「ラスト・フル・メジャー」(the last full measure )という言葉は、アメリカ合衆国第16代 大統領エイブラハム・リンカーンが、1863年に行ったゲティスバーグでの演説の中に出てくる言葉です。

リンカーンはこの演説で、南北戦争で戦死した人たちに「最後の全力を尽くして身命をささげた偉大な大義」と追悼の言葉を述べました。

この「最後の全力を尽くして」というのが、「ラスト・フル・メジャー」の意味になります。

映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』では、「最後の全力を尽くして」医療兵として仲間を好き続けたウィリアム・ピッツェンバーガーの勇姿が描かれていました。

ウィリアム・ピッツェンバーガー

ベトナム戦争

アメリカ空軍落下傘救助隊の医療兵だったウィリアム・ピッツェンバーガーは、負傷したアメリカ兵や南ベトナムの兵士を救助するのが彼の任務でした。

ヘリコプターで要請があった場所へ向かい、地上にいる負傷兵を迅速に救助するのです。

1966年4月11日、この日ピッツェンバーガー達は、アメリカ陸軍の第1歩兵師団から負傷兵搬送の要請を受け現地に向かいました。

要請があった場所は激しい銃撃戦が行われていて、地上では多くのアメリカ兵が負傷していました。

地上に降りることはかなり危険なことでしたが、ピッツェンバーガーは自ら志願して地上に降ります。

地上に降りてきたピッツェンバーガーを見た兵士が「正気の沙汰か?」と思うほど、それは危険な行為だったのです。

ピッツェンバーガーは次々と負傷した兵士を手当しヘリコプターにあげます。
しかしその間銃撃戦はますます激しさを増して行っていました。

ベトコンによって完全に包囲されてしまい、銃撃だけでなく砲撃も行われているなか次第にヘリコプターにも危険が迫ってきます。

それを感じ取ったピッツェンバーガーはヘリコプターに遠ざかるように指示を出し、自分は地上に残りました。

そして激しい攻撃の中でその後も彼は負傷兵を助け続け、60人もの兵士を立った1人で救助したのです。

ライフルを片手に医療キッドを片手に持って仲間を助け続けたピッツェンバーガー。

残念ながら彼は敵の銃弾によって倒れてしまいましたが、「最後の全力を尽くして」最後まで仲間を助け続けたのでした。

ベトナム戦争後

ウィリアム・ピッツェンバーガーが亡くなった直後、その活躍から空軍司令官は彼を名誉勲章に選日ます。

しかし陸軍の司令官は名誉勲章ではなく、空軍十字賞をピッツェンバーガーに与えました。

これを不服に思った仲間たちが行動を起こし、2000年12月8日ウィリアム・ピッツェンバーガーはようやく名誉勲章を受賞することができました。

アメリカ陸軍第1歩兵師団

ピッツェンバーガーたち空軍落下傘救助隊が要請を受け救助に向かった先にいたのは、アメリカ陸軍第1歩兵師団でした。

もっとも古い歴史を持つ師団の1つである第1歩兵師団には伝統があります。

肩章は劇中でも「ザ・ビッグ・レッド・ワン」(大きな赤い1)と説明されているように、赤い数字の「1」のマークがついています。

歴史と伝統のある第1歩兵師団は、兵士たちにとって誇りでもありました。

映画の中では「最も精強な兵士の一団だと」語られていました。

そんな第1歩兵師団はベトナム戦争に向かったのは1965年7月で、約2,900人の兵士が上陸したと言われています。

1966年4月11日、彼らはミッションに向かいますが、そこには既に敵が待ち構えていました。

地面に掘った穴の中や木の上などに隠れて歩兵団がやってくるのを待ち構えていたベトコンは、アメリカ軍の兵士を見ると一斉に攻撃を始めたのです。

あっという間に包囲されてしまったアメリカ軍にとって1966年4月11日は最悪の日になってしまったのでした。

まとめ

ベトナム戦争で仲間を見捨てずに最後まで戦った医療兵の物語『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』。

ピッツェンバーガーの物語であると同時に、彼に助けられた兵士たちのその後の戦いの物語でもありました。

ベトナム戦争でまた戦後現代で勇敢に最後まで自分達の任務を遂行しようとする人たちの姿を見ることができる作品になっています。

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